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山瀬理恵子さんが訪ねたのは松山市勝岡町の住宅街。散策していると突如ハウスが現れた。中にはアボカドの木が30本ほど植えられており、生産者でハウス所有者の和田里美さん(56)と大堀克美さん(64)がおしゃべりしながら作業していた。
2009年から産地化進める松山市。松山市ではかんきつからの転換作物として2009年からアボカドの産地化を進めてきた。 「植栽5年目。昨年から実が付きだした」という和田さん。ハウスの片隅には「紅まどんな」で知られる愛媛果試28号が実っている。ハウスでは義父がかんきつを育てていたが手入れができなくなっていた。
和田さんが市農業指導センターに勉強に行った際、アボカドの話を聞き「作りたい」と決意。農業を勉強しながら義父を説得し、アボカド作りに転換した。ハウス栽培は市内で和田さんだけという。
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北条地区に住む大堀さんもかんきつを作っていたが、地区でアボカド栽培に取り組むことになり09年から露地栽培を始めた。 剪定(せんてい)ばさみで収穫した山瀬さんは「重い!」と声を上げる。
あまり知らないアボカドの品種。細長く表面にいぼがある「ピンカートン」は栗や芋のようなほくほくした味が特徴だ。丸みを帯びてつるんとした表面の「ベーコン」は皮ごと食べられる。
収穫後、常温で数週間追熟させる。熟しても皮は緑色のまま。個人販売のほか、生協の産直コーナーや道の駅「風早の郷風和里(ふわり)」などで購入できる。
収録場所
和田さんが昨年11月に開いた農家レストラン「和田産地のごはん」(同市太山寺町)。
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