南海放送Beans レギュラー料理コーナーFUJ I presents「山瀬理恵子の今日からできるアス飯」土曜日11:55分〜(出演者:南海放送アナウンサー 甲斐彩加・料理研究家 山瀬理恵子)5/15(土)放送

ステイホームやリモートワークで運動不足になると血流が滞ります。そんな時にオススメしたい、アスリートがケガをしてしまった時の創傷治癒や痛みの改善時に意識する、血流改善を目的に構成した初夏に相応しい、新感覚の豚しゃぶです。

味の個人的な構想イメージは、柑橘の酸味、黒酢の酸味、トマトの甘酸っぱさのトリプル使いにピーマンの苦味とかいわれ大根の辛味、りんごの甘さ、豚肉のうまみが口の中で交わるハーモニーのような、正にカクテルをいただく時のように五感をフル活用しながら食べていただけると思います。(斬新レシピですが夫や収録スタッフの皆様にも好評でした)色彩が爽やかだったことに加え、おそらくナリンギン特有の、これを音源で例えるならばアルトやテナー的役割を担って貰う感覚で使いました。試作ではニューサマー(収録は河内晩柑)を用いましたがお好きな旬の柑橘類でOK。(今回の食材の合わせ、トータルバランスでは、ナリンギンを意識した柑橘との相性が味覚の面では良さげかなと。ちなみに、ナリンギン自体に血栓を防止し、血管の抵抗力を高め、血流改善効果が期待されています)

柑橘類
柑橘の機能性研究はヘスペリジンなどのフラボノイド研究から始まり高い抗酸化作用を持つヘスペリジンは果肉よりも果皮や薄皮、白い筋の部分に豊富。毛細血管を強化して全身の血流改善に役立つ。ビタミンCの働きを安定させる役割も担う。

ピーマン
野菜全般に言えることですが、ピーマンも皮の方に特に豊富なビタミンCとβカロテンが多い。苦味はポリフェノールのクエルシトリン+香気成分のピラジンが加わって出来たものであり苦味こそ栄養価の証。ピーマンの構造は繊維が縦、輪切りにしてしまうと栄養素が抜け出ていってしまう。余談ですが苦味が嫌いな方は乳製品を合わせると独特な香りを抑えることができると言われている。加熱しても栄養価はそのまま。油でさっと炒めることによりβカロテンの吸収率が上がる。ピーマンはわたやたねに栄養が多く含まれ何と皮の10倍。話題のピラジンはほぼワタにしか含まれず、血栓を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの予防となる為、血行を良くする効果を得たいなら丸ごと食べていただきたい。どうしても気になる方は、ピーマンの肉詰めからチャレンジするとタネやワタが気にならない。Cの含有量を上げたいのであればピーマンを赤パプリカにすると良い。(赤パプリカにした場合、ピラジンの効果は期待できなくなる)このように野菜は色で栄養価が異なる為、シチュエーションで選択していく。

かいわれ大根
大根の種子が発芽したもの。注目のアブラナ科、生で食べた時の独特の辛味(解毒系抗酸化物質イソチオシアネートを含む)が人気。加熱調理にも使用できる。昔から食べられてきており日本人の味覚によく合う人気のスプラウトと言える。βカロテンが豊富に含まれており他にもカリウム・ビタミンB1、B2、ビタミンCが多いのが特徴で価格も安くサラダにも良く合う。消化を助けるジアスターゼを含む為今回は生で食感も味わう。全体をよりパワフルしたい時はブロッコリースプラウトのスルフォラファンを用いると良い。味の観点ではかいわれ大根の辛味を用いたほうが纏まる。

https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1803_chosa03.html

りんご
血流アップ効果を持つコロナ禍で大注目のケルセチンを含む。ケルセチンは玉ねぎやピーマンなどの身近な野菜に豊富に含まれているポリフェノールの一種でりんごにも多く含まれる。抗酸化作用、抗炎症作用、降圧作用などさまざまな生理作用があることが報告されている(血流改善)

黒酢
お酢の主成分である酢酸が肝臓で代謝される時に生成されるアデノシンに血管拡張作用が。血流を改善するパワー。同じくクエン酸にも毛細血管を通りやすくする。毎日意識して摂取したい健康発酵調味料。

ミニトマト
トマトが赤いのはリコピンと呼ばれるカロテノイド、色素成分によるもの。このリコピンには非常に強い抗酸化作用があり血流改善効果が期待できる。オリーブ油と一緒に摂取することによりリコピンの吸収率が上がる。リコピンを始め、ビタミンB群、ビタミンC、カリウムは大玉トマトよりミニトマトの含有量が上!

豚肉
美味しさは勿論、お値段もお手頃。その上、ビタミンB1をはじめとするビタミン、ミネラル、良質なたんぱく質 をバランスよく含むアスリート食材。血流改善の観点からみると、豚肉はナイアシンが豊富で、ここに血管拡張作用と血行促進効果が期待できる。(冷え性や頭痛を改善する)これは余談だが、豚肉はアミノ酸として遊離してくる成分が多いことが知られている。グルタミン、アラニン、そしてカルノシン、ロイシンが非常に多い。カルノシンは老化をはじめ機能の低下に関係する酸化ストレスを消去する働きが。疲労回復にも効果的。ロイシンは筋肉の分解を抑制し合成を促進することが明らかに。ロイシンを摂取すると、運動の持続性が向上し、寝ている間に筋肉合成が進んで大きくすることに繋がる。筋肉が大きくなれば運動能力が向上し、基礎代謝量も増すので太りにくい体づくりが可能となる。

参考資料

図1■ポリフェノール類の分類と化学構造
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=666

ポリフェノールの機能性
植物性食品に含まれるポリフェノールの機能性についてはin vitroからコホートや介入試験に至るまで多種多様の研究報告がある。多くのポリフェノールはカテコールやピロガロール構造を有することからin vitroにおいて強い抗酸化作用を有することが古くから知られている。長い間動物やヒトを用いた研究で発現するさまざまな効果がこれら抗酸化能に基づく作用であると考えられてきた。しかしながら食事やサプリメントとしてポリフェノールを摂取した場合には,体内で代謝(後述)され化学構造が大きく変化することによりその抗酸化能のほとんどは失われてしまう。それにもかかわらずポリフェノールの摂取により抗炎症・抗アレルギー作用、骨粗鬆症予防作用、視覚機能調節作用、また最近では認知機能維持作用などといった有効性が報告されている。このようなポリフェノールの種々の生理機能の中でも代表的なものとしては心筋梗塞・心不全や脳梗塞・脳卒中といった心血管系疾患のリスク低減効果が挙げられる。ポリフェノールの中でも特にフラボノイドを豊富に含む食品と心血管系疾患のリスクの関係については国内外で疫学調査が実施されており、茶(紅茶)、ココアやチョコレート、リンゴ、タマネギ、赤ワイン、イチゴなどの食品の摂取頻度と心血管系疾患リスクとの間には負の相関が認められている。ほかのフラボノイド類と比較してフラボノールには強い心血管系疾患のリスク低減が認められていることから微細な化学構造の違いが大きく作用の発現に影響することが示唆されている。またフラボノールを豊富に含む食品の循環系に対する影響については多くの介入試験による検証結果がありココアやチョコレートの摂取により軽度の高血圧患者の血圧が有意に低下するといった有効性が明らかとなっている。さらにフラボノールを豊富に含む食品の介入試験では脂質異常症やインスリン感受性の改善効果が確認されている。このようなポリフェノールの有するメタボリックシンドロームのリスクファクターの改善効果が心血管疾患リスク低減につながっていると推測される。

ポリフェノールの生体利用性
これまでの研究結果から食事から摂取したポリフェノールの生体内における挙動はその化学構造によって大きく異なることが明らかとなっている。ほとんどのフラボノイド類は配糖体として植物中に存在しておりアグリコンのみならずその糖鎖の種類によっても動態が異なる。アグリコンのうちカテキン・イソフラボン・フラバノール・カルコンは比較的吸収されやすいが(吸収率5~30%程度)アントシアニンや縮合型タンニンの生体への移行率は極めて低く難吸収性である(~0.1%程度)これらの化合物はいったん腸管上皮細胞内に取り込まれ,配糖体の一部が乳糖–フロリジン加水分解酵素(LPH)やβグルコシダーゼ(CBG)の作用によって加水分解されアグリコンが切り出される。ケルセチンを例に同じアグリコンをもつ配糖体でも生体内動態が異なる結果について示す.ケルセチン4′-O-グルコシドは小腸上皮細胞内で酵素により切り出されたアグリコンが生体内に吸収されるため血中濃度のピークが30分程度に認められるが,ケルセチン3β-ルチノシドはこの反応が起こらず大腸に移行した後にアグリコンが切り出されるためその血中濃度のピークは6~9時間であることが明らかとなっている.一方,その後受動拡散によってカテキンやフラバノールなどのアグリコンは上皮に取り込まれるがアントシアニンや縮合型タンニンはトランスポーターであるP糖タンパク質や多剤排出タンパク質(MRP)を介して細胞から排出され消化管に戻る。このように腸管上皮細胞への取り込みと排出は親化合物の化学構造に大きく依存するが生体における認識機構についてはいまだ不明である。また腸管上皮細胞に取り込まれたアグリコンのほとんどはグルクロン酸転移酵素によりグルクロン酸抱合、硫酸転移酵素により硫酸抱合、カテコール-O-メチル転移酵素によってメチル化を受け循環血流中に入る。循環血中に分泌したアグリコン代謝物は肝臓においてフェーズII肝臓代謝酵素によってさらなるメチル化、グルクロン酸抱合化または硫酸抱合体化を受け水溶性となる.これら一連のプロセスによって活性を有する親化合物と体内に存在する代謝物の構造は全く異なるため一般的な生体利用性(活性体の生体内への移行率)は易吸収性化合物であっても極めて低い。循環血流中のアグリコン代謝物は腎臓で一部脱抱合され尿中に排出される。一方吸収されずに消化管に残存したり胆肝循環によって肝臓から消化管に排出されたポリフェノール類はそのまま大腸に到達する。大腸に存在する多様な腸内細菌叢はアグリコンおよびその代謝物のフラボノイド環構造を瞬時に分解しフェノール酸や水酸化ケイ皮酸エステルといった低分子に分解する。これらの分解物の一部は大腸上皮細胞から吸収され循環血流に分泌され再び肝臓で二次代謝を受ける

1) E. Haslam: “Practical Polyphenolics: From Structure to Molecular Recognition and Physiological Action,” Cambridge University Press, 2005.

2) C. Manach, A. Scalbert, C. Morand, C. Remesy & L. Jimenez: Am. J. Clin. Nutr., 79, 727 (2004).

3) M. Quinones, M. Miguel & A. Aleixandre: Pharmacol. Res., 68, 125 (2013).

4) H. Sies: Arch. Biochem. Biophys., 501, 2 (2010).

5) C. P. Bondonno, K. D. Croft, N. Ward, M. J. Considine & J. M. Hodgson: Nutr. Rev., 73, 216 (2015).

6) S. Moco, F. P. Martin & S. Rezzi: J. Proteome Res., 11, 4781 (2012).

7) K. Inagawa, N. Aruga, Y. Matsumura, M. Shibata & N. Osakabe: PLoS ONE, 9, e94853 (2014).

8) Y. Matsumura, Y. Nakagawa, K. Mikome, H. Yamamoto & N. Osakabe: PLoS ONE, 9, e112180 (2014).

9) N. Kamio, R. Suzuki, Y. Watanabe, Y. Suhara & N. Osakabe: Free Radic. Biol. Med., 91, 256 (2016).

10) N. Osakabe, J. Hoshi, N. Kudo & M. Shibata: Life Sci., 114, 51 (2014).

11) G. P. Ahern: Trends Endocrinol. Metab., 24, 554 (2013).

12) N. Aruga, M. Toriigahara, M. Shibata, T. Ishii, T. Nakayama & N. Osakabe: J. Funct. Foods, 10, 355(2014).

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前回放送分のアス飯解説はこちら❗️

https://yamasefamily.com/archives/project/beans%E3%80%80アス飯コーナー%E3%80%804-17(土)放送%E3%80%80解説

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甲斐彩加Kai Ayaka

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出 身:宮崎県

入社年:2019年

血液型:O型

星 座:乙女座

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「大好き!まつやま ~笑顔のことばとどけ隊~」(火/20:54~)

「Beans」(土/11:55~)

「キラリ☆夜なカフェ」(金/0:54~ 木曜深夜)

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食べ物が美味しくて、住みやすくて、みんな優しい愛媛。この御縁に感謝です!今年でBeans MC2年目♪ 一歩一歩成長していけるよう頑張ります!よろしくお願いします!

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古谷崇洋Furutani Takahiro

出 身:愛媛県伊予郡砥部町

入社年:2017年

血液型:A型

星 座:さそり座

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「Beans」(土/11:55~)

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気が付けば入社5年目。中堅としての責任を感じています。謙虚に丁寧に頑張ります。毎週土曜日はBeans見てくださいね!!