山瀬理恵子の行ってこ〜わい!第4回公開!

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第4回は収穫最盛期を迎える四国中央市のサトイモが主役。JA全農えひめが商標登録するブランド名「伊予美人」でおなじみだ。「愛媛に来て一番おいしいと思ったのがいもたき」という料理研究家の山瀬理恵子さん。先日、夫の山瀬功治選手が所属する愛媛FCの選手や家族らと、河川敷でいもたきを楽しんだという。この日は長靴を持参し、気合十分でロケに挑んだ。

【日本三大局地風に負けない作物】

四国中央市土居町蕪崎の畑で作業していたのは鈴木敏也さん(44)、綾子さん(45)夫婦。畑の背後には法皇山脈がそびえる。敏也さんは「この辺はやまじ風という山から強い風が吹いて他の作物が育たなかったのでしょう。生き残ったのがサトイモです」と説明する。日本三大局地風に数えられる強風の影響を受けない根菜として、盛んに作られるようになった。

農家に生まれた敏也さんと大阪出身の綾子さんは学生時代、大阪で知り合い結婚。敏也さんは「当時は、農家が嫌で嫌で」と会社員として勤め、綾子さんは保育士として働く中、子どもの食物アレルギーを機に「安心できる物を作りたい」と10年前、敏也さんの実家の四国中央市で再スタートを切った。

そんな伊予美人の特徴は「丸くてほのかに甘く、中は真っ白。食べたらねっとりしています」(敏也さん)。機械で掘り起こし、手作業で一つずつに分ける。春に種芋を植えるとそれが親芋になり、その周りに子芋、さらに孫芋ができる。後にできた芋に栄養が流れるため、親芋より子芋、孫芋がおいしい。伊予美人の親芋はあくが強くて食べないそうで、販売されるのは子芋と孫芋。孫芋の見分け方は、芋を切った割り口の少なさを見るとよい。

 

【くわを使った芋掘りに悪戦苦闘】

山瀬さんがくわを使ってサトイモ掘りに挑戦。「せーの、えいっ!」。勢いよく振りかざしたものの、土が重くくわが抜けない。「永遠に掘れない気がする…」と弱気の一言。何度か繰り返し、サトイモの塊を取り出すことができた。

綾子さんは「サトイモって手間がかかるイメージがあるので、簡単で子どもも食べられる料理を」と畑の一角に用意したガスコンロで野外クッキング!作るのは「サトイモソテー」。薄切りにし、オリーブ油で焼いて塩をかけたら完成だ。

綾子さんは東予の女性農業者の販促グループ「たべとうみん」のメンバーとして活動中。スーパー店頭での対面販売やイベント出店などでこのソテーを振る舞い、お手軽料理をPRしている。試食した山瀬さんは「表面はさくさく、中はねっとりでジャガイモにはないおいしさ」と絶賛。このシンプルレシピがどうアス飯になる?

【サトイモの粘り成分で免疫力アップ】

畑近くのJAうま川下経済センターへ移動。山瀬さんは、サトイモの粘り成分を生かし免疫力を上げるレシピを提案した。

サトイモは、イモ類の中でトップクラスにカリウムが豊富で、血圧を下げる作用がある。寒い時期は感染症予防に効果的といい、この時期に最適。

鍋に水とマイタケ、細かく切ったミカンを皮ごと入れて煮る。ここでアス飯ポイント!「キノコは水から茹でる」。キノコは60~70度でうま味が増すため、水からゆでるといいだしが出る。ビタミンBなど水溶性成分が溶け出すので、汁物がおすすめ。さらに、朝食べると血糖値を抑える効果が次の食事まで続く「セカンドミール効果」があり、朝食に取ると効果抜群。

ミカンは皮ごとざく切りに。「冬に毎日1、2個食べると、来夏まで血中濃度を保てる」というから驚き。豊富なビタミンCはタンパク質と合わせると粘膜を丈夫にするため風邪予防に強力なコンビ。房の白い筋は血流改善効果があり、そのまま食べよう。

ミカンが柔らかくなったら鶏ひき肉、シラス、ナンプラー、はちみつを入れる。温まったら水で溶いたくず粉でとろみをつける。片栗粉でも代用できるが、くず粉は体を温める作用、片栗粉は冷やす作用がある。最後にニラとソテーしたサトイモを入れる。

ニラの根元に多く含まれるアリシンはビタミンBの吸収率を高め、鶏むね肉との摂取で疲労回復効果が持続する。アリシンを活性化させるには、ニラの切り方に一工夫。根元は細かく、葉先はビタミンの損失を抑えるためざく切りがよい。ニラは使う直前に切り、火を通しすぎないのもポイント。全体を一回ししたら完成!

 

【奇抜だけどパーフェクトなレシピ】

全員で試食。「ミカンの感じがあまりなくすっと入る味」(敏也さん)、「作っているときからどんな味やろと思ったけど全部がマッチしている」(綾子さん)と高評価。山瀬さんは「全部の食材が免疫力をアップさせるパーフェクトなレシピ。これ以上ないくらい最高のレシピができた」と自信作になったようだ。

次回は松山市に行ってこ~わい!