食べ物と香り

今日は食べ物の持つ「香り成分」に注目してみたいと思います。

例えば茗荷の香り成分αピネンは、精油に含まれる芳香成分の一つです。アロマテラピーではC10H16の分子式を持つモノテルペン炭化水素類に分類されます。これは森の空気にも含まれる成分。森林浴効果、強壮作用、血行促進、抗菌作用、免疫向上などが期待出来るとされています。

(アロマテラピーコンプリートブック上巻より抜粋)

上の2つの表を見ていただくと、私たちの生活に身近なオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類の食べ物にも、クエン酸やビタミンCといった栄養成分のみならず、香り成分リモネンが含まれ、それぞれに作用があることが分かります。

人間の身体は千差万別であり単一的に捉えられるものではありません。食事には、西洋医学、東洋医学、中医学やアーユルヴェーダ伝統医学などのエビデンスに基づいた無数の捉え方があります。これだけ歴史は古く世界は広いのです。様々な考え方があって当然。それぞれの学問のメリットに焦点を合わせて自らで選択し、柔軟性を持って生活に取り入れていくことが素晴らしいと思います。最も大切なのは個人に合った食事、自身の身体としっかりと向き合うこと、感じていくことです。

食べ物をいただく時は、まだまだ未知数であるプラスの可能性を増やす為に、何気なく食べるのではなく、香りもしっかりと感じ、五感全てを使い、自然の恵みや食べ物が持つ生命力を有り難くいただくことで、相乗効果が期待出来ると私は思います。

健全なる精神は健全なる身体に宿ると言われますが、スポーツ選手の「勝てば天国、負ければ地獄、明日の我が身は分からない」というジェットコースターのような闘いの日常生活では、栄養の摂取は勿論、それ同様か、それを上回るくらいの勢いでメンタルのケアが非常に大切になってきます。

選手だけではなく、サポート側の人間がブレてしまったりネガティブな状況に心を持っていかれるようなことは、意識的に避けなければいけません。私自身、これまで何度も訓練を重ね、切り替えを素早くし、何が起こっても平坦な気持ちで、また、プラス思考でいることに努めて来ました。(鼓舞の仕方は人それぞれですが、私のようなチキン出身の危うい人間は、例え「強がり」もしくはちょっと頑張り過ぎて「太々しい」と思われるようなことがあったとしても、気張っていないと絶対にダメ🙅過度な心配の積み重ねが負の連鎖を生み、病気まで生み出します。夫にプラスの影響を与えることも出来ません)

ここからは以前の再掲になりますが、2005年7月に夫が椎間板ヘルニアを患い、2006年4月10日に手術をするまで、サッカーどころか寝返りをうつことも、最終的には歩くことも困難になった時期のことでした。全国各地、様々な治療院を回り、藁にもすがる思いでありとあらゆる治療法を試しましたが、症状は日毎に悪くなって行く一方。もがき苦しむ夫の姿を目の当たりにしても、どうすることも出来ません。浮き彫りになるのは無力な自身の存在だけ。

そんな中でも諦めず、何とかして良くなる方法はないかと模索し辿り着いたうちの1つに、アロマテラピーがありました。

当時、横浜元町にあった生活の木。香りにつられてふらりと店内に立ち寄り、生まれて初めて精油の香り(この時はネロリ)を嗅いだ時の衝撃を未だに忘れることが出来ません。この状況を何とかしなければという気持ちとは全く別の方向で、突然、新しい世界がふってわいたような感覚。この物体は一体何!と猛烈に感動している自分がいました。必死さの中で思いもよらず掴み得た、救いにも似たたった一つの希望でした。(後に解剖学を学び、嗅覚は視覚や聴覚、触覚などの他の感覚器とは違い、原始的な特殊感覚であること、直接脳の中枢部である大脳辺縁系に届くのが最大の特徴で、本能的な欲求や情動、記憶と結びついていることを理解します)

ヘルニアの手術後、精油を使ったマッサージを書籍片手に行い、夫の感触が思いのほかよかったため、更なる相乗効果を期待し、経口摂取できる植物療法(ハーブ)やスパイスを徐々に生活の中に取り入れていったのが全ての始まりでした。

スポーツ選手にはドーピング検査があるため、薬や漢方、栄養剤を避けることは勿論、口にするもの、塗布するもの(清涼飲料水や歯磨き粉、育毛剤などもものによってはNG)には最大限気をつけなければならず、積極的ケアに踏み切るには、随時所属チームのチームドクターに確認しながら。また、自身でも移りゆく禁止薬物をチェックしながらの作業になります。

●選手へのケア「ドーピング・コントロール」

https://yamaserieko.cookpad-blog.jp/articles/245120

以下はヘルニア手術後2006年の日記より

「立っている時、歩いている時は、全く痛みが無い。座ったり、仰向けになると、傷口や腰周りの筋肉にはりがあるそう。ドクターに聞いてみたところ、今までは、右に傾きながら生活していた為、右の方の筋肉が収縮し、左の方の筋肉には負荷がかかりにくくなっていたものが、手術をして真っ直ぐにしたことにより、負荷のかかっていなかった左側の筋肉にも、本来の負荷がかかるようになった為、筋肉がそれになれるためのはりだそう。また、神経管の修復作用にも多少の時間を要するとのこと。(テンピュールの枕を手でぎゅうっと押すと中に入り込み、手を放すと枕と手は触れてはいないけれど、枕がもとの形に戻るのに多少の時間を要します。同じ原理だとか。)

カツオのピリ辛煮

だし汁(コラーゲンスープ)4分の1カップ

カレー粉 小2分の1

醤油 大1

みりん 大2分の1

酒 大4分の1

かつおはリハビリ中におススメの食材で、カレー粉などのスパイスは痛みや炎症に効果があります。付け合せのおくらは、たんぱく質の吸収を高める効果もあるので、よく食べるようにしています。

 

2006/05/23

「ホームケア」

先週から40分近くランニングをするようになり、ボールも蹴り始めたせいか、ここ2、3日、腰のかみ合わせがあまり良くない。練習から帰宅した功治の様子が何となく変だったので話を聞いてみた。リハビリ組みを除き、チームは水曜までオフなので、ドクターに会えるのは木曜以降。手術後からMRIを撮っていなかったこともあり、経過を見る為にも、オフ明けにでもMRIを撮って貰おうか、ただのリバウンドであれば様子を見て練習メニューを落とした方がいいね、というような話をした。

一方、ホームケアとして、何か応急処置的なことはないかと考え、慢性腰痛に良いとされる温湿布や、腰、下半身のトリートメントを施してみることに。今回使用したオイルは、ニールズヤードのスイートアーモンド。

これは主に、全身のトリートメントの時に使用します。ビタミンD、E、ミネラルなども含む、比較的使いやすい植物性油脂です。精油は小さな分子構造をしている上、親油性。(油によく溶ける)真皮に達した精油は毛細血管やリンパ管に入り、血液を介して全身の器官、組織へと広がります。また、トリートメントの場合、嗅覚や(嗅覚から直接大脳辺縁系を介する経路。大脳辺縁系に直接伝わるルートは、五感の中で唯一嗅覚のみ)呼気から(肺の中にある肺胞から吸収される経路)も吸収され、マッサージによる相乗効果で非常に優れた効果が期待できるそう。

腰痛に良いと言われている精油の中から使用したのは、ラベンダー、ジュニパー、レモングラス、ユーカリの4種類。まず始めに、精油を使った温湿布で、10分間腰を温めます。(ラベンダー、ジュニパー、ユーカリをそれぞれ1滴ずつ)その間にトリートメントオイルを配合。

希釈濃度は1パーセント以下ということで、30mlのアーモンドオイルに、3種類の精油を合計6滴になるように入れました。(ジュニパー、ユーカリ、レモングラス)腰痛の場合、腰へのトリートメントだけではなく、下半身全体に行うと効果的で、頸部から太もも、ふくらはぎ、足首から下の各部の緊張を緩め、リラックスさせることに意識し、ゆっくり時間をかけてトリートメントしていきました。」

この後、アロマテラピーやハーブ(植物療法)を本格的に掘り下げて学びます。(植物の生態、メカニズム、抽出部位、化学構造、健康学、心理学、生理解剖学など)学校にも通い(アロマテラピーはみなとみらいニールズヤードレメディーズ校にてアロマテラピーインストラクター、ハーブはグリーンフラスコ、林真一郎先生のもとでハーバルセラピスト、施術技術はプレミナセラピストスクールで神崎貴子先生のもとスポーツアロマトレーナーを取得)専門知識を得たことが、食べ物の香りが人間のメンタルに及ぼすメカニズムを意識しながら生活するようになったきっかけであり、また、食事に対しての包括的な思考に繋がっているのだと思います。

何事も積み重ねが大切。

意味のないことはないと思っています。