京都新聞 読者情報誌「きらっと!京滋」2023年3月号連載「山瀬理恵子のアス飯®︎レシピ」

2014年にスタートを切った毎週火曜日発売、京都新聞朝刊ジュニアスポーツ面アス飯の連載時代から合わせますと京都新聞さんとはもう9年もの長いお付き合いになりました。遠方から支えていただき、いつも本当にありがとうございます。

ここ4回程、公開媒体を変え、またレシピの形状を変えながら「納豆、アボカド、卵」のパワフル3食材を使ったトリプルコラボで構成を組ませていただいています。

納豆の有名な成分は、血栓を溶かす天然成分のナットウキナーゼや、血液凝固を調節し、肺の弾性繊維を保護すると考えられているコロナ禍で注目を浴びた吸収効率の高いビタミンk2、エイジングケアやオートファジー誘導、抗炎症、抗酸化、細胞増殖活性等、幅広い生理活性を持つ含有量の極めて多いスペルミジンの他、ネバネバの主成分で、胃壁の保護や腸管での老廃物排出促進、ミネラルの吸収促進効果、食後血糖値を抑制するポリ-γ-グルタミン酸等、納豆は健康寿命に関わる重要な栄養素を豊富に含んでいます。

善玉菌を含み腸の働きを整える優秀発酵食品の納豆に、栄養が凝縮し善玉菌の餌になる食物繊維が豊富な腸活食材にのアボカドをプラスすれば、腸内細菌の多様性を高める為「アボカド納豆」はシンバイオティクスの好例。

ビタミンAによるリンパ球の分化によってIGA産生細胞ができ感染予防。そして亜鉛はビタミンAの代謝に不可欠。粘膜免疫改善の重要な栄養素としてビタミンDがあり、これら手軽な栄養補給源として卵をあげておきましたビタミンD濃度と新型コロナ感染率が注目されています。(インフルエンザも同様)

更に、専門分野の植物化学「植物化学〜構造分類と植物化学成分の機能性」2022年12月15日〜2023年3月15日まで現在、継続受講中。(講師 林伸一郎先生 グリーンフラスコ代表及び日本メディカルハーブ協会理事長 私は母校がグリーンフラスコで林先生が師匠です。日本メディカルハーブ協会には2008年より所属、現在に至るまで学びを続けています)ブラッシュアップしたばかりの含硫化合物は、硫黄を含む化合物の総称で、解毒や代謝に関わっています。

注目はブロッコリースプラウトに多く含まれるイソチオシアネートのスルフォラファン。肝臓の解毒酵素を誘導し、グルタチオンの生成促進、抗ピロリ菌や抗がん等、非常にパワフルな食材です。ポール・タラレー博士は、長年がんの予防研究に従事される中で、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンに、抗酸化や解毒といった体の防御機能を高め、がんを予防する働きがあることを世界で初めて発見。その後、ブロッコリーの品種や育成方法によってスルフォラファンの濃度が異なることを突き止め、スルフォラファンを高濃度に含むブロッコリースプラウトを開発しました。

同じく現在ブラッシュアップ中の「植物化学〜構造分類と植物化学成分の機能性」2022年12月15日〜2023年3月15日では、レシチン(大豆•卵黄)も深掘りしています。レシチンはリン脂質(リン酸エステル部位を持つ脂質)で、ホスファチジルコリンとも呼ばれます。分子構造を見ると、脂肪酸の部分が疎水性、コリンリン酸部分が親水性。つまり、特徴はと言うと、分子の片方が水と相性が良く、片方が水と相性が悪い。(=油と相性が良い。水と油は混ざらないが、レシチンがそこへ行くと仲を取り持ち、ドレッシングイメージのように混ざる)乳化作用(水と油を一緒にする働きで、血管にこびりついたコレステロールを減らすような解釈)があり、動脈硬化予防、脳機能保持(アメリカでは認知症の治療効果を期待してレシチンが使われる)またコリンの供給源(神経伝達物質のアセチルコリンはレシチンも供給源)となります。細胞膜(脂質二重層)はレシチンでも出来ており、よって水と油もうまい具合に手なづけるイメージです。

玉ねぎの硫化アリル、ピーマンのピラジンやプロビタミンAを含む人参は、私の母、誠子さんが作るハンバーグに必ず使われている食材。懐かしい母の味をスパイスも絡めて組み込んでみました。

あなたの投稿を募集しています。アス飯レシピを実際に作ってみたという方は、ぜひ写真をお寄せください。 抽選でご感想とともに、誌面掲載をさせていただきます。

氏名、掲載用ペンネーム、電話番号、お住まいの市町村名、年齢、性別、感想(50字程度)を記載の上、メールタイトル 「アス飯レシピ2023年2月号投稿」で、メールアドレスkiratto@kyoto-pd.co.jp まで送信ください。

たくさんのご応募お待ちしております。

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