4月18日放送!レギュラー料理コーナー「アス飯」南海放送Beans 土曜日11:55分〜(出演者:南海放送アナウンサー 甲斐彩加・料理研究家 山瀬理恵子)

エネルギーをフルに使いこなしたい時におすすめのお手軽丼です。レシピは南海放送Beansホームページをご覧ください。https://www.rnb.co.jp/tv/beans/

ご飯などの炭水化物とトマトに含まれるクエン酸を同時に摂取すると肝臓・筋肉のグリコーゲン貯蔵量を増加。またグリコーゲンが枯渇した時にクエン酸を摂取するとグリコーゲンの回復が早まります。よって今回のレシピでは、トマトのクエン酸を用いました。黒酢などのお酢を調味料として利用すると、より摂取し易くなるでしょう。

旬のアスパラガスは食べる栄養ドリンク並に栄養の宝庫。アスパラプチンはアスパラガス(Asparagus
 officinalis
)より単離された含硫黄物質。穂先に含まれるポリフェノールの一種、フラボノイドの「ルチン」を含み、毛細血管を保護して血流を改善。+ビタミンCで相乗効果となる為、加熱によるアスパラガスのビタミンCの損失の無いようさっと炒めることを推奨します。もしくは仕上げに大葉やパセリを添えるなどしてビタミンCをしっかり補給し栄養を繋いでください。

アスパラガスのβカロテン、ビタミンEは脂溶性のため、オリーブ油調理やチーズなど脂質のあるものとの合わせが○

アスパラガスの主成分として特徴的なものに「アスパラギン酸」があり、これはアミノ酸の一種でアスパラガスから発見されたもの。カルシウム、マグネシウム、カリウムなどエネルギー代謝に関わるミネラルを細胞内に効率よく取り込んだり、利尿作用もある為老廃物を体外へ排出してくれます。

アスパラガスは上記全てが相乗効果となりスタミナ増強を発揮するパワフルな食材。はかまも下の部分も丸ごと使って欲しいです。ストレスや疲労が原因の5月病などにも○。

この辺りは4月22日公開となります愛媛新聞さん、愛媛CATVさんの番組内でも細やかに語らせていただきました。

アスパラギン酸と言えばうま味成分の一つ。枝豆、大豆モヤシ、空豆などの豆類や、魚介類の乾物や節などに含有量が多く、肉類では部位によって含有量が異なるのが特徴です。

「うま味成分」はアミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸や、核酸構成物質のヌクレオチドであるイノシン酸、グアニル酸など。その他の有機酸であるコハク酸。うま味の代表食材として、昆布、アスパラガス、鰹節、干し椎茸、アサリがあります。

アミノ酸は食事から摂取する必要のある「必須アミノ酸」と、食事以外で体内でも他のアミノ酸からつくることができる「非必須アミノ酸」があり、アスパラギン酸は非必須アミノ酸に分類されています。

アスパラガスを美味しく調理するためには、含まれているうま味成分を知っておくことも大切。アスパラガスにはグルタミン酸とアスパラギン酸のうま味成分が含まれていますが、単体で生かすよりも、複数を組み合わせることで相乗効果を発揮します。アスパラガスに含まれるグルタミン酸は真昆布や海苔に比べると少ないのです。よってグルタミン酸を補ってくれる食材(チーズなど)と合わせて調理するとより良いでしょう。

トマトに関しても愛媛新聞さん、愛媛CATVさん、ふくやさんのYouTube番組で既出ですが、トマトのリコピンには強力な抗酸化作用があり、脂溶性で熱にも強く、吸収率を上げるためには、油と一緒に加熱摂取するのがベストです。リコピンの構造を「トランス体」(主に生のトマトに存在)から「シス体」(油と一緒に加熱することで変化)へ。トランス体よりもシス体の方が体内に吸収されやすくリコピンは、にんにくや玉ねぎ、油と一緒に加熱調理することで、体内に吸収されやすいシス体への構造変化が促進される可能性が示唆されています。ニンニクや玉ねぎを調理することによって生成される香り成分の「ジアリルジスルフィド」が促進成分の1つとなります)リコピンはトマトの皮や種に豊富。湯むきするとリコピンを多く損失してしまうのでできるだけ皮ごと摂取が○。湯むきした場合は勿体無いのでその場で皮をつまんで食べましょう(笑)

赤色が濃いほどリコピンがたっぷり含まれている証拠。ゼリー部分は、疲労回復効果や内蔵のエネルギー源となるアミノ酸の宝庫です。逃さず全ていただいて欲しいです。

トマトのクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は消化器系の機能調整に役立ち、冒頭で記載しましたがクエン酸が解糖系のホスホフルクトキナーゼの酸素活性を阻害することを利用してグリコーゲンがブドウ糖に分解されるのを防ぎます。効率的に体内のグリコーゲン貯蔵量を高め、運動後にグリコーゲンが枯渇した時にクエン酸を摂取すると、グリコーゲンの回復が早まります。

汗が滴り、ビタミンやミネラルが損失し易い運動時の水分補給にも最適な食材がトマトです。詳しくは各種動画でご覧ください。

豚もも肉は糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富。ビタミンB1は水溶性ビタミン。大量の汗から流れ出てしまい不足しやすいので意識して摂取することが大切。アスリートがエネルギー(糖質)をフルに使う試合前にも、意識して摂取している栄養素となります。にんにくやネギ、ニラ、玉ねぎなどのアリシンと一緒に摂取することでビタミンB1の作用が長持ち。またビタミンB1はたんぱく質と糖が結びついて劣化し、老化の元凶「糖化」(糖化によりAGEが発生。クエン酸がAGEを軽減)を防ぐ大切なビタミンでもあります。アスリートが筋肉をつけたい時などに意識しているビタミンB6も老化抑制効果の高い栄養素。ビタミンB6はにんにくに豊富。アリシンのNK細胞を活性化する作用にも期待です。

生姜は加熱調理でショウガオールに。中から身体を温めたい時に○

カレー粉を入れたのは新型コロナウィルス対策でクルクミンを摂取したかったからでした。黒胡椒(ピペリン)をふれば尚○

蜂蜜の糖は素早いエネルギー補給の王道です。

以上がレシピ構成となります。