日焼けした日のリカバリーレッドスープ

日焼けした日のリカバリーレッドスープ



日焼けした日のリカバリーレッドオレンジスープ
 

材料 2〜3人

鮭(鮭のあらでもOK)         2〜3切れ

トマト                3個
新玉ねぎ、赤パプリカ         各1個
セロリ(葉も使う)          1/2本
にんにく               2片
タイム、ブロッコリースプラウト、
オリーブ油、月桂樹、塩、黒こしょう  適宜

水                  550cc
酒(白ワイン)            50cc


作り方

①鮭とトマト、赤パプリカ(種やわたごと)は食べやすい大きさに切る。新玉ねぎは角切り、セロリは斜め薄切り、にんにくはみじん切りする。

②鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが立ったら新玉ねぎとセロリを入れ、中火で透き通るまで炒める。更に、赤パプリカ、トマトを入れて中火で炒める。

③②に水、酒、鮭、タイムの葉、セロリの葉、月桂樹を入れ、野菜に火が入るまでコトコトしっかり煮込む。塩、黒こしょうで味を整える。

紫外線のダメージから肌を守ったり復活させるサポート力の強い栄養素を持つ食材をピックアップしています!

〇鮭のアスタキサンチン
(シミを防いで美白をサポートand肌の弾力を保ちシワを防ぐ)

 

最強の抗酸化物質と名高いアスタキサンチンは、紫外線刺激から肌守りを助ける機能、肌のうるおいと弾力を保ち、健やかな肌を維持する機能が報告される。アスタキサンチンは自然界に存在する最も強力な抗酸化物質であり、その抗酸化力はビタミンEの1000倍、β-カロテンの40倍とも言われる。特に、一重項酸素(しみ、シワの原因)に対する抗酸化力が高く、細胞膜を保護する働きも期待されている。

皮膚のシワやたるみを改善し美肌効果が期待できる。その他、ミトコンドリアの保護、抗炎症作用など、さまざまな効果が期待されています。

更に鮭に豊富なオメガ3に抗炎症作用。日焼け後の肌に



赤パプリカに含まれるキサントフィル

強力な抗酸化作用を持つ赤パプリカ由来キサントフィルには、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能があることが報告される。天然色素の研究をする中で、赤パプリカは色素成分の化学構造が特殊だということが分かっている。カロテノイドの中でも非常に高い抗酸化力を示すことが報告される。赤いパプリカに特徴的に含まれるキサントフィルである、カプソルビン、ククルビタキサンチンA、カプサンチン、は何と、アスタキサンチンを上回る抗酸化力を有している。

 

表1 緑黄色野菜のカロテノイド

分類

具体例

構造

特徴

カロテン

α-カロテン、β-カロテン
リコピン

炭素と水素のみで構成

・疎水性
・抗酸化力あり
・主として血漿に分布

キサントフィル

ルテイン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、
カプサンチン、カプソルビン、
ククルビタキサンチンA、など700種類以上。

炭素、水素、酸素で構成

・両親媒性
・主として赤血球に分布
・βカロテンの10~30倍の非常に強い抗酸化力を示す。


更に、赤パプリカのビタミンCとビタミンEは野菜の中ではトップクラス。加えて抗酸化作用をβカロテンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性を持ち、体内でビタミンAに変換され粘膜を保護。赤パプリカは植物美容では非常に優秀。

トマト
リコピンも紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能が報告される。リコピンの構造には大きくわけて「トランス体」と「シス体」の2種類がある。さまざまな研究からリコピンは「トランス体」よりも「シス体」のリコピンのほうが体内に吸収されやすいことがわかっている。市販されているトマトに含まれるリコピンの多くは「トランス体」であるため、 生のままでは体内吸収性が低い。そこでカゴメと名古屋大学は共同でトマトに含まれるリコピンを「トランス体」から「シス体」に変化させる技術を研究し、さまざまなメニューで、トマトと一緒に使用されている野菜が、リコピンのシス体への変化に与える影響を比較。共同研究の結果、「にんにく・玉ねぎ」を入れ「油で加熱調理」をすることで、「トランス体」のリコピンが「シス体」へと変化(シス化)することが新たに判明した。

過去の研究でも「油と一緒に加熱調理をする」ことが、シス体への変換を促進することは実証されていた。今回は、「にんにく・玉ねぎ」といったユリ科野菜と一緒に「油と一緒に加熱調理をする」ことが、トマトに 含まれるリコピンの「シス化」をより一層促すことがわかった。また、にんにく・玉ねぎを加熱調理するときに発生する香り成分「ジアリルジスルフィド」が「シス化」をさらに促進することも判明した。よって今回のようなレシピ構成を組んでいる。


にんにく単体でも抗糖化栄養素であるビタミンB6

玉ねぎ単体でもケルセチンが豊富で強い抗酸化、抗糖化作用。

 

紫外線対策には、以下の二つのポイントが重要

・抗酸化
・抗糖化


メカニズム『活性酸素』が増えると体のサビも増える
紫外線を浴びると、⽪膚の細胞内に⼤量の活性酸素が発⽣し、酸化ストレスが⾼まる。過剰に発⽣した活性酸素は、肌の⽼化やしみ、⾎管や内臓などの細胞の⽼化、⽣活習慣病など、さまざまなトラブルを引き起こす。有効な対策の⼀つは、活性酸素の働きを抑えてくれる抗酸化⾷品・栄養素をしっかり補給すること。

化物質『AGE』が増えると肌老化に繋がる
紫外線が原因となる炎症や活性酸素は、糖化を進め『AGE(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)』を⽣成し、蓄積。糖化とは、⾝体の中でタンパク質と余分な糖が結びついて、タンパク質が変性、劣化することを⾔い、AGEはたんぱく質が劣化して機能が損なわれた成れの果ての物質です。肌のコラーゲン(タンパク質)と糖が結びつくと、肌の弾⼒が失われ硬くなり、それがしわの原因に。

糖化を予防する法として知られているのは、以下の通り。

後の糖値の急上昇を抑える
・抗糖化作
のある品を摂る

 

ブロッコリースプラウト
野菜の王様”と言われることもあるほど栄養価の高いブロッコリー。その新芽が「ブロッコリースプラウト」ブロッコリースプラウトには、「スルフォラファン」という有用成分が豊富に含まれている。「スルフォラファン」は、ファイトケミカル(※)の一種。体内で酵素の生成を促す作用があり、摂取することで体の解毒力や抗酸化力を高めることができる。スルフォラファンには皮膚がん予防に効果があるとされているスルフォラファンが多く含まれる。βカロチンに加えて葉酸、ビタミンA、C、Eを含んでいる。「スルフォラファン」を効率よく摂取するには、生のまま、よく噛んで食べることがポイント。

(※)ファイトケミカルとは、植物に含まれる天然の化学物質の総称。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維につづく第7の栄養素と呼ばれる。ブロッコリーの⾚ちゃんであるブロッコリースプラウトに含まれる有⽤成分「スルフォラファン」が、この2つにアプローチ!
活性酸素を除去する「抗酸化作⽤」や、老化物質AGEの形成を抑制する「抗糖化作⽤」があることが報告。

特定品種の発芽3⽇⽬の新芽「ブロッコリースーパースプラウト」は、スルフォラファンを成熟ブロッコリーの20倍以上も豊富に含むとされる。ブロッコリースプラウトが、活性酸素を除去する「抗酸化作⽤」や、老化物質AGEの形成を抑制する「抗糖化作⽤」がある。

セロリ(食物繊維とポリフェノール)

古くから薬用として珍重されて来た非常に香り高い食材。「食べる精神安定剤」と言われ独特の香気成分「アピイン」にストレスが溜まりがちな神経を落ち着かせる野菜。不眠にも○。同じく香気成分「セダノライド」は、ストレスによる頭痛を和らげる効果を期待。また、セダノライドには解毒酵素を増やす働きも。(デトックス)三大抗酸化成分やビタミンB群、カルシウムなどのミネラルを含む。葉の部分は緑が濃くβカロテンなどのカロテノイドが豊富。血流を活性化する香り成分「ピラジン」も葉に多く含みます。皮や筋にもカリウムなどのミネラルやポリフェノール、食物繊維が豊富なのでしっかり使います。フラボノイドのルテオリン、アピゲニンには高い抗炎症作用も。セロリは細かく刻むほど抗酸化力が上がります。


「 タイム 
【  学 名   】Thymus vulgaris(コモンタイム)
      Thymus citriodorus(レモンタイム)
【  科 名   】シソ科
【使用部位】茎葉
【主要成分】精油(チモール、カンバクロール)、フラボノイド(アピゲニン)、タンニン、サポニン
【  作 用   】抗菌、鎮痙、去痰、利尿、疲労回復
【  適 応   】かぜやインフルエンザによる呼吸器系の不調、食あたり、吐き気、口臭

タイムの特長も気品あふれる清々しい香り。肉や魚の煮込み料理をはじめ、香草焼きやムニエルなどに広く利用されます。特に魚介類と相性がよく「魚のハーブ」と呼ばれること 消化を助ける働き トマトとの相性も抜群

月桂樹
月桂樹の葉には、シネオールやリナロールなど血流を促す抗酸化成分やリラックスを促す香りの成分が含まれる。月桂樹に含まれるオイゲノールという、甘い香りと苦味が特徴の成分は、温度刺激を感知する受容体TRPチャネルを活性化する。刺激を受けて血管が拡張すると、皮膚温が上がる。その過程で、体の深部から皮膚、手足の末端まで血液が運ばれやすくなる。

 

料理の香りづけに欠かせないにんにく
古くから日本でも薬用植物として利用。香辛野菜として食べられるようになったのは戦後のこと。刻んだり、すりおろすことで細胞が壊れてアリシンが多く発生。低温から炒めて、香りとうまみを引き出すと◎。より風味を良くしたいときは、ニンニク片の中の芽を取り除きましょう。芽は焦げやすく刺激も強いため。疲労回復に。糖化対策のビタミンB6が豊富

 

 

黒胡椒
ピペリンが熱産生を促して、代謝をアップし、脂肪燃焼作用も。血管を拡張し、皮膚温度を上げる。高い栄養価。バイオアベイラビリティーの向上=生物学的利用能を向上させる。つまり、その他の栄養素の利用率を上げてくれるスーパー栄養食材。薬物相互作用的メカニズム。我が家では更にピペリン含有量の高いヒハツも食卓に利用

腸活食材の新玉ねぎ

みずみずしく辛味が少なく甘味が強い。玉ねぎに含まれるケルセチンや強力な抗酸化物質のセレンは強力な解毒作用を持ち、アリシンの血流改善効果で毒素を排出。食物繊維も豊富な為、腸活にも!老化防止、さびつき防止食材!

多くの植物や野菜、果物に含まれているケルセチンには、体脂肪の低減や抗肥満作用に加え、血中及び肝臓における酸化ストレスの抑制、血圧を正常に保つ働き、コレステロールの低下や肝臓に蓄積する脂肪の抑止、肝臓障害の改善などの効果が示されています。

 

さらに、糖尿病の予防・改善への働きや、各種炎症反応を鎮静化する抗炎症作用、酸化ストレスに対して細胞組織を保護する抗酸化作用、さらには癌の発生や進行を抑制する抗癌作用についても研究・報告されています。

他にも、ウイルスに対する防御機能を強化する抗ウイルス作用や、認知機能への改善効果も期待されています。

ケルセチンの効果効能のまとめ

●体脂肪低減効果
●抗肥満作用
●脂質低下作用
●血中及び肝臓の酸化ストレスの抑制
●肝脂肪蓄積の抑制
●肝障害の改善
●抗糖尿病作用
●抗ウイルス作用
●血圧降下作用
●抗炎症作用
●抗酸化作用
●抗癌作用
●認知機能改善効果

 

ケルセチンには、脂肪分解酵素である「ホルモン感受性リパーゼ」を活性化させる効果があります。

「ホルモン感受性リパーゼ」は、脂肪組織に蓄えられているエネルギー源を分解し、利用可能な形に変える役割があります。その為、この酵素が活性化する事で抗肥満効果、体脂肪減少作用、抗糖尿病作用へと繋がります。

一方、血中の脂質や糖を含むエネルギー源が高濃度に達すると、インスリンが分泌され「ホルモン感受性リパーゼ」の活動が阻害され、脂肪細胞は脂肪の蓄積へと向かいます。

つまり、ケルセチンによって「ホルモン感受性リパーゼ」の働きが活性化されると、脂肪の燃焼と蓄積に良い影響が与えられるのです。

 

ケルセチンは、植物に含まれるフラボノイドであり、抗炎症作用や抗酸化作用を持つことが知られています。

これは、ケルセチンを摂取する事で「シクロオキシゲナーゼ」や「リポキシゲナーゼ」といった酵素の働きが抑えられるためです。

「シクロオキシゲナーゼ」や「リポキシゲナーゼ」といった酵素が活性化すると、炎症を引き起こす物質を生成する為、体内に炎症、痛み、発熱などを引き起こします。

他にも、ケルセチンは、腎上皮細胞の特定の化合物を活性化・調節することで、腎臓からのナトリウムの再吸収を抑制し、血圧を低下させる働きがあるとされています。

 

 

ケルセチンは、糖尿病や他の多くの疾患の治療と予防に関与しているとの報告があります。

その理由は、ケルセチンがグルコース(糖類)の恒常性に影響を及ぼし、特に腸管でのグルコース吸収やインスリンの作用に関与する為です。

 

ケルセチンは、食事によって手軽に摂取出来る主要なフラボノイドである為、様々な生物学的特性が研究されています。下記論文では腸内細菌叢への影響について考察されていますのでご紹介します。

この研究は、抗生物質治療の影響で腸内細菌が損傷を受けたマウスを使用し、ケルセチンが腸内細菌叢に及ぼす影響を調査するものです。

研究の結果、ケルセチンの補給により、マウスの腸内細菌の多様性が顕著に向上。また、腸のバリア機能が明瞭に強化され、腸絨毛の長さ、粘膜の厚さ、さらには糞便中の酪酸産生が有意に増加することが確認されました。

これらの結果から、ケルセチンは抗生物質による治療を受けたマウスの腸内細菌叢の修復に効果的であることが示されました。これにより、ケルセチンのプレバイオティクスとしての潜在的な役割が新たに注目されるようになりました。

 

健康効果が期待できるケルセチンですが、水に溶けにくく体内に吸収されにくい性質があるため、糖と結合させたケルセチン配糖体として摂取するほうがよいとされています。

ケルセチン配合のサプリメントなどで、脂肪燃焼効果を期待する場合、ケルセチン配糖体として配合されているサプリメントを選択したほうが効果的で、吸収率も高いとされています。

緑茶、玉ねぎ、りんごなど、ケルセチンを多く含む野菜などは、元々が糖と結合したケルセチン配糖体の形で多く含まれています。


世界中の多くの研究者が、パーキンソン病の新しい治療法や予防策の開発に取り組んでいます。特に、天然成分や栄養補助食品に注目が集まっており、これらが持つ神経保護効果に関する研究が活発に行われています。

天然成分や栄養補助食品の場合、副作用の心配も少なく、安全な治療法の提供が期待されるためです。

ケルセチンは、ポリフェノールの一種であるフラボノイドに分類され、その抗酸化活性や神経保護効果について多くの研究が行われています。

ケルセチンが持つ抗酸化活性は、パーキンソン病の主な病態である酸化ストレスの緩和に効果があると考えられています。また、サーチュイン遺伝子の活性化やオートファジーの誘導、細胞の防御メカニズムの誘導といった、神経細胞の保護や再生を促進する可能性があります。

しかし、ケルセチンは水に溶けにくく、化学的に不安定などの問題点が存在します。その為、ケルセチンを体内で効果的に利用する事は困難だとされていましたが、この問題を解決するための研究が進められています。

ここで、ナノキャリアやナノデリバリーシステムの技術が登場します。これらの技術は、ケルセチンを吸収しやすくしたケルセチン配糖体の技術とは違い、ケルセチンを体内で効果的に運ぶための「乗り物」として機能させる事が出来ます。

ケルセチンをナノキャリアに取り込むことで、安定性を向上させ、体内での吸収を改善させる事を目指しています。これにより、ケルセチンの神経保護効果を最大限に活かすことが期待されます。

他にも、ケルセチンを利用した「てんかん」やその他の神経学的疾患の治療法についての研究も注目されています。

多くの植物に含まれているケルセチンですが、体内に蓄積する事もなく、代謝が早い事から副作用となるような重篤な報告はありません。

しかし動物実験では、ケルセチンを過剰摂取する事で、抗酸化作用を持つはずのケルセチンが、逆に活性酸素を発生させるプロオキシダントを生成してしまう可能性が示されました。また、体の新陳代謝に関わる甲状腺機能にも悪影響を及ぼす恐れがあることが報告されています。

甲状腺機能が低下すると、集中力が低下したり、消化トラブル、疲労感、体重増加など、身体にさまざまな悪影響をもたらすため、過剰摂取には注意する必要があります。

参考文献
●ケルセチンの生活習慣病予防機能(農業機構)

●Deepika, Pawan Kumar Maurya. “Health Benefits of Quercetin in Age-Related Diseases.” Molecules 2022, 27(8), 2498; Published online 13 April 2022.

●Eid, H. M., & Haddad, P. S. (2017). The Antidiabetic Potential of Quercetin: Underlying Mechanisms. Curr Med Chem, 24(4), 355-364. 

●Bahadir Acikara, O., seker Karatoprak, G., Yucel, C., Kupeli Akkol, E., Sobarzo-Sanchez, E., Khayatkashani, M., Kamal, M. A., & Khayat Kashani, H. R. (2022). A Critical Analysis of Quercetin as the Attractive Target for the Treatment of Parkinson’s Disease. CNS Neurol Disord Drug Targets, 21(9), 795-817. 

●Prakash, C., Tyagi, J., Rabidas, S. S., Kumar, V., & Sharma, D. (2023). Therapeutic Potential of Quercetin and its Derivatives in Epilepsy: Evidence from Preclinical Studies. Neuromolecular Med, 25(2), 163-178. Epub 2022 Aug 11.