【#京都新聞 読者情報誌 きらっと京滋 2024年1月号 #山瀬理恵子 の #アス飯レシピ 掲載のお知らせ】

2014年にスタートを切った毎週火曜日発売、京都新聞朝刊ジュニアスポーツ面、3年間のアス飯連載時代から合わせますと、京都新聞さんとは何と、10年目に突入という大変長いお付き合いになりました!

遠方より支えていただき心より感謝!

健康食材として話題の高カカオチョコレートと米麹甘酒を用い、発酵✖︎発酵で組み合わせました!

【感染対策におけるクローブの理解】

2023年7月9日(日)、自身が2008年から所属し、継続的に大学教授、研究者の先生ご本人から学ばさせていただくことが出来る日本メディカルハーブ協会 第7回学術フォーラムが掲題のテーマでオンライン開催された。

ここ3年間、私たちは新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、この感染症の罹患やその後の後遺症に悩まされ、健康状態についての不安や生活制限なども含め、大きな影響を受けてきた。このパンデミック下において、毎日の健康管理や予防に努めながら、植物療法についての可能性を再認識し、毎日の健康管理や予防、罹患時のケアなどにメディカルハーブを活用された方も多い。学術研究においても抗新型コロナウイルス作用を明らかにすることを目的とした研究が多く発表されて来た。

今回の学術フォーラムは、新型コロナウイルス感染症に関する研究として2題の講演が行われた。

そのうちの一つが、小川基彦先生(国立感染症研究所)「抗新型コロナウイルス作用をもつメディカルハーブの探索」。

これまでに他のウイルスに対して、抗ウイルス作用をもつことが報告されているメディカルハーブの新型コロナウイルスへの作用に対する効果を明らかにすることを目的に行われた研究で、効果が期待されるフィトケミカルによる処理による新型コロナウイルスの感染抑制効果について評価し、結果としてオイゲノールに顕著な抗新型コロナウイルス作用が確認されたという報告だった。

オイゲノールはクローブやシナモン、ナツメグといったスパイスなどにも多く含まれており、医薬品だけでなく、食品などへの応用も期待できるとのこと(本研究は、日本メディカルハーブ協会の研究助成制度により実施された)

クローブは、オレンジやレモン、温州みかんなどの柑橘系やシナモンとの相性が抜群。精油はアロマテラピーでも使用される。肉の臭みを消したり、カレーなどにも使用される。適量摂取すると胃腸を整え、食欲を増進させたりする効果も。ここにシナモンや柑橘の皮を添えると効果的。抗炎症作用や口腔内の痛みを緩和する作用も。

クローブはチョウジ(丁子)。昔から香辛料や生薬として使われて来た。

クローブ(丁子)
科名:フトモモ科
学名:Eugenia caryophyllata
抽出部位:蕾
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:インドネシア、マダガスカル、スリランカ
主な芳香成分:オイゲノール、酢酸オイゲノール、β-カリオフィレン

クローブは、何世紀にもわたって多くの病気の民間療法に使用。料理のスパイスとしてもよく知られる。呼吸器疾患を治療するため、古代からクローブが使用されて来た。

①抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用
②抗炎症作用
③抗血栓作用
④免疫刺激作用
⑤麻酔作用
 
マグネシウム、マンガン、カリウム、鉄、セレンなどのミネラルが含まれる。マンガンは抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼの補因子として体で使用される。

オイゲノールとサリチル酸メチルやメチルアミルケトンなどの微量成分はクローブの特徴的な香り。

伝統医学では熱いクローブティーから放出されるアロマテラピーは、咳、風邪、喘息、気管支炎、副鼻腔炎などの呼吸器疾患に使われる。主成分であるオイゲノールは血小板阻害剤としての活性を示し、血栓を防ぐ。アラキドン酸誘発血小板凝集、ならびにプロスタグランジン生合成およびトロンボキサン B2 の形成を阻害することが分かっている。免疫抑制された入院患者の感染に対して顕著な抗菌効果を示し、COVID-19 患者の二次細菌感染を予防するための有用性が示唆される。

●まとめ
伝統的なハーブである「クローブ」。免疫力向上、二次感染予防、抗炎症・抗血栓作用が期待できることから、感染対策の一助となることが示唆されている。

またシナモンは免疫と「腸」に有効。抗炎症、抗酸化、抗糖化、精神安定、胃腸を整える。

① 小腸上皮の免疫および代謝遺伝子の発現を増加させる。
② 小腸の管腔内IgAレベルを増加させる。
③ 大腸のシュードモナス属のバクテリアを減少させる。

Kim, J. I.,et al. Oral consumption of cinnamon enhances the expression of immunity and lipid absorption genes in the small intestinal epithelium and alters the gut microbiota in normal mice. Journal of Functional Foods, 2018;49: 96-104.