味の明太子のふくやpresents 山瀬理恵子のアス飯!YouTube 32本目「秋のスパイス特集第3弾!チャイ風スパイシー点滴」

味の明太子のふくやpresents 山瀬理恵子のアス飯!YouTube 32本目「秋のスパイス特集第3弾!チャイ風スパイシー点滴」

秋のスパイス特集第三弾❗️

https://youtu.be/6-tc4oWYbfA

今回はスパイス特集ということで、初見の方もいらっしゃると思います。何故このレシピを開発したのか、意図をご説明したいと思います。(ふくやさんに提出した原稿より抜粋させていただきます)

ふくやさんから今回『秋のスパイス特集』ということで4本のオファーをいただき、そのうちの2本がフリーテーマだったのですが、私は野菜や果物、スパイス、ハーブの化学を学んで来た人間で、日常使いしているスパイスは得意分野です。しかし、いざフリーテーマとなると作りたいものが多過ぎて、かえって試作に時間がかかっているという😂

今回ご紹介するのは、食べる薬と言われるスパイスと、飲む点滴と呼ばれる米麹甘酒を使ったスパイシーな甘酒。

こうじさんは実は甘酒が嫌い、そのままでは飲めないのですが、この調理法だととても美味しいと言って飲んでくれます。まるで魔法のようです⚗️🧙‍♀️(お使いになる甘酒の種類によって糖度や粘性が大きく異なりますので水の量をプラスするなどして随時ご調整ください👩‍🍳)

お馴染みの紅茶、アールグレイを使った理由としては、この紅茶の香りづけに使われている「ベルガモット」に着目したことに始まります。

15年以上前に学び始めた横浜山手のニールズヤードレメディーズ分校でのアロマテラピー化学。当時授業を担当されていた講師の先生が「落ち込んでいる人ほどベルガモットの香りを好む傾向にある」とおっしゃっていて妙に納得したこと。心の奥深くまで入り込んで来るような素晴らしい香りです。

アロマテラピー各論でのベルガモットはお馴染みの王道精油ですが、私が注目したのは国立スポーツ科学センターの研究員、枝伸彦氏他が行った実験。ベルガモット精油を30分間嗅ぐことで、唾液中の分泌型免疫グロブリンA(からだを細菌やウイルスなどから守る、体内の抗体の一種)の分泌速度が有意に増加するとともに、コルチゾール(ストレスを受けたときに増加するホルモン)濃度が低下することが確認されたこと。(昨夜の林真一郎先生の『アロマセラピストの為の精油の化学講座withコロナ』ズーム講座でも、ある精油の蒸気吸入によりIgA抗体産生を促す手法がご紹介されました。タイムリーな話題)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000005249.html

上記研究結果によりベルガモット精油の香りを適切な濃度で嗅ぐことで、ストレスが緩和されるとともに、免疫力を調整する可能性が示唆。しかしながら、香りの作用については噴霧する濃度や被験者の香りの好みなどによって差があることも確認されています。

成分や作用だけを考慮するのではなく、自分が好きな香りを使うということが根本的に大事な世界。

それではベルガモットの香りを化学してみましょう。(長島司先生と出逢い、閾値まで捉えた植物化学を正確に学び直している最中)鎮静系の酢酸リナリル、リナロールが多く含まれ、成分パターンはラベンダーやクラリセージなどと似ていますが、ベルガモットはリモネンやその他のモノテルペン炭化水素類によってリフトアップされ、ここにレモンの香りであるシトラール(ネラール&ゲラニアール)などの成分と一体となってベルガモット特有の香りが出来上がっています。(抗うつ、抗不安)

カルダモン(ショウガ科)

酢酸テルピニル、1.8シネオールなどのモノテルペンアルコール成分が調和してできるスパイシーな香り。(健胃作用、食欲増進作用、抗酸化作用)カレーやチャイに用いられる。口臭予防に。

シナモン(クスノキ科)

香りの主成分は甘くスパイシーな化合物のシンナミックアルデヒド。(抗炎症、抗酸化)ここにバルサム様の香りの酢酸シンナミルや独特のクローブ臭を持つオイゲノール(クローブ特有のスパイシーノート。ローズやジャスミンなどの花精油に含まれる。鎮痛、抗炎症、抗菌、麻酔効果)などが調和して出来る香り。シナモンの主要成分はポリフェノール類。抗がん、抗酸化、鎮痛、抗炎症、抗菌、消化不良、むくみの緩和、解熱、血管修復、婦人科系の生理の悩みなど多数。血糖調節作用のあるプロシアニジン類はアルコール濃度の高い溶媒での抽出が適しています。(抗菌、抗酸化、抗炎症、高血糖、心血管疾患の予防)

クローブ(フトモモ科)

オイゲノールがクローブの香りの特徴成分。医薬品として歯科治療に使われています。麻酔作用、鎮痛作用、抗菌、抗ウイルス、免疫調整作用など多数(カレーなどに含まれているスパイスですが、アスリートの場合はヒゲナミンに注意!

ドーピング2020参照

https://yamaserieko.cookpad-blog.jp/articles/480805

生姜

加熱された生姜に多く含まれるショウガオールには熱を作り出す働きがあり、体を芯から温めることが出来ます。血流促進作用で体温が低い方の冷え性対策におすすめ。プロスタグランジンの生成を抑えて痛みの緩和に役立つ作用も。我が家では抗炎症という意味合いで毎日利用しています。

黒胡椒

香り成分はリモネン、サビネン、βピネンなどのモノテルペン炭化水素が大半を占め、ここにリナロールやテルピネン−4-オール及び他の成分をリフトアップしてスパイシーなブラックペッパーになる。鎮痛、強心、健胃作用、抗酸化作用、抗糖化作用など。ピペリンはカレー粉に含まれるターメリックの吸収をあげる役割。

米麹甘酒

甘酒は麹菌の酵素によってブドウ糖がすでに分解されているので、消化しやすく、内臓に負担をかけないのが特徴。疲れた胃腸や身体にもやさしく効率よくエネルギーに変換。ビタミンB群の補給にも。必須アミノ酸9種類がすべて含まれなかでもバリン、ロイシン、イソロイシンの3種のアミノ酸はアスリート王道、筋肉の回復を早め集中力を保持させるにも役立つ。甘酒には肥満、血圧上昇、健忘症の予防・改善効果、疲労軽減、大腸炎予防、関節痛緩和、中性脂肪低下があることが示唆(月桂冠総合研究所データ参照)

一気にたくさんのスパイスを使わずとも、1スパイスでも香りは充分に楽しめます。先ずは自分の好きなスパイスを是非見つけていただきたいです。そして利用するお茶は自分の好きなもの、動画ではアーユルヴェーダのトゥルシーをご紹介しておりますが、例えば抹茶なんてどうでしょう。美味しくなる&テアニンやミネラルが加算。(既に作ってくださった方からは、甘酒に豆乳をブレンドしたアレンジで試されたとか😆感謝❗️)

自分だけのとっておきのスパイシー点滴にして秋の夜長をお楽しみください🍂🌝