yab山口朝日放送 「YOU!どきっ」生放送  2023年11月9日放送 レシピ栄養構成解説 長寿研究で話題の酪酸菌を育てる日本古来の食事 【秋の味覚の甘辛ハーモニーご飯】

 yab山口朝日放送 「YOU!どきっ」生放送

2023年11月9日放送 レシピはこちらから

https://www.yab.co.jp/youdoki


早速食レポが届いています!!!!!!

番組終了後のインスタライブの際に既に作り始めていますとおっしゃっていたようこママさん!ようこママさんが毎回、本当に神業で食レポくださり、そのスピード感とクオリティの高さ、アレンジ力に、山口朝日放送内でも話題沸騰‼️🤣めちゃくちゃ美味しそうですし、酪酸菌活性化しまくり、もう最高です‼️ようこママさん!いつも本当にありがとうございますヽ(;▽;)




腸は第二の脳、体内最大の免疫機関と呼ばれるだけでなく、何と老化にも関係していることが分かって来た。そもそも全身のあらゆる不調に腸の不調が関わっており、腸内細菌は様々な臓器と密接に関わっているという事実がある。

数ある腸内細菌の研究の中でも今、注目が集まっているのが酪酸菌

最新の研究では酪酸菌ががんや糖尿病の予防、筋力アップ、花粉症の改善、さらには新型コロナの重症化予防など、さまざまな驚きの作用をもたらすことが分かっている。

今回は腸内細菌研究の第一人者、内藤裕二先生の長寿研究にスポット。2023年9月6日に内藤裕二先生の講義を受講。ここでインプットしたものをレシピ化しましたのでシェアさせていただきます。

京都府立医科大学大学院
医学研究科 教授
内藤裕二 先生


消化器専門医として最新医学に精通し各地で講演も行っている。消化器病学や消化器内視鏡学、生活習慣病の他、健康長寿や抗加齢医学、腸内フローラや酪酸菌研究も専門としており、「京丹後長寿コホート研究」で腸内フローラ解析に携わっている。酪酸菌と健康長寿の関係などの研究をはじめ、長年腸内細菌を研究し続けている本領域の第一人者。

その他、参考
Dr.江田 証(えだ・あかし)先生

医学博士、江田クリニック院長
自治医科大学大学院卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。米国消化器病学会(AGA)インターナショナルメンバー。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などテレビやラジオ、雑誌などに多数出演。著書に『新しい腸の教科書』(池田書店)、『腸のトリセツ』(学研プラス)、『小腸を強くすれば病気にならない 今、日本人に忍び寄る「SIBO」(小腸内細菌増殖症)から身を守れ!』(インプレス)など多数。著書累計は90万部を突破し、そのうち5冊が中国や台湾、韓国など海外で翻訳されている。

酪酸とは?
腸内細菌の酪酸菌(酪酸産生菌)が腸に届いた食物繊維を発酵・分解することで作り出される、短鎖脂肪酸の一種。酪酸が腸内環境を整えてくれているからこそ、乳酸菌やビフィズス菌は生きていける

重要!内藤先生の研究データから
健康で元気な長寿者の多くの腸内細菌を調べると(「京丹後長寿コホート研究」)食物繊維をエサにして『酪酸』を作る『酪酸産生菌』の割合が高いことが判明した!

と言っても酪酸菌を含む食品はほとんどなく、食事から酪酸菌を摂るのは難しいのが現状。しかし、体内の酪酸菌を増やすために有用な方法の一つに「食事」がある。食事を工夫することで腸内の酪酸菌を育てることができるため。

酪酸菌は、腸内細菌のエサとなる食物繊維を摂ることによって育てることができる。

食物繊維は大きく分けると水溶性と不溶性があり、特に腸内細菌のエサになりやすい水溶性食物繊維を意識して摂ることが大切。水溶性食物繊維は海藻類や果物類、不溶性食物繊維は穀類や豆類に多く含まれる。例えば、わかめや昆布、大豆、サツマイモなどが挙げられる。更に今、特に注目されているのが、食物繊維のなかでも腸内でより発酵しやすく有用菌のエサになりやすい「発酵性食物繊維」。これは、水溶性食物繊維の多くと不溶性食物繊維の一部を指し、発酵性食物繊維を多く含む代表的な食材は、大麦や小麦全粒粉などの穀類、野菜類、果物類、海藻類、豆類など。発酵性食物繊維を栄養源として、短鎖脂肪酸を産生し、腸内細菌叢のバランスを良い状態に保つ。

大麦などの雑穀や根菜類、海藻類などの「発酵性食物繊維」に注目!

代表食材
穀類(大麦や玄米)、野菜類(玉ねぎ、大根、ごぼう、さつまいも)果物類(アボカド、キウイ、イチゴ)海藻類(わかめ、昆布、ひじき)豆類(大豆)

発酵性食物繊維には、その種類によって、腸内で発酵する場所、食べてから発酵するまでの時間が異なるという特徴が。水溶性のものは主に腸の入り口から真ん中あたりで、不溶性のものとレジスタントスターチは腸の奥で、善玉菌のエサとなって発酵。また、この発酵は、腸の入り口では食物を食べてから4〜6時間程度、真ん中では8〜10時間程度、奥では16時間以上経ってから生じると見られている。一日を通して腸内環境を良い状態に保つためには、いろいろな種類の発酵性食物繊維を摂ることが肝。(多様性が大事だから)

健康長寿の方は、肉類やバターなどの動物性脂肪よりも、魚を食べている人が多かった。2つ目は、モズクやワカメ、ところてんなどの海藻類、豆類、根菜類を毎日の食事でしっかりと摂っていること。そして3つ目は、毎日の主食に麦ごはんや玄米など、雑穀類をとり入れている人が多かったという点。

つまり「食物繊維」をしっかりと摂る食生活を送っていることこそが、善玉菌の割合が多い理由だった。

腸内環境をよくするには、酪酸産生菌を含む善玉菌を腸内で増やすことがカギ。そのためにも、まずは善玉菌のエサとなる発酵性食物繊維(雑穀類、海藻類、豆類、根菜類など)をとるのが大切。また、発酵を起こす菌そのものを補充することも必要です。善玉菌が少ない人の場合は、発酵食品を積極的にとるように心がけると、善玉菌の働きがよくなる。


発酵食品
微生物の働きで作られている発酵食品は善玉菌を増やし、腸内細菌が体によい物質を産生するのを助けてくれます。

・植物性乳酸菌/ぬか漬け、キムチなどの漬物
・納豆菌/納豆
・麹菌/味噌、醤油、甘酒、塩麹、米酢など

「医学の父といわれるヒポクラテスは『すべての病気は腸から始まる』という言葉を残しています。免疫力を高めることはもちろん、健康で長生きするためにも、善玉菌を増やす食事を意識して、腸の免疫力をアップさせよう

また、健康で長生きするためには酪酸菌を育むことと筋肉を減らさないこと。

筋肉を増やして萎縮・減少を防ぐためには腸内に酪酸を増やすことが大事。日本人は酪酸が多い人ほど筋肉も多い。腸内の酪酸菌の量と筋肉量が比例している。そして日本人にとって身近で簡単に手に入る酪酸を増やす食材(つまり酪酸をつくる酪酸菌を活性化する食材)が「海藻類」。日本人が先述した海藻などを食べると、海藻に含まれる水溶性食物繊維をエサとする酪酸菌が腸内で活発になって酪酸を産生する。酪酸が増えることで筋肉の減少を防ぐことができる。


結論
年をとっても元気でいるためにはどうすればいいのか!?

→重要なのは筋肉を維持すること。更に、日本人独特の腸内細菌によって、発酵性食物繊維、特に海藻類(良質なたんぱく源でもある)を食べることで筋肉の減少を防ぐことができる。

(この腸内細菌の長寿研究に出逢ってから山瀬は運動を休まず頑張り始めることに大成功しました)

酪酸と筋肉の関係も少しずつ分かってきた。京都・京丹後市の人々は、あまり肉を食べないのに筋肉量が多く、長生きする人が多いことから研究を行ったところ、酪酸を増やす食生活をしていることが判明。

ごぼうや豆、ひじきなどの海藻類などを食べることで、酪酸産生菌の一種であるラクノスピラという腸内細菌が増え、つくられた酪酸が筋肉を増やしている。

適度な筋力、適切な筋肉量は健康長寿を達成する上で重要な要素である。「腸」と「筋肉」には非常に深い関係性があり、腸内細菌のバランスによって筋肉のつき方に違いが生まれる可能性が指摘されている。これを「腸筋相関(ちょうきんそうかん)」という。つまり、「腸内細菌が乱れていると十分に筋トレの効果が得られず、筋肉がつきにくくなる」

筋肉はただ体を支え、体を動かすためだけのものではない。筋肉も他の臓器と同じように、生命活動に必要なホルモンを分泌する重要な「内分泌器官」なのである。しかも筋肉は、がんの発生やがん細胞の増殖を防ぐ“天然の抗がん剤”とも呼べるホルモンをたくさん分泌している。

イギリスの超一流の医学雑誌『GUT』で発表された論文では、筋肉から分泌される「SPARC(スパーク)」というホルモンが血流にのって大腸まで届き、そこで大腸がんの発生を抑制する働きをしていることが報告されている。つまり、「筋肉量が多い人ほど大腸がんになりにくい」可能性があるということ。運動して筋肉量を維持することで、大腸がんのリスクを減らすことができるのである。

世界でもっとも権威のある内科系医学雑誌『The Lancet』にも、大腸がんや乳がんの10%は「不活動(運動不足)」が原因であるという報告が掲載されている。

適度な運動に加え、酪酸菌を増やすことがわかった日本古来の食事で筋肉を維持し、常に増やすように心がける。酪酸菌を増やし、筋肉を増やすためにも今まさに必要なこと。

ひじき(酪酸菌を活性化するのに注目の海藻類の一種)
酪酸菌を活性化する食物繊維だけでなく、あらゆる生活習慣病の予防になるβカロテンやマグネシウムも豊富。海藻類は筋肉作りにおいても現在、非常に注目を浴びている。

ごぼう(酪酸菌を活性化)
植物療法でのごぼうは排毒・血液浄化系のメディカルーブとして湿疹や腫れもの、ニキビなどの皮膚病、リウマチや通風予防に用いられる。(利尿や緩下、利胆目的)カルシウムや亜鉛、鉄などのミネラルも多く含み、先端の皮、根の皮、中央の皮の順に鉄分が豊富。不溶性のリグニン、水溶性のイヌリンなど多くの食物繊維を含み、注目は血中の中性脂肪低下や血糖値コントロールなどの生活習慣病予防に役立つ水溶性食物繊維のイヌリン。イヌリンは腸内細菌の資化性も高く利用される。脂肪の蓄積を防ぐフェニルプロバイド類のクロロゲン酸(抗酸化作用、抗老化作用を持つポリフェノールの一種。ポリフェノール含有量トップは根の皮部分)は水に対する溶解性が高くハーブティーでも抽出出来る。多くは皮に含まれる為、皮はむかずにたわしなどで優しく洗うと出来る限り損失少なく摂取できる。皮ごとの輪切りでスリミング作用が期待できるポリフェノールやカルシウム、マグネシウムなどミネラルの残存率が高くなる。

☞発酵生食物繊維が豊富なごぼう(短鎖脂肪酸の産生を高める注目成分はイヌリン)

ごぼうを食べる→腸内細菌の餌になる=イヌリンを腸内細菌が食べる。この細かなメカニズムとしては、イヌリンの鎖を切る消化酵素を腸内細菌が持っていて、厳密にはその切ったものを食べている。腸の粘膜の細胞がそれをまた餌にしているので、イヌリンを摂取すると腸の粘膜が丈夫になるという特徴がある。更に腸内細菌はイヌリンを餌にして食べることで「代謝物」を出す

⇨これが今、 腸活で話題の「短鎖脂肪酸」(酪酸、プロビオン酸、酢酸など) 。

短鎖脂肪酸は体脂肪を減らしたり、基礎代謝の向上(抗肥満作用)腸脳相関の観点では鬱にも◎。皮の部分に豊富なクロロゲン酸は、脂肪肝、糖尿病予防効果、ダイエットにも使用される。あく抜きすると水溶性食物繊維やポリフェノール、ミネラルが減ってしまう。泥付きごぼうは土壌菌も取り入れられるので腸内細菌に多様性も。抗酸化成分は野菜トップクラスなので是非、泥付きごぼうを皮ごとあくぬきせずに使いたい。

尚、これは余談だがヨーロッパ原産のバードック(ごぼう)は日本では食用に供されるため野菜(根菜)として認識されるが、欧米ではもっぱらメディカルハーブとして古くから用いられて来た。主に湿疹や腫れもの、ニキビ、蕁麻疹などの皮膚病やリウマチ、痛風などの代謝性疾患に血液浄化を意図して内用や外用で用いられ、利尿や緩下、利胆の目的にも使われている。

 「 バードック(ゴボウ)」

【 学 名 】Arctium lappa
【 科 名 】キク科
【使用部位】根、葉(果実は医薬品成分)
【主要成分】ポリフェノール類(クロロゲン酸)、食物繊維(イヌリン、セルロース、リグニン)
【 作 用 】利尿、発汗、血糖値上昇抑制
【 適 応 】便秘、吹き出物、肌荒れ

バードックの根にはイヌリンやリグナン系の苦味配糖体アルクティインを含むためトニック効果を発揮。近年の研究では抗変異原性や細胞増殖抑制作用が報告されているが、欧米では古くから悪液質の治療や植物腫瘍学の分野で処方されてる。また、血糖値を下げる作用についても報告がありフランスなどの伝統的な使用法を裏づける結果になっている。

イヌリンは水溶性食物繊維でヒトの消化酵素では分解されず、大腸に届いて腸内細菌の栄養源に。その結果、ビフィズス菌などの有用菌が優勢となり腸内環境を改善。また、カルシウムなどのミネラルの腸管からの吸収を高めることが知られる。さらに腸内細菌による代謝の過程で短鎖脂肪酸が生成。最近の研究では酪酸などの短鎖脂肪酸は腸のバリア機能を向上させることでアレルギーや関節リウマチ、糖尿病などを招くリーキーガットシンドローム (腸粘膜浸漏症候群 )の改善にも役立つことが明らかになった有用なプレバイオティクスである。

生姜
ショウガオールは血行促進作用や、体を温める働きがある他、新陳代謝を活発にし発汗作用を高める働き。生のまま摂取するよりも乾燥させたものか、加熱調理することでより身体を温める効果が大きくなる。ショウガオールは胃腸の内壁の血行を促進し、胃腸の働きを活発にして食べ物の消化吸収を高めること、ジンジベインがたんぱく質の分解を助け、胃腸の負担を軽減。生姜は毎日摂取したい超優秀野菜。皮にポリフェノールが凝縮

さつまいも(酪酸菌を活性化)
食物繊維が豊富なことはよく知られているが、水溶性と不溶性食物繊維がバランスよく含まれており、便通だけでなく、血糖値の抑制などにも有効。GI値が58と玄米と同等で、生活習慣病に対し有用な素材。またカリウムやマグネシウム、鉄、ビタミンC、ビタミンE、B1、ポリフェノールなども豊富。穀物と野菜の両面を持っている準完全栄養食品とされている。実はさつまいものアミノ酸値は小麦やとうもろこしよりも高く、植物では最高水準。実際、オセアニアのパプアニューギニアやサモアたちの筋骨隆々な男たちもさつまいもを主食にしている。彼らポリネシア人は日本人と同じモンゴロイド。日本人の体質とも相性が良く、体力増強効果が期待される。筋トレの補助食品としても理想的。筋肉の合成と関わりの深いビタミンB6も多いため、タンパク質と合わせて摂取するのが効果的。また、皮にはアントシアニン色素が豊富。(アントシアニンに抗酸化作用)

大豆(酪酸菌を活性化)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000035737.html

大豆研究資料
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/5thsympo/ishimi_24feb04.pdf

「大豆は不溶性食物繊維」というこれまでの常識が覆る

蒸し大豆は“水溶性食物繊維”も多いことが判明。その他植物性たんぱく質やサポニン、ポリフェノールなどの機能性成分が多く含まれており、最近、これらの健康に及ぼす効果が注目されている。この近年、再び大豆の機能性に研究者の注目が集まっている印象!講義数も多いです。たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ビタミンE、ビタミンK、マグネシウム、カリウム、食物繊維、大豆オリゴ糖、レシチン、ギャバ、大豆イソフラボン など 天然のマルチサプリ。

発酵性食物繊維には、もち麦やオートミールなどに含まれる〈β‒グルカン〉、キウイなどの果物に含まれる〈ペクチン〉、ごぼうやらっきょうなどに含まれる〈イヌリン〉、豆類やバナナ、玉ねぎなどに含まれる〈オリゴ糖〉、海草に多い〈アルギン酸〉などがあります。これらは水溶性食物繊維。不溶性食物繊維では、全粒粉や小麦ふすま、玄米などに含まれる〈ヘミセルロース〉が発酵性食物繊維。そのほか、豆類やいも類、とうもろこし、冷やご飯などに含まれる〈難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)〉も発酵性食物繊維。こういった食品をとることで発酵性食物繊維の効果が期待でき、酪酸菌を育てる。