研究助成成果報告講演
「ハーブ成分による上皮タイトジャンクション制御とその応用」
講師:南雲陽子(筑波大学生命環境系)先生
〔内容〕バイオ医薬品は低分子医薬品よりターゲットへの特異性が高いことから、これまで十分に解決できなかった疾患への効果が期待され、その市場規模は年々拡大している。しかしながらバイオ医薬品は膜透過性が低い親水性の中・高分子であり、その投与は注射や点滴といった侵襲的な手法に限られ、患者のQOL低下を招いている。この問題を解決するため、皮膚や粘膜等の上皮で細胞同士を強く接着し、体外からの異物に対するバリアとして機能するタイトジャンクション(TJ)を標的とした薬剤の開発が行われている。TJを一時的に開けることで、経皮・経肺・経粘膜など低侵襲な投与が可能となると期待されている。これまで我々は、上皮細胞層TJを可逆的に開口させる薬剤について研究を行ってきた。その過程で陽イオンチャネルTRPA1の活性化が引き金となるTJ開口を見出した。一方、ハーブ成分にはTRPA1を活性化するものが多く存在している。そこでTRPA1を活性化するハーブ成分に着目し、それらの上皮TJ開口作用の解析を行った。
学術講演
「がんに対するアロマセラピーの有効性について」
講師:長田拓哉(東邦大学医療センター大橋病院外科)先生
〔内容〕アロマテラピーは香りを有効活用した治療法として知られており、ストレス抑制効果や殺菌効果、認知症の改善効果等、幅広い効果が報告されている。香りを用いたがん治療は、その実現が多くの癌患者にとって期待されている治療法の一つであり、これまでにフランキンセンスやペパーミントなどについて多くの研究報告がなされてきた。アロマテラピーに用いられる精油製剤のうち、和製アスナロ(ヒバ)精油に1%程度含まれているヒノキチオールには、抗菌作用以外にもがんの増殖を抑制する効果が報告されており、その臨床応用が期待されている。我々はこれまでに、アスナロ精油に含まれる抗腫瘍因子の一つとしてツヨプセンを同定した。ツヨプセンは分子量が小さく空気中に蒸散し、がん細胞に取り込まれてがんのエネルギー産生経路を抑制し、癌の転移、増殖を抑制する。これまでの研究結果を報告し、がんに対するアロマセラピーの有効性について考察したい。
行事の概要
行事名: 日本メディカルハーブ協会 第3回学術フォーラム
日時: 2021年9月12日(日) 13:00-16:20
参加費: 一般:4,500円/会員:3,000 円/学生:無料
開催方式: ZOOMを使ったウェビナー
定員: 100名
申込締切:2021年9月6日(月)15:00オンライン
※申し込み締め切り後、ご案内のメールをお送りいたします。
プログラム
13:00-13:10 JAMHAからの挨拶
13:10-14:20 第一部 研究助成成果報告講演
14:20-14:40 第一部ディスカッション
14:40-14:50 休憩
14:50-16:00 第二部 学術講演
16:00-16:20 第二部ディスカッション
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