免疫系メモ2 9月1日更新

免疫系メモ2 9月1日更新

アーユルヴェーダ講義 
上馬場和夫先生 トトラボ大学

 


先日、トトラボ大学の村上志緒先生が送る研究者本人が語る講義、第5弾を受講した。


日本のアーユルヴェーダを牽引してきた上馬場和夫先生が登場。全身性炎症反応性微小血管内皮症が鍵を握る新型コロナウィルス感染症。コロナ禍で注目のACE2受容体は血管内皮細胞にある。ポイントはAGEs(コラーゲン異常凝集)を溜めない生活(蒸し料理、低温でじっくり焼く、生食)、コラーゲン不足や瘀血を防ぐ。血管内皮細胞機能低下させる生活習慣病を防ぐ。静脈機能を向上させる。動脈よりも静脈が大事。(温冷浴、マッサージ、圧迫療法、筋運動、呼吸法、ヨーガ、糖質を控えめに)

 


例 ゴツコラ:創傷治癒促進、細胞増殖、コラーゲン生成促進、静脈瘤の結合組織生成を促す、神経軸索を再生する作用と鎮痛作用、胃腸粘膜の回復を促す。慢性静脈不全、静脈高血圧性血管疾患、航空機フライト性微小血管障害、内頚動脈と大頚動脈プラーク、糖尿病性微小血管症、ケロイドや痕治療、抗不安(柑橘の果皮、ローズヒップにも静脈効果があるが作用機序は異なる)CBDの世界他

 


今回のテーマは「ハーブ医学におけるアーユルヴェーダの価値」。アーユルヴェーダの本質に捉えられたボディとマインド、そして意識への認識を植物療法の理解を深めるといった観点からの講義。

2020年後期に村上志緒先生によるメディカルハーブ研究情報解説講座 最新版 ~植物療法を科学的視点からとらえるために~をオンラインで継続受講しました。

自然療法のひとつである植物療法はその機能性のみならず、安全で有効な用法も含め世界各地で伝承。現代では科学的なアプローチも加わりハーブの研究は日々進化。この講座では神経系や内分泌系などといった私たちの健康を司る各領域をとりあげ、テーマに沿った新たな論文を紹介・解説。

トトラボ大学

https://www.totolab-shop.com/複製-総合案内

【ハーブ医学におけるアーユルヴェーダの価値】on Zoom〜 体と心, さらに意識への認識の必要性 〜 

〔内容〕

ハーブの作用機序を考える場合、物質的レベルの知識も重要であるが、ハーブやアロマの持つメンタルな作用、さらにはフラワーレメディーズ、ホメオパシーなどの効果を考える場合、ボディとマインド、さらに意識のレベルへの認識が必要でしょう。生命の科学アーユルヴェーダの持つボディ・マインド・意識に関する法則を学ぶことで、ハーブの持つホリスティックな作用が理論化され、用いる場合に応用がきくようになるでしょう。

〔日時〕 

8月17日(火)18:30~20:30 

〔内容〕

1. 上馬塲先生の講義「ハーブ医学におけるアーユルヴェーダの価値〜 体と心, さらに意識への認識の必要性 〜」

2. トトラボ村上とのディスカッション

3. 質疑応答

〔講師〕上馬塲 和夫(NPO日本アーユルヴェーダ協会 理事長/ハリウッド大学院大学 教授)

​〔受講形式〕Zoomによるオンライン

​※当日のご受講のご都合が悪い場合は、開講時の録画の視聴(期間限定)にてご受講いただけます。録画視聴をご希望の場合は「備考」にお記しください。

上馬塲 和夫 プロフィール

NPO日本アーユルヴェーダ協会 理事長/ハリウッド大学院大学 教授

一般社団法人日本アーユルヴェーダ学会理事/一般財団法人東方医療振興財団理事/日本補完代替医療学会 理事

1978年に広島大学医学部を卒業後、東西医学の融合をライフワークとすることを決意し、虎の門病院内科での総合研修の後、北里研究所付属東洋医学総合研究所に入所漢方医学や鍼灸の臨床・漢方薬理の研究にも従事。シドニー・セントヴィンセント病院留学し、脈診の現代医学的研究を行う。国後、富山県国際伝統医学センター次長、富山大学和漢医薬学総合研究所未病解析応用研究部門客員教授、帝京平成大学ヒューマンケア学部&東洋医学研究所教授を経た後、現職。生命の科学アーユルヴェーダを研究することで、東西医学の融合が可能になり、人類に必要な生死の智慧が明らかになるとかんがえている。

全身に分布するカンナビノイド受容体(CB1,CB2)

体内には、地球上で生きていくために本来備わっている身体調節機能=ECS(エンド・カンナビノイド・システム)がある。ECSは、食欲、痛み、免疫調整、感情制御、運動機能、発達と老化、神経保護、認知と記憶などの機能をもち、細胞同士のコミュニケーション活動を支えている。ECSは、1990年代に発見された“アナンダミド”と“2-AG”と呼ばれる内因性カンナビノイドとそれらと結合する神経細胞上に多いカンナビノイド受容体“CB1”、免疫細胞上に多いカンナビノイド受容体“CB2”などで構成され、全身に分布。最近の研究では、ECSは、外部からの強いストレスを受けたり、加齢に伴う老化によって、ECSの働きが弱り、いわゆる「カンナビノイド欠乏症」になると、様々疾患になることが明らかになってきた。

内因性カンナビノイド・・・脂質メディエーター

脂質メディエーターとは、細胞内外の情報伝達をつかさどる生理活性物質であり、局所で一過的に産生され、その場で細胞膜受容体に作用してシグナルを伝え,速やかに分解される脂溶性物質のこと。

内因性カンナビノイドは、”アナンダミド”と”2-AG”がよく知られていますが、現在では同じような働きをすると考えられている物質があと8種類あると考えられ、全部で10種類ある。それらの内因性カンナビノイドは、CB1とCB2 のカンナビノイド受容体以外にも、痛み、炎症、体温の調節を担いトウガラシの辛味成分カプサイシンに作用するバニロイド受容体(TRPV1)、細胞内タンパク質の1つで核内受容体のペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)、第三のカンナビノイド受容体とも言われているGPR55,そしてGPR119とそれぞれに作用している。

引用:
Endocannabinoids, Related Compounds and Their Metabolic Routes(2014)を改変

これらの作用機序の全身分布と多様性から臨床応用においてさまざまな疾患に適応すると考えられている。

見える油と見えない油

食生活が豊かになり、油脂の摂取量が増加し、生活習慣病も増加。生活習慣病対策としてかつてはコレステロールを減らすための栄養指導や、リノール酸(オメガ6)の摂取が推奨されてきたが、皮肉なことにオメガ6の過剰摂取がアレルギー過敏症やがんの増加を招き、心臓病予防は効果がないばかりかリスクが倍増することに。オメガ6は生きるために必要不可欠な必須脂肪酸だが、摂り過ぎて代謝しきれない油は血管壁など体の各所で炎症の原因になる。崩壊したバランス回復のため、「とっても良い油」として注目されたのがオメガ3。オメガ3はオメガ6と同じ必須脂肪酸。どちらが良いとか悪いでなく、大切なのはバランス。日本人は1日平均約55gの油を摂取していて、約80%が食品に既に含まれている「見えない油」。油が多い食品は美味しく感じるが、大切なのは油脂全体の摂取量を下げる一方で、20%の「見える油」で脂質栄養のバランスを整えること。

日本人の油摂取状況
平成25年国民健康・栄養調査報告より
(国民1人あたり平均)
 

油と摂る理由は生体膜に

ヒトの体は4兆個もの細胞の集合体。細胞を覆っているのが生体膜で、生体膜は主に脂質で構成。生体膜の役割は細胞の内外の区切りが一つ。更に重要なのは、自律神経系、免疫系、ホルモン系など生命の根幹を機能的に制御している点。例えば、細菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入すると、ヒトは生体膜の脂肪酸を分解しプロスタグラジンという炎症促進物質を合成し、その結果、発熱、頭痛、関節痛などを引き起こしつつ外敵を撃退。テストステロンなどの男性ホルモン、エストロゲンなどの女性ホルモン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモン、インスリンなど、なくてはならない様々な生理活性物質が生体膜の脂肪酸から作られている。油は、単なるエネルギー源だけでなく生命維持の根管と深く関わっている。生体膜を構成する脂肪酸は、日々の食事内容がそのまま反映されるので、食事の脂質栄養を誤ると、生体膜の機能に影響を及ぼし疾患の原因となる。

オメガ3とオメガ6がイスとり合戦

「健康な生体膜」のために必要は油とは?キーワードは必須脂肪酸。油を必須脂肪酸と必須でない脂肪酸に大別すると、必須脂肪酸はオメガ3とオメガ6、必須でない脂肪酸はオメガ3とオメガ6以外のすべての油、その代表は、バター等の動物性脂肪、ココナッツオイル、MCTオイル、オリーブオイル等。これらは酸化に強く比較的安定しているため、皮下脂肪や内臓脂肪等の脂肪細胞に貯蔵され易い性質がある。人類の歴史は飢餓との戦いであったことを考えると、優秀なエネルギー源と言えますが、飽食時代では過剰摂取に要注意。必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6は、体内で競合的に代謝されるので、生体膜ではイス取り合戦をしている。炎症を促進するプロスタグラジンは、オメガ6系列の代謝物質ですが、競合関係にあるオメガ3はプロスタグランジンの代謝を抑制し、炎症を収束緩和する方向に働くため、オメガ6が多く「イス」を取れば、その分炎症体質になり、オメガ3が多く「イス」を取れば炎症体質が改善。他にも皮膚アレルギー、食物アレルギー、心疾患、がんの発症でも、同様の原理で、オメガ6とオメガ3が競合しています。必須脂肪酸はどちらも欠かせない。しかし過剰摂取は避けたい。オメガ6は、米、麦、大豆などの穀類や豆類、チョコレートや揚げ菓子などの菓子類には「見えない油」として多く含まれている。外食産業で使用される食用油は主にリノール酸(オメガ6)系。「見える油」では、コーン油、大豆油、サフラワー油、グレープシードオイル、ゴマ油などのリノール酸(オメガ6)系の植物油を控える一方で、α-リノレン酸(オメガ3)を多く含むアマニ油、エゴマ油、インカインチオイルの摂取が推奨される。

加齢と共に衰える「内因性カンナビノイド」

 ヒトは生理的又は病的な刺激が与えられると、生体膜の脂肪酸(油)を分解し「内因性カンナビノイド」と呼ばれる「情報物質」を合成する能力を具えている。「内因性カンナビノイド」は、細胞膜を貫通し細胞の外と内をつなぐように存在する「カンナビノイド受容体」と呼ばれるレセプターに結合し、刺激により発生したメッセージ(指令情報)を細胞の内部に伝える。するとあたかも鍵が鍵穴にはまり扉が開くように、個々の細胞が本来的な機能を活性化したり、又は逆に抑制するなどして、生命の恒常性(ホメオスタシス)を維持・調整する上で重要な役割を果たしている。これら一連の生命の連携システムを「エンド・カンナビノイド・システム」と言います。ヒトが生来具えている「内因性カンナビノイド」の合成能力は、強いストレスを受けたり老化が進むと低下し、様々な身体的機能の不調が起こります。CBDをはじめとする大麻草に含まれる「植物性カンナビノイド」は、「内因性カンナビノイド」の代替として機能することが知られている。

脳は油でできている

 油を考える上でもう一つ大切な点は、脳は油でできているという事実。ヒトの脳は、数百億もの神経細胞が、網の目のようにネットワークされている。脳組織の実に60%以上が油で、情報伝達の「かなめ」となるシナプス(オンオフを切り換えるスイッチ)は、主にDHA(オメガ3)。脳機能の維持、とりわけシナプスが健全であるためにはオメガ3が欠かせない。その上で、大麻草に含まれるCBDをはじめとする「植物性カンナビノイド」は、「内因性カンナビノイド」の減少を補い、ネットワークの交通渋滞を緩和し、電気信号の伝達や神経細胞の連携をサポートする働きが期待されている。近年脂質栄養学では、母乳に分泌される脂肪酸が子供の脳の発達に必須。オメガ3欠如ラットは落ち着きがなく、単純なことは早く覚えるが、複雑なことは覚えが悪い。オメガ3摂取は、注意欠如・多動性障害を改善する。血漿中DHA濃度の高い人の自殺率は低い。赤血球中EPA濃度の高い群では自殺未遂頻度が低い。DHAについても同様の傾向。リノール酸(オメガ6)を増やすと自殺が増える。アトピーの子供には「集中力欠如と多動」が多い。魚摂取量が多い国(人)ほど、うつ病と妊娠期神経症が少な。うつ病や不安症などの精神疾患リスクの低下や予防などメンタルヘルスを支える上で、オメガ3が重要な栄養であることを次々と実証している。

理想の油とは

必須脂肪酸でも代謝できなければ毒になる。代謝能力は、食生活、体調、季節等の影響を受ける。たいていの人は油を摂り過ぎているので、油の摂取量を控えるのが基本。外食が多い方やお菓子が好きな方は、体質改善のため、バターなどの動物性は少量に抑え、インカインチオイル等オメガ3系オイルだけで食生活を組み立ててみては。「生体膜のイスとり合戦」が進み、不必要な油が抜けて行けば、オメガ6が比較的多いチャスキやチャスキブレンドオイルCBDに置き換えて行く。春から夏にかけて、代謝が高まる時期に体質改善ができた方は、秋から冬にかけて、バターやオリーブオイルで寒さに対する抵抗力をつけることができる。また、ストレスや老化により損なわれる脳機能や身体調整機能の維持には、チャスキブレンドオイルCBDがお薦めできる。(インカの台所より抜粋)

 

新型コロナウイルス感染症治療薬

フィトメディカル研究所(新型コロナ感染症とグルタチオン)

納豆の抽出液が培養細胞への新型コロナウイルス感染を阻害する

納豆に含まれる成分に、新型コロナウイルスの感染を阻害する効果があることが確認されたとの実験結果を、東京農工大などの研究チームが7月13日付の国際学術誌「バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ」電子版に発表した。チームは、食品に含まれる成分に抗ウイルス効果があることが直接確認できたのは極めて珍しいとしている。

新型コロナは、ウイルス表面にあるとげ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面にある受容体たんぱく質「アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)」に結合して感染する。大豆を発酵させて納豆を作る納豆菌は、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があるとされる。そこでチームは、納豆菌が分泌するたんぱく質の分解酵素に着目。納豆の成分を取り出した抽出液と、中国で当初流行した新型コロナウイルスを試験管で混合させた上で培養細胞に加え、細胞への感染を防げるかどうかを調べた。その結果、抽出液の成分がウイルス表面のスパイクたんぱく質を分解してしまうため、細胞への感染を防げることが判明した。

一方、納豆に含まれるたんぱく質の分解酵素は加熱すると不活化するため、混合液に熱を加えると感染は防げなかった。このため、分解酵素がウイルス表面を壊し、細胞への感染を防いだとチームはみている。

また、英国で初めて報告され、感染性が高いとされる「N501Y」変異株でも、同様にスパイクたんぱく質を分解する効果を確かめた。

https://mainichi.jp/articles/20210721/k00/00m/040/126000c

本研究は培養細胞を用いた実験であり、納豆を食べることによりウイルス感染を防ぐことができると示されたわけではない。しかし、これまで、このように食品の直接的抗ウイルス効果が示された例は少ない。納豆は我が国の伝統的な健康食品であり、これまでにも免疫力の増加や血栓の解消といった効果の報告があるが、非常時においても納豆をはじめとする伝統的食品の価値が再認識される結果となりそうだ。

納豆
一粒一粒に栄養と旨味がぎっしり詰まる高栄養食品。胃腸を元気に働かせ消化を助ける高酵素食品でもある。食すことで体内酵素を節約。酵素は納豆を始め味噌などの発酵食品に含まれており、生の野菜や果物などの食べ物から食物酵素をしっかり取り入れることで消化を助けることができる。納豆はアミラーゼなどの食物酵素を含んでいる。ナットウキナーゼには血流アップ効果も。カルシウムとマグバランスバランスが良い食材。納豆は微生物の中でも超強力な増殖力を持ち、体内に取り入れると腸内細菌のコンディションを上げる。セロトニンは腸内細菌によって作られており、食物繊維によって腸内細菌を整えていく。納豆は食物繊維も豊富な上、レシチン、コリンといった脳の司令塔、前頭前野に働きかける栄養を含むメンタルヘルスにもオススメな食材。ビタミンKも含むので骨強化にも○。免疫に密接な関係性のある亜鉛補給にも○。整腸作用、感染症、免疫力、解毒、抗菌(納豆菌)血栓予防(ナットウキナーゼ)骨折、コロナ症状緩和の可能性も=ロッテルダム心臓研究によると天然ビタミンK2を豊富に含む食材を長年食す人は動脈内のカルシウム沈下が著しく低く、心臓血管の健康状態が良好。オランダではナイメーヘン市の病院で医師たちがビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性を発見。新型コロナウィルスは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解するがビタミンKが凝固を調節。肺疾患から保護するタンパク質の生産に関わる。(ビタミンK2)更年期(大豆イソフラボン)アンチエイジング(スペルミン=ポリミアンの一種)セロトニン材料(トリプトファン)

https://youtu.be/gWy0xPSLssY

全粒穀物の摂取、世界的に注目
https://www.jafra.gr.jp/food.html

感染症のリスクを減らすために、世界では食物繊維を多く含む全粒穀物の摂取に注目が集まっている。全粒穀物や食物繊維を多く含む複合炭水化物の摂取は、腸内細菌を活性しフラボノイド代謝物を上昇させることで、インフルエンザのダメージを減らすという研究報告もある。特にインフルエンザは、体の中でも上気道で起こる可能性が高く、上気道は腸に比較して免疫が弱い場所であるため、ウィルスが上気道の細胞に侵入するのを阻害する機能性素材に期待がかかっている。中でも日本のクロモジという植物などに含まれているポリフェノールや茶カテキンに注目が集まっている。他にも「ローズマリー」や含まれる成分の「カルノシン酸」「ロズマリン酸」「ウルソール酸」にも注目が集まり、これらによるコロナ対策の効果等についての研究も米国で開始されている。

ロスマリン酸(ロズマリン酸:シソ科タンニン)


アミロイドβの凝集を抑制する効果があることが見出されたローズマリーから発見されたポリフェノール。ミント、レモンバーム、タイムやセージなどのシソ科ハーブに多く含まれる。社会問題となっている生活習慣病の予防には全身のエネルギー管理が有効である。骨格筋は最大のエネルギー消費器官であることから、骨格筋におけるエネルギー消費の促進は生活習慣病の予防につながることが期待できる。青シソ、赤シソ、エゴマなどのシソ科植物は近畿中国四国地域における重要な地域特産作物である。抗アレルギー作用や抗酸化作用などを有することが知られている。ロスマリン酸は、培養筋細胞のグルコースおよび脂肪酸の利用を促進する働きを持つ。その作用機序としては、エネルギーセンサーの役目を果たすタンパク質AMPKを活性化することにあると推定される。血糖値上昇抑制、認知症予防他。長島司先生による抽出の化学ではテルペン成分やシソ科タンニンなどの生理活性成分は、粉砕した乾燥ローズマリーやシソをオリーブ油などと共にミキサーでかけ、ハーブをガーゼなどでろ過してのぞくとさわやかな香りと共に抽出され、ドレッシングに利用できることも記載されている。


ウルソール酸
リンゴやプルーンの果皮やバジルやローズマリーなどのハーブの葉に含まれるフィトケミカル。抗がん、抗炎症、血糖値上昇抑制、抗高脂血症、抗菌などの作用が知られているが、近年これらの生理活性に加え、筋力の衰えを抑えて筋肉を維持できる物質であることが明らかとなっている。

カルノシン酸
(Carnosic acid)
は、ローズマリーやセージに含まれている天然のベンゼンジオールアビエタンのジテルペンである。 ローズマリーやセージの乾燥葉には、1.5-2.5%のカルノシン酸が含まれている。 カルノシン酸は、強力な抗酸化物質であり、紫外線UV-Aに対する皮膚細胞を保護(光保護)する薬効を有する。

シキミ酸(八角、松葉茶)、スラミン(松葉茶:血栓凝固カスケード抑制)クルクミン(血球凝集活性抑制)ダンディライオン(ACE2受容体とスパイクタンパクの間でタンパク質-タンパク質の相互作用を効果的に抑制)ティートゥリー(上気道感染、芳香使用)パイン(松)、板藍根(涼血解毒)活性炭、緑茶、梅(ムメフラール)柿渋、味噌、海藻、もずく、納豆、5-ALA(甘酒、酒粕、日本酒)

文筆家(木の文化研究)杉原梨江子

Rosmarinus officinalis

しそ科・常緑低木

シンボル:変わらぬ愛、記憶、幸福な結婚

幸福な結婚を導く花──古代ギリシャ

香りが強く、いつまでも残ることから、ローズマリーは「変わらぬ愛」の象徴。古代西欧から若さと美しさを保つ薬効が知られてきました。ギリシャ神話に登場する、愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)の持ち物のひとつ。アフロディテとともに語られる花はバラ、アネモネ、ホタルブクロなどがありますが、ローズマリーは結婚式に欠かせない花です。花嫁の花冠の材料に使われ、花婿にはリボンで結んだローズマリーの花束が渡されて、誠実な愛を誓い合いました。

淡い青、紫、ピンクの花は清潔感にあふれ、すがすがしい香りとともに、花嫁の清らかさと純粋な愛を象徴するようです。古代ギリシャでは記憶力を高めるため、ローズマリーの枝を髪に挿す風習もあったそうです。出会った頃の恋する気持ちをいつまでも忘れない、永遠の愛を約束するハーブですね。

健康と美貌を取り戻す「王妃の水」──中世ハンガリー

ローズマリーが主成分のハンガリー・ウォーター(王妃の水)については、ハーブに関わる方なら皆様ご存知のとおり。伝説を簡単に書くと、─14世紀、高齢となったハンガリー王妃エリザベートは博識の隠者から若返りの化粧水の作り方を教わります(別の説に、化粧水を贈られる)。当時70代だった王妃は健康と美貌とを取り戻し、隣国の若き国王から求婚され、幸せな日々を送りました──。ローズマリー・ティーをメインとした作り方は自宅でもできるもの。若さと健康と幸せをもたらす化粧水の効果を実践してみてはいかがですか。

聖母マリアの母性愛の象徴──キリスト教

女神アフロディテの持ち物とされた植物の多くが、やがて聖母マリアの持ち物へと変化しています。ローズマリーもそのひとつ。花の色にまつわるこんなエピソードが残っています。マリアがエジプトへと避難する途中、ヘロデ王の追っ手から幼子イエスを守るため、ローズマリーの繁みに隠しました。濡れたイエスの衣をローズマリーが生い茂るやぶの上に広げて乾かすと、白色だった花が青色に変わりました。青色はマリアの衣装を象徴する色。ローズマリーに色がついたのはこの時からと伝えられています。以来、ローズマリーは「母性愛」を象徴しています。

疲労回復、悪夢予防の妙薬──古代の植物療法

時代をさかのぼれば、古代ギリシャ時代から使われてきたローズマリー。古代ローマの植物学者ディオスコリデス(40頃-90頃)は『薬物誌』3巻で体を温める作用を記しています。ローズマリーを煮出したものを飲んで、運動し、入浴し、ワインを飲めば疲労を回復すると助言しています。古代ローマの博物学者プリニウス(23頃-79)は『博物誌』24巻の中で、樹液は浄化作用を必要とする疾患を癒し、視力回復にもよいと書いています。中世の本草書には、ローズマリーを床に撒くとその香りで無気力な人も元気が出てくる、枕の下に敷いて寝ると悪夢を見ない、香りを嗅ぐとうなされないなど、さまざまな処方が紹介されています。殺菌効果を利用して、病室で焚き、感染を防ぐためにも使われました。このように古代から現代まで重宝されているハーブです。

クリスマスの魔除け、大晦日のお清め──民間伝承

西欧にはローズマリーを使った不思議な魔法が数多く残っています。強い香りによって災厄、病気から守護するとされ、魔除けに使われました。病気除けのお守りにはローズマリーとタイム、スミレ、サクラソウ、スイセンを花束にします。クリスマスに飾る魔除けにはヒイラギ、アイビー、月桂樹、ヤドリギと一緒にローズマリーを飾ると、健康と幸福のお守りに。大晦日には、クローブを詰めたオレンジとローズマリーの小枝を飾りつけしてお清めの魔法に。去りゆく1年を浄化し、新年を迎える組み合わせです。

昔、未来の夫を知る方法がありました。20歳にならない3人の少女で行うのが決まり。用意するものは、すりガラスの器にワイン、ラム酒、ジン、酢、水を混ぜた液にローズマリーの枝を浸けた薬酒。3人とも胸元に小枝をつけ、薬酒を3口すすり、口をきかずに同じベッドで休みます。その晩に見る夢がそれぞれの少女の未来を予言するといいます。ローズマリー材の小物も力があり、スプーンは病気除け、クシはハゲ防止など、日常でさまざまに役立ちます。

ローズマリーが家にひと鉢あれば、衣食住さまざまな場面で楽しめますね。

若返りのクッキー、チーズケーキ──家庭料理

寒い冬も花を咲かせるローズマリー。庭やベランダにひと鉢あるだけで、これからの季節も楽しませてくれますね。現代にローズマリーの魔法をよみがえらせてはいかがでしょうか。お菓子やデザートなら楽しく簡単にできますよ。葉の部分を細かく切って、クッキー生地に混ぜて焼くと、若返りのクッキーに。レアチーズケーキもおすすめです。ローズマリーの葉を濃いめに煮出し、材料に少し加えると、さわやかな香りに仕上がります。材料の目安は、クリームチーズ200g、生クリーム200g(泡立てる)、砂糖50g、レモン汁少々、ローズマリー・ティー大さじ1。これらを混ぜて、市販のタルト生地に流し、冷蔵庫で固めればできあがり。心も体も元気にするローズマリー、パーティーのデザートにも取り入れてみてください。

(参考文献)

  1. C.M.スキナー著,花の神話と伝説,八坂書房
  2. 春山行夫著,花ことば,平凡社
  3. 大槻真一郎,尾﨑由紀子共著,ハーブ学名語源事典,東京堂出版
  4. マーガレット・B.フリーマン著,西洋中世ハーブ事典,八坂書房

ウイルスと細胞の受容体結合の阻害、宿主の免疫力の刺激、宿主の酵素への作用によるウイルスの宿主細胞への侵入の阻止、SARS-CoV-2のRNA合成と複製の防止などのハーブの効果を研究。結果、ケルセチン、ウルソール酸、ケンフェロール、イソラムネチン、ルテオリン、グリセルヒジン、アピゲニンなど、数多くの植物化学物質が有効であることが判明。

Matricaria rectita(ジャーマンカモミール)の花の成分、アピゲニンは抗不安作用を有す る中枢神経系のベンゾジアゼピン受容体リガンドである。

covid-19の治療に最も効果的な植物のトップ3は、甘草の根(Glycyrrhiza glabra)、チコリの根(Cichorium intybus)、ハイビスカスの花(Hibiscus sabdariffa)。抗ウイルス植物の中には、オリーブの葉(Olea europaea)、ホワイトホアハウンド(Marrubium vulgare)、ブラッククミンシード(Nigella sativa)、ガーデンクレス(Lepidium sativum)、ジュデアンヨモギ(Artemisia Judaica)、グァバ(Psidium guajava)、キク(Glebionis coronaria)、マリヤムの花(Anastatica)など、3つの抗ウイルス標的をすべて標的とする化合物を含むものが数多くある

ルテオリン
抗アレルギー、抗炎症。ピーマン、セロリ、パセリ、シュンギクなど

ケルセチン
タマネギやブロッコリーなど、身近な野菜に豊富に含まれているポリフェノールの一種。 抗酸化作用、抗炎症作用、降圧作用など、さまざまな生理作用があることが報告されている。細胞内亜鉛を高く維持することでウイルスの複製を抑制するため、亜鉛欠乏は避ける必要がある。とはいえ亜鉛には細胞内に入りにくいという特性があり、この時に役立つのが「ケルセチン」。ケルセチンには殺ウイルス作用、抗炎症作用、抗酸化作用があると言われています。さらに注目すべき作用として、亜鉛を細胞内に運搬するサポートを行うことが挙げられる。そのため亜鉛とケルセチンを併用するのは絶妙であると言える。

「 イチョウ 」
【 学 名 】Ginkgo biloba
【 科 名 】イチョウ科
【使用部位】葉部
【主要成分】フラボノイド(クエルセチン、ケンフェロール)、フラボノイド配糖体、ギンコライド、ビロバリド、2重分子フラボン(アメントフラボン)、ギンコール酸
【 作 用 】PAF(血小板活性化因子)阻害、血管拡張
【 適 応 】認知症、耳鳴り、めまいなどの脳血管神経障害

「 ハイビスカス 」
【 学 名 】Hibiscus sabdariffa
【 科 名 】アオイ科
【使用部位】がく部
【主要成分】植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸)、アントシアニン(ヒビスシン)、粘液質(多糖類)、ペクチン、ミネラル(鉄、カリウム)
【 作 用 】代謝促進、消化機能亢進、緩下、利尿
【 適 応 】肉体疲労、眼精疲労、便秘、循環不良

「ローズヒップ」
【 学 名 】 Rosa canina L.
【 科 名 】 バラ科
【使用部位】 偽果
【主要成分】 ビタミンC、ペクチン、植物酸、カロテノイド、フラボノイド
【 作 用 】 ビタミンCの補給、緩下
【 適 応 】 ビタミンCの消耗時の補給

インフルエンザなどの予防、便秘
ビタミンA、E、B群、鉄分、亜鉛などの栄養素の他、ペクチン、フラボノイド、カロテノイド(リコピン、β-カロテン)などの抗酸化成分も豊富に含まれる。

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

※夫の血液検査の際にお世話になった姫野 友美先生(ひめのともみクリニック)のご紹介を受け、コロナ禍でのレシピ開発や学生さんへのアドバイスに役立てるため、オーソモレキュラー栄養医学研究所のオーソモレキュラーニュートリションエキスパート資格を取得しました。

国際版編集主幹 Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修 柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力 Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

パンデミックのリスクを下げるビタミンとミネラル: エビデンスの確立に向けて(5月26日)

はじめに

Covid-19のリスク低下を目的としたビタミンC、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛、セレンのプロトコルについては、今でも情報公開がかなり抑制されています[1]。こうした抑制は、たとえば、医学部で栄養学の勉強をしなかった医師や、壊血病のような明白な欠乏症の予防以外には栄養素の補給を奨励することがなかった政府機関によってずっと続いています。

こうしたプロトコルは、その有効性を示す無作為化二重盲検試験が実施されていないから有効ではない、と言われています。その種の試験がこれまで実施されなかったのは多くの理由によります。たとえば、一般の科学的手法では一度に1つの栄養素についてしか調べられない、栄養プロトコルの試験に使える資金が少ない(医療への資金提供はほとんど製薬会社が行っているため)、医学会の力関係などの理由が挙げられます[1]

栄養補給のプロトコルでも、正しい方法による試験を計画してプロトコルの有効性を調べれば、感染、入院、死亡の予防に役立つでしょう。安全性が知られている用量で効果があることが無作為化二重盲検試験によって示されれば、予防的な補給療法が当局の支持を得られる可能性があります。オーソモレキュラー医学の分野でそうした試験を計画できる方法とは? コロナウイルスが進化して新たな変異株が出現している状況でも、こうした試験が命を救う助けとなることに変わりはないでしょう。十分な必須栄養素濃度に着目した研究を正しい方法で計画すれば、他の様々な疾患のリスク低下について調べられる可能性もあります。

有効性

疾患の予防や回復において十分な用量での必須栄養素の摂取が重要であることは、臨床研究、事例史、ならびに何十年もの直接的経験からわかっています。世界でCOVID-19が大流行している今、このことを世に知らしめる必要があります。栄養療法は、完全な生物学的原理と、前世紀の間に蓄積された確証のある生化学的知見にしっかり根付いています。

たとえば、RDA(推奨1日摂取量)を超える十分な用量でのビタミンC摂取はウイルス感染症の予防のほか、感染症からの回復力の向上、その他多くの健康効果をもたらす可能性があることがわかっています[1-56]。COVID-19の感染によって重症肺炎が生じると、ビタミンC濃度が急激に下がって局所的な壊血病の状態に陥ることがあります[1-4]。ビタミンDは体内での様々なホルモン様シグナル伝達に不可欠であり、骨の健康を支える働きがあるだけでなく、免疫系の強化にも必要とされます。ビタミンDは、インフルエンザや風邪だけでなくCOVID-19をも含むウイルス感染症のリスク低下をもたらすことが様々な研究からわかっており、低ビタミンD濃度は病院での転帰悪化のリスク要因となることもわかっています[54-68]

マグネシウムは、体内で数百もの生化学的経路が正しく機能するために不可欠であり、こうした経路の中には、免疫系や、疾患からの回復におけるビタミンDの機能に関係したものも多くあります[69-73]。亜鉛とセレンは、炎症、感染症ならびに敗血症からの回復において重要であることがわかっています[55, 74, 75]。上記の必須栄養素をはじめ、健康に重要であることがわかっている栄養素をすべて含んだプロトコルが実現すれば、健康のサポートならびに疾患リスクの低下にて、さらに大きな相乗効果が得られる可能性が高いのです[7-9, 23-25, 58, 76]。

安全性

臨床上有効なビタミンとミネラルの用量はRDAより多いのですが、成人の圧倒的多数に安全であることがわかっています。ビタミンCを1日1,000~3,000 mg、数回に分けて摂っても安全であり、ほとんどの人にとって耐容量です[6,20]。ビタミンDは1日5,000~10,000 IUという量を摂っても安全です[58]

マグネシウムについては、重度の腎機能障害、房室ブロック、腸閉塞、重症筋無力症がある人でなければ、容易に吸収される形態のものを1日400~600 mg摂っても安全です[73]。亜鉛は1日20~50 mg、セレンは1日200 mcgという量を摂っても、ほとんどの人の場合、安全です。最低でもこうした用量の必須栄養素から成るプロトコルが実現すれば、ウイルス感染症の予防と好転に役立つ可能性があります。

実施方法

感染症のリスク低下における新薬候補の安全性と効果を調べるには無作為化二重盲検介入試験を行う必要があります[77]。しかし、必須栄養素から成る栄養プロトコルの試験はそれと異なる点がいくつかあります。第一に、誰にでもすべての必須栄養素が必要なため、我々の体にはすでに各栄養素がいくらか存在しています。したがって試験では、それぞれの既存濃度を考慮に入れ、それに応じて一人一人用量を調節する必要があります。濃度が十分な人は、介入投与量では欠乏症の人ほど大きなリスク低下は生じないので、大幅な改善はたぶん見られないでしょう。

また、必須栄養素は共生関係にあるため、最も有効なプロトコルとはいくつかの必須栄養素を含むものであり、(薬剤の場合のように)1つの栄養素について調べるような試験では全面的な効果の大半を見落とすことになります。よって、試験に含めるすべての栄養素の用量を変えて組合せをテストしなければなりません。また、食事や特定のサプリメント摂取プロトコルによる栄養素の吸収状態は、生活習慣、年齢、通常の食事、遺伝的要素など様々な理由で人によって異なる場合があるため、試験では、ビタミンとミネラルのプロトコルを受ける前、ならびに受けた結果としての栄養素濃度を個人ごとに測定する必要があります[78,79]

第二に、無作為化二重盲検法以外の方法による必須栄養素研究(環境・疫学研究など)の多くは観察に基づくものです。こうした研究は介入療法を伴いませんが、リスクに影響しかねない他の要因を考慮に入れながら、食事で摂る必須栄養素の効果を慎重に調べています。観察研究なら、ある栄養素が存在する特定の環境に住んでいることとリスク低下との関連(たとえばビタミンD濃度が概して高い赤道直下の多日照地域に住んでいることの効果など)を見極めることができます。多くの場合、観察研究のほうが規模や多様性が大きく、含まれる人の数も環境や国の種類も多いのですが、何の療法も施されず因果関係を突き止めることができないため、一般には治療法の有効性を調べる有効な試験とは見なされていません。

しかし、観察研究では、観察された効果について既知の生化学的知見にもとづいて原因を推定することも可能です。たとえば、ビタミンCとビタミンDはどちらも免疫系に不可欠であることがわかっているので、観察研究による「十分な用量でのビタミンCとビタミンDの摂取は感染症のリスク低下と回復力の改善をもたらす可能性がある」という結果は正しいことがわかります。

また、重症肺炎や敗血症の患者にビタミンC、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛、セレンの欠乏が見られることを示す研究の裏付けもこうした知見によって可能です[1-75]。さらに、観察研究から広まった関連する科学的知見が無作為化二重盲検試験に適用される場合もあります。たとえば、観察研究から収集された予備知識にもとづいて、無作為化比較試験(RCT)に含めるグループを特定することも考えられ、本質として、広範な観察研究でわかった関連性が偶発的なものか、因果関係があるのか試験で調べることになります。

倫理上の問題

もう一つ、必須栄養素の試験と薬剤の試験との重要な違いとして、必須栄養素は不可欠であることがわかっているため試験中に人が栄養不足で倒れるのを見越すことは倫理に反します。よって、過去の研究で示されている必須栄養素のいかなる効用も考慮に入れなければなりません。たとえば、必須栄養素の効果を調べるRCTでは、対照群には少なくとも最小1日摂取量の必須栄養素を通常の食事やサプリメントで摂れるよう与えなければなりません。それが不可欠であることがわかっているからです。

一方、栄養素濃度の検査後に、最大用量を与えられない対照群に盲検法で割り当てられることを各個人が原則として許可する場合も考えられます。しかし、最適な栄養素濃度の知識を自ら得ている人なら、栄養素濃度が低いほうのグループに割り当てられかねない試験には参加したくないでしょう。よって、用量の割り当てを行わず、単に濃度を測定する観察研究が最も倫理的と考えることもできます。対照群と処置群を分ける場合は厳密な設定方法と投与する用量を慎重に検討する必要があります。

他の疾患について

優良な栄養摂取が健康を増進することは広く知られているため、栄養プロトコルによる感染症予防効果を調べる研究を当初の意図を超えて拡大適用し、役立てることができるかもしれません。たとえば、12カ月以上継続して実施すれば、老化や体格指数、食事との関連が見られている様々な進行性疾患のリスク低下に必要な用量を確かめられる可能性があります。必須栄養素の用量は少量でも効果があることはわかっていますが、様々な用量を用いた介入試験の延長として、十分で安全な用量の増加に伴う循環器疾患・糖尿病・ガンのリスク低下の可能性について調べられるかもしれません。

試験に求められること:
  1. 感染リスク、入院の必要性、死亡リスクの低下を目的とした投与(つまり介入)のパラダイム(枠組み)を用いてプロトコルの有効性を調べること。これは、ワクチン接種、対人距離の確保、マスクの着用など、他の予防形態とも両立可能です。
  2. 数種類の用量の組み合わせを用いるとともに、プラセボ対照群も設けた無作為化二重盲検比較試験であること。
  3. 試験開始前の各グループにおける既存のビタミン・ミネラル濃度を測定し考慮に入れること。
  4. 継続期間は、試験開始時のビタミン・ミネラル欠乏が軽減される可能性がある十分な期間、できれば6~12カ月以上とすること。特に、ビタミンDとマグネシウムについて、欠乏症の人は数カ月間補給を続けないと十分な濃度に達しない場合があることがわかっています。
  5. 統計的有意性を示すことができる十分な被験者数とすること。
  6. 疾患に関する状態が異なる複数のグループを含めること。疾患の症状がなく優良な健康状態の人と、種々のリスク要因があることがわかっている人をグループ分けする。たとえば、高齢者や肥満者から成るグループ、症状がある人のグループ、入院している人のグループなど。
  7. 民族や国、地理的地域、気候などが異なる数種類の集団をグループ分けして調べること。
  8. Covid-19のワクチン接種が済んでいないグループを含めること。
  9. コロナウイルスの変異株別の感染率をチェックすること。

準備方法

大規模な臨床試験は概して多額の費用がかかりますが、この試験はいくつかの小グループ(たとえば数百人から成るグループ)で開始できると思われます。資金は、統合医学やオーソモレキュラー医学の団体が設営して公表する一般向けのオンラインファンディング活動で集められる場合もあります[25, 80-83など]。栄養学に詳しく、過去の研究関与による経験を持つ医学研究者たちの独立したグループに試験方法のチェックと検証を依頼するという方法もあります。

被験者のエントリー時に医療専門家が健康状態をチェックすることにより、既存の栄養素濃度を調べるとともに、リスク要因や潜在的な疾患がないか確認する必要があります。ネット上のウェブサイトや電話、Eメールによるホットラインを使えば、用量や合併症に関する質問の回答に必要なサポートも得られます。統合医学とオーソモレキュラー医学の分野の科学者と医師から成る小委員会がアウトリーチプログラムを実施して試験の宣伝を行い、試験への登録と資金提供を促す方法も考えられます。ウェブサイトから資金を寄付して研究支援を行った人がその後(試験グループの1カテゴリーとして)参加することを認めるという方法も考えられます。

結論

ビタミンとミネラルのプロトコルが広く用いられれば、ウイルス感染症と肺炎のリスクが下がる可能性があり、パンデミックを食い止める一助となるかもしれません。これは世界規模で多大な健康増進をもたらすと考えられます。このプロトコルは安全なものであり、新薬の有効性や安全性を確認する場合のような臨床試験も必要ありません。それでも、無作為化二重盲検比較臨床試験は不可欠なようです – 栄養療法に関するしつこい疑念を払うだけの目的で、この種の栄養療法の試験を計画して資金を調達するための堅実な計画があれば、ウイルス感染症を含む様々な疾患と闘う上での有効性を調べる試験を始めることができます。

国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>転載ここまで

新型コロナウイルス感染症によって関心が高まった栄養補助食品は?(食品医学研究所)

2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(Pandemic)によって世界中の人々の関心が高まった栄養補助食品(DSs; Dietary Supplements)には、どのようなものがあるのか調べてみました。ポーランドのワルシャワ生命科学大学が行った世界中で使われているGoogle検索のトレンド調査(2020)によると、ビタミンではCとD、ミネラルでは亜鉛、健康食品ではショウガやニンニクやウコンといったスパイスによる免疫増強(調節)能が期待できるものに関心と使用の増加が見られました。特に、COVID-19の世界的大流行が始まってから消費量が増加したDSsは、①ショウガ(33%)、②ハチミツ(33%)、③レモン(32%)などでした。このように、COVID-19が猛威を振るっている環境下で世界中の人々が最も関心を持っているのがショウガであることが分かりました。

では、ショウガにはどのような健康効果があるのでしょうか?中国の中山大学の総説(2019)によると、に示すようにショウガに含まれるジンゲロールやショウガオールというフェノール酸には、①抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用、②抗酸化作用、③抗炎症作用、④抗がん(細胞毒性)作用、⑤神経保護作用、⑥心血管保護作用、⑦呼吸保護作用、⑧抗肥満作用、⑨抗糖尿病作用、⑩抗うつ作用、⑪制吐作用などの生物学的活性があるそうです。このほかに、加熱乾燥すると増えるショウガオールは特に、心拍出量や腹部(腸間膜)の血流量を増やして体の芯から温める働きがあるため、冷え性の人には生ではなく加熱乾燥したショウガがおすすめです。

生姜
効能の中心はショウガオールという体を温めてくれる成分と、ジンゲロールという免疫調整力を高める成分。前者は、血流改善効果があり、血行を良くして体温を高め、脂肪や糖の代謝を促進させる作用がある。そして、後者は、免疫細胞である白血球を増やして免疫調整力を高める。つまり、風邪やインフルエンザのウイルスに対し、感染源である鼻粘膜、口腔粘膜、眼瞼結膜などにおいて抗体産生能を増し、水際で感染を防止することができる。胃の弱い人は、生姜のような刺激のある食物を避ける傾向があるが、これはまったく誤解で、胃の弱い方ほど生姜を摂る方が良いことがわかってきている。生姜は、胃腸の内壁の血行を良くして、胃腸の働きを活発にし、食べ物の消化吸収を高めるから。また、生姜は、ジンジベインというたんぱく質分解酵素を含んでいて、これが胃腸の負担を軽くするので胃腸の消化を更に助ける。

にんにく
人類がガーリックを食糧として、また薬剤として用いた歴史はエジプトのファラオの時代まで逆のぼる。ピラミッドの建設に従事させられた奴隷にはスタミナ源としてガーリックが与えられたことが記録に残される。その後、ガーリックは古代ギリシア・ローマを経てヨーロッパ全土に広がり、またイスラムから中国、インドへと東方にも伝えられ、アーユルヴェーダや神農本草経にもガーリックの記述が見られる。ガーリックの効能は循環器の病気の予防と強力な抗菌作用や抗酸化作用にまとめることができる。ガーリックはそのままでは無臭、砕くと特有の刺激臭を発する。これは組織中の無臭の含硫アミノ酸であるアリイン(Alliin)が酵素のアリナーゼ(Allinase)の作用を受けて刺激臭のあるアリシン(Allicin)に変化するため。1990年に米国国立がん研究所(NCI)が実施したデザイナーフーズプログラムではがん予防効果が期待される食物としてガーリックがキャベツなどと共に選ばれた。風邪や酵母菌などによる感染を再発しやすい人には生のガーリック料理がおすすめ。

新型コロナウイルスに対して抗ウイルス活性があるお勧めの食品は?(食品医学研究所)

その食品として、食品医学研究所長がおすすめするのは、「緑茶」、「紅茶」、そして「ハチミツ」の3つです。ドイツのポール・エールリッヒ研究所での試験管内実験(2021)で、緑茶の主成分であるポリフェノールのエピガロカテキンガレート(EGCG)が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のヒト細胞内への侵入を阻止することが分かりました。できれば、ウイルスが鼻や口などの粘膜に触れる前にEGCGを摂っておくと、効果が高くなります。

インドの化学技術研究所の総説(2021)によれば、EGCGは特にSARS-CoV-2のようなエンベロープ(脂質二重膜)を有する一本鎖プラス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスに対して抗ウイルス活性が高いそうです。そして、これまでにインフルエンザウイルスA/H1N1とB、HIV、ロタウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス、ジカウイルス、ウエストナイルウイルス、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス、デングウイルスなどの一本鎖RNAウイルスに対して抗ウイルス活性が明らかになっています。紅茶に多く含まれるポリフェノールのテアフラビン(TF)もSARS-CoV-2のような一本鎖プラス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスに対して抗ウイルス活性が高いそうです。そして、これまでにタバコモザイクウイルス、ロタウイルス、コロナウイルス、HIV、インフルエンザAとB、シンドビスウイルス、カリシウイルス、C型肝炎ウイルスなどの一本鎖RNAに対して抗ウイルス活性が明らかになっています。

右図に示すように、緑茶のEGCGや紅茶のTFTF3(テアフラビンジガレート)はSARS-CoV-2がヒト細胞内へ侵入・感染する際に様々な部位(過程)で抗ウイルス活性を示すため、COVID-19の予防には緑茶と紅茶の両方を摂取することがポイントです。緑茶や紅茶は粉末にしたものを飲むと茶ポリフェノールが多く摂れるのでお勧めです。

ハチミツについては、マレーシアのマレーシアサインズ大学の総説(2020)によると、ハチミツには抗ウイルス活性と免疫増強能というWの効果が期待でき、コンピュータを用いたインシリコ(in silico)創薬研究で、ガランギン、クリシンといったフラボノイドカフェ酸(コーヒー酸)、カフェイン酸フェネチルエステル(CAPE)などのフェノール酸にはSARS-CoV-2の複製に重要な役割を果たす3-キモトリプシン様プロテアーゼ(3CLpro)という酵素の働きを阻害するという抗ウイルス活性があることが分かりました。また、ハチミツには抗酸化作用や抗炎症作用があり、サイトカインストームを引き起こす炎症性サイトカインの過剰な産生を調節するという免疫増強(調節)能もあります。さらに、ハチミツに含まれるヘスペリジンやロスマリン酸といったフラボノイドがSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)と結合して中和し、ヒト細胞側のタンパク質受容体(ACE2)への接着を阻止する可能性があります。つまり、ハチミツを摂取することは、SARS-CoV-2に対す直接的な抗ウイルス効果と免疫応答が高まるように調節する間接効果が期待できます。


ブラジルのミナスジェライス連邦大学の報告(2021)によれば、右表に示すように、エジプト、パキスタン、ブラジルにおいて、COVID-19に対するハチミツやプロポリスの治験が行われています。なお、カフェイン酸フェネチルエステル(CAPE)はプロポリスの有効成分であり、マヌカハニーに含まれるメチルグリオキサール(MGO)やローヤルゼリー特有の脂肪酸である10-ヒドロキシ-2-デセン酸(10-HAD)にも抗ウイルス活性が認められています。非加熱(45℃以下)の生ハチミツではグルコースオキシダーゼという酵素の働きで過酸化水素(H2O2)を生成してウイルスを不活化する効果も加わります。ただし、ハチミツやハチミツ関連食品を一日にどれくらい摂れば効果があるかという研究報告はまだありませんので、あくまで予防の可能性があるというところです。ハチミツには異性化液糖や水飴などが混ざっているものがあり、そのようはハチミツには抗ウイルス活性のあるポリフェノールやフェノール酸があまり含まれていないおそれがあるので注意が必要です。

緑茶」、「紅茶」、「ハチミツ」はSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性が期待できるため、多くの人が栄養補助食品として日々、摂取し続けることが望ましいと思います。摂取法としては、一度に摂るのではなく、マイボトルなどに熱湯と、緑茶と紅茶のティーバッグかまたは粉末を入れ、お好みによってハチミツも少量加えて、それを時々、チョビチョビ飲んで常に口内に保持しておくと、SARS-CoV-2の侵入を効果的に防ぐことができるとともに、メタボ予防効果や口内衛生(虫歯・歯周病・口内炎の予防)にも役立ちます。

エピガロカテキンガレートの抗ウイルス効果を高める分子設計戦略

https://www.taiyokagaku.com/lab/column/35/


研究の背景と目的
緑茶の主成分であるカテキンは種々の生理活性を持つ。その一つとしてカテキンが免疫系に抑制的に作用するとの報告がいくつかなされているが、その分子レベルの作用機序の詳細は未だ明らかではない。そこで本研究ではカテキンの持つ抗炎症効果の機序の解明を目的とし、緑茶カテキンの主な成分であるEpigallocatechin Gallate (EGCG)及びEpicatechin Gallate (ECG)がTリンパ球に対して及ぼす影響を検討した。

http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=120353

Withコロナ ファイブ・アミノ・レブリン酸(5-ALA)/ 長崎大学が発表

https://www.youtube.com/watch?v=l1vAPjf8yjs
長崎大学は2021年2月8日夜、国際誌に掲載された論文でサプリメントとしても市販されている「5-アミノレブリン酸」が、新型コロナウイルスの増殖を100%阻害するとの研究結果を発表しました。タイトルは「5-アミノレブリン酸が新型コロナウイルス感染を阻害」。※掲載情報は下記。国際誌:Biochemical and Biophysical Research Communications 論文:『5-amino levulinic acid inhibits SARS-CoV-2 infectionin vitro』はコチラ長崎大学の北潔教授のチームが試験管内で一定量以上の「5-アミノレブリン酸」を投与すると、ウイルスの増殖が抑制されることを確認。「おそらく効くだろうとは思ってましたけど、ある一定の濃度以上だと本当に100%、増殖を阻害する」(長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 北潔教授)


「5-アミノレブリン酸」とは?

通称「5-ALA」と呼ばれている天然のアミノ酸。日本酒や納豆などの発酵食品に多く含まれる。ヒトや動物、それに植物など、あらゆる生命体の細胞の中で作り出されるもので、「生命の根源物質」とも呼ばれる。「5-ALA」は、レバーなどに多く含まれるヘムや緑黄色野菜に含まれるクロロフィルが生成する前の段階の物質であるため、多くの食品に含まれるが、特に発酵食品に多く含まれる。磨き上げた酒米と鉄分の少ない水で醸された日本酒では、糖分をアルコールに変える働きを持つ酵母の育成のためにヘムが不足し、代償効果として「5-ALA」が 過剰生産されるため、含量が高いと推定されている。(参考:生物工学 第95巻 第9号『臨床試験に基づいた5-アミノレブリン酸 リン酸塩含有機能性表示食品の開発』(2017))2月4日からは人への臨床試験も始まっており、新型コロナ患者への治療や予防にも活用されることが期待される。

○新型コロナウイルス受容体 ACE2 と同じ機能を持つ 微生物酵素 B38-CAP を発見 。ACE2 は新型コロナウイルスの受容体であることが報告。B38-CAP には ACE2 同様、新型コロナウイルス感染症の重症化阻止効果のあることが期待される

https://www.nibiohn.go.jp/information/nihn/files/1357b762d7f34ea208f5da87d30ccb34e283dba4.pdf

○九州大学により海藻成分によるACE2とスパイクたんぱく質(新型コロナウイルス由来)の結合阻害を確認

https://www.google.co.jp/amp/s/kyodonewsprwire.jp/release/202102191238/amp

九州大学によりHORIUCHI(ホリウチ)フコイダンによるACE2とウイルススパイクタンパク質(新型コロナウイルス由来)の結合阻害活性を確認

新型コロナウイルスやSARSウイルスがヒトの細胞内に侵入する際、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)が足掛かりとなる。このACE2にウイルスのスパイクタンパク質が結合することを阻害することができればウイルスはヒト細胞内に進入することができないため、新型コロナウイルスに対する予防効果が期待できる。。

資料提供:九州大学
本来、フコイダンとは高分子多糖類であるが、HORIUCHI L-FUOIDANとは同社がもつ独自技術により分子量を500以下に分解した、低分子化フコイダンと呼ばれるものである。実験方法としては、ACE2とコロナウイルスのスパイクタンパク質が入ったキットを使用し、そこにフコイダン水溶液を添加することで、フコイダンがACE2とウイルスのスパイクタンパク質の結合を阻害するかを評価した。その結果、L-FUCOIDAN 1.15mg/mLの濃度で約100%のACE2-ウイルススパイクタンパク質の結合阻害活性を示した(下表左側)。一方、高分子であるH-フコイダンは、試験した全ての濃度域で約20~30%の結合阻害活性を示したものの、L-FUCOIDAN程の阻害活性は見られなかった(下表右側)。このことから、HORIUCHI L-FUCOIDANには、新型コロナウイルスの予防効果が期待できると示唆される。

資料提供;九州大学

個人メモ ACE2阻害効果の可能性

 

※ACE受容体が変換してACE2受容体になるが、この変換を阻害することにより感染を防ぐ可能性が示唆されている。このACE受容体の変換を阻害することにより高血圧を防ぐ食品が、特定保健食品(トクホ)として認められている。

仮説
人間の体細胞表面にあるACE2酵素蛋白質は人間の血圧調整に必須の酵素。日本人が遺伝的に多く持ち、脳、臓器、肺、生殖器などほとんどすべての細胞に存在。この働きが活性化すると高血圧になるため日本人は高血圧になりやすい。従って高血圧の防衛策としてはACE2の働きを抑える食材か薬で対処。コロナウィルスが感染侵入する際、ウィルスのスパイク蛋白質を用いてこのACE2酵素をターゲットにする。何らかの形でACE2の働きを食材か薬でブロックしてウィルスの侵入を防御すれば良いのではないか。高血圧になりやすい理由とコロナウィルスに感染しやすい理由がほとんど同一と考えられることから、高血圧を防ぐような食材や薬もコロナウィルス感染の防御に働くと予想。高血圧に酸乳、イワシ、カツオ節、ワカメ、ノリ、ゴマ、カゼイン、ローヤルゼリー、ブナハリ茸、醤油(大豆)などが効果があるのであれば、同様にコロナウィルスの侵入阻止にも効果が期待できるのではないか?腸内には体内の免疫細胞の7割が集中。この腸内の免疫細胞を活性化させることが様々な病原体と戦う免疫力の向上につながると考えられる。

※味噌は熟成して発酵させるほど大豆タンパクと味噌成分中にACE2阻害ペプチド(高血圧防止ペプチド)を産生。(ワカメ味噌汁、玄米、緑茶カテキン○)①緑茶などのお茶を毎日4〜5杯②日光浴 15分程度(日光浴によりビタミンDが活性化。鮭、鰯などの魚からも摂取+Dを活性化するマグネシウム)③グルタチオンを多く含むアボカドや枝豆○④玉ねぎ、ブロッコリー、リンゴを摂取(亜鉛の吸収に関わるケルセチン。炎症を抑制しサイトカインストームも抑制)⑤運動(リンパ管を流れる免疫細胞が、運動によって全身に流れ、肺炎や感染重症化を低減)⑥睡眠(睡眠中の免疫力活性)⑦オメガ3

ACE受容体関連 再度纏め

メモ
トランプ大統領新型コロナウィルス感染時の治療:抗体カクテル療法(カシリビマブ、イムデビマブ)+ビタミンDと亜鉛(自分の力で免疫力を上げウィルスが増えるのを防ぐ)ファモチジシン(胃薬)メラトニン(コロナウイルスの最も深刻な症例における過剰な免疫反応に関与していることがしられている炎症アソーム、NLRP3の作用を阻害することが分かっている。高齢者が若年者よりもCOVID-19の影響を受けやすい理由の一つとして、加齢によるメラトニン産生の低下が提唱されている)アスピリン、抗ウィルス薬のレムデシビルとステロイド薬のデキサメサゾンの経口投与。ビタミンD:免疫力を上げサイトカインストームを防ぐ。亜鉛:新型コロナが侵入した細胞の中で自己複製による増殖を抑える。ビタミンC、ビタミンD、亜鉛+クロロキンで迅速に細胞内に届ける、亜鉛をケルセチンで吸収させる。(ケルセチンとエピガロカテキン(ガレート)の亜鉛イオノフォア作用)セレン、マグネシウム、カテキン、オメガ3、クルクミン)

※イベルメクチン(日本の大村智博士が発見)

以下、国際オーソモレキュラー より転載

今回は、救命救急医学の専門家集団が提唱した2つの新型コロナ予防および治療プロトコル『MATH+』と『I-MASK』の内容をご紹介いたします。また、『I-MASK』プロトコルで用いられるイベルメクチンは、各国の研究結果から新型コロナウイルスに有効である可能性が考えられています。本稿では、このイベルメクチンについて、2ヶ国の研究結果の概要と主な作用についてもお話ししてします。

救命救急の専門家が提唱した新型コロナ治療プロトコル

新型コロナウイルスパンデミックが米国を襲ったのは、2020年3月のことでした。ポール・マリク教授(救急医学の専門家でイースターン・バージニア大学の救命救急医療部)やピエール・コリー部長(ニューヨークのベス・イスラエル病院)が中心となり、「新型コロナウイルスから人々の命を救い、パンデミックを抑える」ための救命救急医学専門家集団『FLCCCアライアンス(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)』を立ち上げました。

<写真>ポール・マリック教授(イースターン・バージニア大学)

FLCCCは、新型コロナ入院患者に向けた治療プロトコル『MATH+』を提唱しました。このプロトコルは、これまでの臨床経験と科学的エビデンスに基づいて作成されており、軽症者から重篤患者までをカバーしています。プロトコルのメインとなる治療薬は以下の4つです。

  1. メチルプレドニゾロン
  2. アスコルビン酸(ビタミンC)
  3. チアミン(ビタミンB1)
  4. ヘパリン

『MATH+』という名称は、これら4つの治療薬「Methyl-prednisolone」「Vitamin C」 「Thiamine」「Heparin」の頭文字に加え、ビタミンD・亜鉛・メラトニンといった補完治療を「+」として組み合わせたものです。

この治療プロトコルにおいて注目すべきは、従来の薬剤一辺倒の治療とは異なり、治療のコアにビタミンや亜鉛などを追加した点にあります。

新たなプログラム『I-MASK+』とは?

2020年10月、FLCCCは『MATH+』に続き、新しいプログラムを提唱しました。新プログラムの名称は『I-MASK+』と名付けられました。『MATH+』が入院患者に向けた治療プロトコルであるのに対し、『I-MASK+』は新型コロナ予防および感染初期の外来プロトコルとして作成されているのが特徴です。著者らは『I-MASK+』について、「今後の新型コロナパンデミックに対応するための戦略として、より大きな意味を持つだろう」と考えています。

なお、『I-MASK』はイベルメクチン※1 の“I”にマスク(MASK)を付け加えたもので、「マスク・手洗い・三密の回避」を指しています。「+」に関しては、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛・メラトニン・ケルセチンの投与を意味し、オーソモレキュラー医学的治療を組み合わせています。

※1:副作用が比較的少ないことで知られる寄生虫薬。

I-MASK+』の詳細

<表>新型コロナウイルスに対する「I-MASK+」プロトコル

表に記載したプロトコルの対象者は、以下の通りです。

1.病院・関連施設において新型コロナ感染者と接している医療従事者
2.新型コロナに感染した患者の濃厚接触者

イベルメクチンの投与法は、対象者が置かれている状況によって変わります。また、ビタミンC・ビタミンD・ケルセチン・亜鉛・メラトニンについては、以下の作用を期待してイベルメクチンとの併用を行います。

①炎症および酸化の抑制
②殺ウイルス作用
③自然免疫の維持
④ウイルス複製の抑制
⑤ウイルス変異の抑制

細胞内亜鉛を高く維持することでウイルスの複製を抑制するため、亜鉛欠乏は避ける必要があります。とはいえ亜鉛には細胞内に入りにくいという特性があります。この時に役立つのが「ケルセチン」です。

亜鉛と比べると、ケルセチンにあまり馴染みのない方もいるかもしれませんが、ケルセチンには殺ウイルス作用、抗炎症作用、抗酸化作用があると言われています。さらに注目すべき作用として、亜鉛を細胞内に運搬するサポートを行うことが挙げられます。そのため、このプロトコルのように亜鉛とケルセチンを併用するのは絶妙であると言えるでしょう。

なお、外来初期治療プロトコルは「確かに感染はしているものの症状自体は軽い自宅療養者に適用され、イベルメクチンと他栄養素の摂取量は増量されます。また、自宅での病状の把握および進行した場合の早期発見のために、パルスオキシメーターを用いたセルフチェックが含まれています。

新型コロナウイルスとイベルメクチン

前述の『I-MASK+』で治療薬として使用されている「イベルメクチン」について、少しだけ付け加えてお話ししたいと思います。イベルメクチンを発見したのは、北里大学特別栄誉教授の大村 智先生です。マクロライド系の抗生物質であるイベルメクチンには抗ウイルス活性と抗炎症作用があり、世界中で新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの効果を見極めるための臨床試験が行われています。

その数はすでに86研究となっており、実施国数としては27カ国にのぼります。これらのうち結果が公表されているのは18研究で、多くの研究においては新型コロナの予防および治療に有効であると結論付けられています。

イベルメクチンを用いた2つの研究

新型コロナとイベルメクチンに関する研究の中から、インドとペルーで行われた研究の概要をご紹介します。

<インドで行われた研究の概要>

インド国内の病院において、イベルメクチンを投与された医療従事者と投与されなかった医療従事者を比較したところ、投与された人々の感染率は低下しました。さらに、イベルメクチンを投与された患者の死亡率は有意に改善しています。

<ペルーで行われた研究の概要>

ペルーではイベルメクチンが配布された各州において新型コロナ感染者数が激減した一方、配布が遅れたリマ州では感染者が急増しました。しかしながら、ペルー国内での国民へのイベルメクチン配布という試みは、大統領交代による混乱の中で中断されました。その結果、各地の感染者数は増加したのです。

新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの「5つの作用」

イベルメクチンについて、期待される主な作用は以下の5つとなります。

(1) ウイルスの複製を阻害し、感染細胞培養において48時間でほぼすべてのウイルス物質が消失する。

(2) 感染者の家庭内感染の伝播と発症を防ぐ可能性がある。

(3) 症状が出始めてから初期・早期の治療を行うことで軽症〜中等症患者の回復を早め、悪化を防ぐ可能性がある。

(4)入院患者の回復を早め、ICU入室および死亡を回避させる可能性がある。

(5)地域住民に配布することで致死率が大幅に低下する可能性がある。

最後に

新型コロナ対策としてのイベルメクチンの使用については、2021年2月9日に行われた東京都医師会定例記者会見の中で、尾﨑治夫会長も国に対して認めてほしいと訴えていました。

イベルメクチンは寄生虫薬としての認可しか得ていないため、現時点では健康保険の適用外処方となります。各国の研究によりエビデンスが示されているものの、医師が新型コロナウイルス患者に使用しにくいのが現状です。今後、医師がイベルメクチンの投与をさらに行いやすい環境が整うことを望みます。


<参考文献>

東大病院のグループが行うアビガンとフサンの併用療法では有効性を示唆する結果が発表。同グループは重症のCOVID-19患者11例を対象にアビガンとフサンの併用療法を実施したところ、10例で臨床症状の軽快が見られたとしている。また併用効果だけでなくフサン単独の効果も考えられるとし、同グループは「今後の臨床研究の必要性を示唆する結果となった」とコメント。肺炎を発症した重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象に「フサン」(一般名:ナファモスタットメシル酸塩)と「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の併用療法の観察研究を行っている東大病院のグループは7月6日、患者11例中10例で臨床症状の軽快が見られたとする研究成果を発表した。研究成果は7月3日、「Critical Care」オンライン版に掲載された(筆頭著者は土井研人救命救急センター・ER准教授)。抗ウイルス薬アビガンは、RNAポリメラーゼを抑制することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の細胞内での増殖を抑制、抗凝固薬フサンは、SARS-CoV-2が細胞へ侵入する過程を阻止する可能性があるとされており、いずれもCOVID-19治療薬候補として注目されている。フサンとアビガンは、ウイルスの増殖過程における作用部位が異なることから、併用による相加的な効果が期待されている。

■11例中10例が軽快、人工呼吸器不要に
東大病院の観察研究では、肺炎を発症し集中治療室(ICU)での治療を必要とした重症のCOVID-19患者11例(4月6~21日に入院、男性10例・女性1例、中央値68歳)を対象に、フサンとアビガンの併用療法を実施。臨床症状の軽快が見られた10例は、人工呼吸器使用が7例、うち3例はECMOを必要としていたが、平均16日で人工呼吸器が不要になったという。東大病院のグループは、海外の治療成績と比較して良好な経過をたどっていることから、フサンとアビガン併用の有効性を示唆するものと評価。フサンとアビガンの併用効果だけでなく、フサン単独の効果も考えられるとし、「今後の臨床研究の必要性を示唆する結果となった」とコメントしている。

日本で承認されている治療薬の1つ、米ギリアドが製造するレムデシベルは昨年5月、厚労省が重症患者を対象に特例承認し、今年1月からは中等症の患者にも使用できるようになった。ただ、供給量に制約があるとの理由で、日本では厚労省が配分を決める仕組みにで、使用の際には使用の際には申請書を出すことになっている。一部の関係者の間では、機動的な使用に向けたシステムの改善を望む声もあるようだ。また、駆虫薬のイベルメクチンは新型コロナ用の適応追加を目指した医師主導治験を北里大が行っており、ヒト免疫不全ウイルス(HIⅤ)の感染症治療薬として承認されているネルフィナビルは、長崎大を中心に医師主導治験が行われている。こうした治療薬を厚労省の判断で使用できるように菅首相や政権幹部が、専門家の意見を聞きつつ、政治的な判断を下す時が来たのではないか。

http://www.catechin-society.com/iroha.html

http://www.catechin-society.com/iroha.html

 
イソフラボン…大豆、きなこ
ケルセチン…たまねぎ、りんご、エシャロット
カテキン…緑茶、抹茶、小豆、ココア
アントシアニン…赤ワイン、ブルーベリー、黒豆
セサミン…ごま
テアフラビン…紅茶
ヘスペリジン…柚子、温州ミカン、レモン
ルテオリン…ピーマン、春菊、セロリ
ナリンギン…グレープフルーツ、はっさくタンニン…れんこん、お茶成分メモ
 
1. エピガロカテキンガレート (緑茶)
2. クルクミン (ウコン)
3. アピゲニン (パセリ、セロリ、グァバ)
4. ベータグルカン (きのこ類、最も多いのは、ハナビラタケ)
5. ミリセチン (クルミ、ブドウ、ベリー類)
6. ケルセチン (たまねぎ、そば、りんご)
7. ピペリン (黒コショウ)
8. ゲニステイン (大豆)
9. ダイゼイン(大豆)
10. フェルラ酸 (コメ、大麦、小麦)
11. アリイン (ニンニク)
12. リポ酸 (牛・豚のレバー、腎臓、心臓)
13. レスベラトロール (ぶどう、赤ワイン)
14. グルコサミン (カニ、エビ)
15. ジンゲロール (生姜)
16. スルフォラファン (ブロッコリー)
17. アリシン (ニンニク、玉ネギ)
18. レムデシビル (抗ウイルス薬)
19. クロロキン (抗ウイルス薬)
 

※エピガロカテキンガレートは緑茶にしか含まれていない。約80℃で抽出しやすい。βグルカンは酵母、キノコ、その他の食品の壁に見られる天然の多糖類であり、呼吸器ウイルスに対する強力な免疫増強特性を備える。

枝豆(枝豆に含まれる2-アミノ酪酸がグルタチオン濃度を高める)アボカド、キウイ、レバーなどに豊富なグルタチオン(グルタミン酸、グリシン、システインの3つのアミノ酸から出来ている)は、呼吸困難つながる「サイトカインストーム」として知られるコロナウイルスに対する免疫系の過剰反応を鎮めるのに役立つ可能性がある。最近の症例報告では、COVID-19とライム病(重複感染)の病歴を持つ2人の患者が2グラムの静脈内グルタチオンで治療され「使用後1時間以内に呼吸困難[息切れ]が改善された」ことがわかった。ロシア紙はグルタチオンの欠乏がCOVID-19の患者で「深刻な症状や死亡の原因として最も可能性が高い」であってもよいと主張している。

https://www.jafra.gr.jp/food-02.html

mRNA関連メモ

ヨウ素
海藻、ひじき、わかめ、のり、昆布など(必須ミネラルであるヨウ素は、成長と発達、損傷した細胞の修復、健康な代謝のサポートなど、体内の多くの機能を制御する甲状腺ホルモンを作るために甲状腺によって使用される。ヨウ素は、有毒な化合物を無害化し、mRNAの減衰率を大幅に高めるためにも使用できる。食事中のヨウ素は、甲状腺の機能を保護するヨウ化ナトリウム/ヨウ化物(NIS)共輸送体の調節を通じて自身の吸収を制御)

亜鉛
牡蠣、豚レバー、牛もも赤肉、鳥もも肉、抹茶、パルメザンチーズ、高野豆腐、納豆、卵、アーモンド、ピーナッツ(亜鉛は、体がタンパク質やDNAを作ることを可能にし、創傷治癒に貢献し、子供の成長と発達に役割を果たす。抗酸化作用があり、細胞性免疫機能に重要な役割を果たし、サイトカインのmRNAレベルを調節。また癌細胞の遺伝子転写を調節することが示される。更に、亜鉛はmRNAの発現と、mRNAの成熟と安定性に必要な主要な酵素とタンパク質を大きくに下降抑制)

ケセルチン
玉ねぎの皮、玉ねぎ、ピーマン、サニーレタス、アスパラガス、緑茶など(ケルセチンは、人間と動物の両方に複数の健康上の利点が証明されているフラボノイドであり、多数の生物学的活性を示す。ケルセチンで処理された好中球は、さまざまな炎症誘発性遺伝子のmRNA発現の顕著な抑制を示す。マイクロRNA(miRNA)の発現を調節することがある)

PQQ(ピロロキノリンキノン)
そら豆、枝豆、ジャガイモ、サツマイモ、パセリ、ピーマン、緑茶、納豆、味噌、豆腐など(ピロロキノリンキノン=PQQは、強力な抗酸化物質であり、細胞のエネルギーを高める物質。エネルギーを生み出すミトコンドリアの健康をサポートし、酸化ダメージから守り、さらに新しいミトコンドリアの成長を助ける。PQQは、野菜や果物、人の母乳にも含まれており、植物成長因子や細菌の補酵素でもある。PQQ二ナトリウム塩(BioPQQ™)は、認知機能に良い影響を与え、UVA照射による老化を防止する効果があるとの研究結果がある)

コロナウィルスはプラス一本鎖のRNAをウイルスゲノムとして有するエンベロープウイルス。スペイン風邪の病原体はA型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)でマイナス一本鎖のRNAを持つ。「米国特許 #US 8088729 B2」:紅藻から抽出された成分に、抗 RNA ウイルス作用があること、インフルエンザウイルスもコロナウイルスも RNA ウイルスで感染にしくくなることが記されている。日本人はワカメを始めもずくや昆布、海苔などの海藻を食生活に伝統的に取り入れている。特にウィルスが蔓延る乾燥した時期、場所では出来る限り海藻を摂取する。また新型コロナウィルスはACE2に結合することが分かっているが、ACE2はアンジオテンシン変換酵素2といい、主にアンジオテンシンIIからアンジオテンシン-(1-7)への変換を行って血圧上昇のレニン・アンジオテ ンシン・アルドステロン系を抑制。つまり抗高血圧作用がある。心臓、肺、睾丸で特異的に発現。2015年醸協 高橋らの報告によると味噌にはACE2阻害活性があり、それは大豆由来のニコチアナミンであると判明。よってワカメの味噌汁のような身近な和の食材が新型コロナウィルスの感染を防ぐのに効果的なのではないか。

疑似ACE2を人工的に作り、それを薬にするという方法

京都府立医科大学循環器内科学 星野温 助教、大阪大学蛋白質研究所 高木淳一 教授、微生物病研究所 岡本徹 教授らの研究グループは新型コロナウイルスの受容体であるACE2タンパクのウイルス結合力を100倍以上高めることに成功しました。新型コロナウイルスは、ヒト細胞のACE2タンパクと結合することで感染しますが、結合力を高めた高親和性改変ACE2タンパクを用いることで、ヒト細胞への感染を阻害する効果が期待されます。今後はこの高親和性改変 ACE2 タンパクを用いたウイルス中和タンパク製剤の創薬を (株)生命科学インスティテュートと共同で行います。

 

先日聴講させていただいたばかりのシンポジウム。研究内容の一部が正式な記事になっています以下、食品新聞を転載
 

https://shokuhin.net/42495/2021/04/16/sonota/防災/

 

 

お茶がコロナを迅速・効果的に不活化 京都府立医大の教授が指摘

お茶に新型コロナウイルスを迅速かつ効果的に不活化する作用があることが報告された(緑茶と健康シンポジウム)

お茶に新型コロナウイルスを迅速かつ効果的に不活化する作用があることが報告された(緑茶と健康シンポジウム)

お茶に含まれるカテキンが新型コロナウイルスを迅速かつ効果的に不活化する作用があると、京都府立医科大学の松田修教授が15日発表した。

これは試験管試験での推察による発表に基づくもの。松田教授は現在臨床試験も進めており、今後、臨床試験を経た論文も発表される見通し。

冒頭の発表は、京都府宇治市で開かれた「緑茶と健康シンポジウム」のパネルディスカッションによるもの。

松田教授は、論文査読中であるが「茶葉に含まれているカテキンが新型コロナを抑制するということがわかった」と述べ、お茶の飲用の可能性については「もし多くの人が飲めばヒト集団全体としての感染拡大が抑制される可能性がある。公衆衛生的な使われ方になる」との見方を示した。

パネルディスカッションは「緑茶の新型コロナウイルスに対する効果について」と題し、ウイルスとお茶の権威がパネリストとして参加。

京都大学の三浦智行ウイルス・再生医科学研究所准教授は、緑茶抽出物やカテキン類の新型コロナ抑制効果について、論文発表前であることを前置きした上で「ある程度の抑制効果があるのは間違いない」と語った。

静岡県公立大学の山田浩健康支援センター長は、分子ドッキング法による茶ポリフェノールの創薬としての可能性に言及。

分子ドッキング法とは、新型コロナウイルスに効きそうなものをデーターベースから拾うコンピューター技術となる。

山田センター長は、分子ドッキング法でテアフラビンとガレートカテキンが選択的に新型コロナウイルスにくっつき、新型コロナウイルスが宿主細胞に吸着するのを阻害する仮説が導き出されたことを紹介し、今後の基礎研究や臨床試験に期待を寄せた。

こうした論文発表がエビデンスとして認められれば、就労者の高齢化と後継者不足で減少しつつある全国の茶農家にとって、明報となる。

国内で最も多い25%の荒茶を取り扱う伊藤園は、現在、京都府立医科大学の松田教授と共同研究に取り組んでおり、今後さらに多方面から、知見が集まることが期待される。

緑茶と新型コロナウイルス研究最前線

緑茶と新型コロナウイルス研究最前線

コロナ禍で注目される茶カテキンの抗ウイルス効果

静岡県立大学健康支援センター長・山田浩氏

緑茶の飲用が新型コロナ感染症の予防につながる可能性も

コロナウイルスの顕微鏡写真のクローズアップ(イメージ)

お茶を飲むことに「公衆衛生的な使い方」の可能性がある

京都府立医科大学免疫学教授・松田修氏

お茶1杯あたりのカテキン量は煎茶より抹茶が多い

京都府農林水産技術センター農林センター茶業研究所 北尾悠樹氏

お茶のある生活で健康に!今後の臨床試験にも期待

京都先端科学大学バイオ環境学部教授・藤井孝夫氏

注目2種

エピガロカテキン:EPG(免疫細胞マクロファージを活性化。低温で多く抽出。アミノ酸類のテアニンは水出しで多く溶け出す)

エピガロカテキンガレート:EGCG(ウィルス表面突起結合。粘膜細胞に吸着出来なくして予防。70°Cから80°Cで抽出)

エビデンス(科学的根拠)は、緑茶(煎茶)から80℃くらいで多く抽出されるエピガロカテキンガレート(EGCG)や紅茶から沸騰直前の95℃くらいで多く抽出されるテアフラビン(TF)は、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)のように、プラス鎖一本鎖RNAタイプのウイルスに対して、図で示した複数の部位で抗ウイルス活性を示すことが明らかにした(Phytomedicine, 2020)。

 

出典

http://h-and-w.jp/2020/11/29/新型コロナウイルス感染症の予防には緑茶や紅茶/

山田 浩氏(静岡県立大学薬学部教授)の講演「ポリフェノール茶カテキンによる免疫機能活性と感染症予防」
https://www.jafra.gr.jp/food-5.html

【お茶で新型コロナ無害化 1分で最大99% 奈良県立医大】
https://www.sankei.com/west/news/201127/wst2011270045-n1.html良県立医科大学(同県橿原市)は27日、新型コロナウイルスが市販のお茶によって無害化する効果を確認したと発表した。基礎研究段階で人での効果は未確認だが、試験管内でウイルスが1分間お茶に触れることで最大99%が感染力を失っており、感染対策の一つとして期待。商品により効果に差があり、メーカーの許可を得て商品名の公表を検討するとしている。実験は同大の矢野寿一教授(微生物感染症学)の研究チームが実施した。実験ではペットボトル入りの緑茶や紅茶など約10商品を使用。試験管内でウイルスとお茶を混ぜ、経過時間ごとの感染力を持ったウイルスの量を検査した。最も効果が高かったのは茶葉から淹(い)れた紅茶で、感染力のあるウイルスは1分間で100分の1、10分間で千分の1以下にまで減少した。矢野教授は、人への効果について「可能性の段階」とした上で、「インフルエンザでカテキンの効果は確認されており、お茶を飲むことで同じような効果が期待される」と話した。矢野教授によると、カテキンはインフルエンザウイルスなどの表面にある突起状のタンパク質に付着し、感染力をなくすことが確認されており、新型コロナでも同様の効果が推測される。
茶のカテキン、多彩な機能性
お茶の機能性については、一般的にもかなり認知され、さまざまな機能性研究が各方面で進められている。山田氏がお茶の機能性について最初に研究成果をあげたものは「茶カテキンの吸入(ネブライザー)で、喀痰中のMRSAが減少する」という臨床試験であったという(2004年)。緑茶には、カテキン、カフェイン、多糖類、フッ素、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、γアミノ酪酸、フラボノイド類、テアニンなど、豊富な栄養や機能性成分が含まれる。中でも代表的な成分がカテキンで、がん抑制、抗酸化、血中コレステロールの上昇抑制、血圧の上昇抑制、血糖値の上昇抑制、抗菌、抗アレルギー、免疫不活などが認められている。また、緑茶に含まれるテアニンのストレスの抑制効果などもよく知られる。

近年「抗炎症・抗アレルギー作用」が注目
茶カテキンはポリフェノールに分類されるが、機能性として近年注目されているものに「抗炎症・抗アレルギー作用」があると、山田氏。代表的な研究成果としては「メチル化カテキンがIgE受容体の発現やヒスタミン放出を抑制し、通年・季節性アレルギー性鼻炎の症状を緩和する」というものがある。基礎研究の段階だが、茶カテキンには免疫賦活作用があることも確認されている。一例として「茶カテキン抽出物0.02%を7ヶ月摂取することでNK細胞活性増強と高齢促進マウスの癌転移抑制」といった試験がある。また「ポリフェノール強化シリアル(茶カテキン10mg/100g食餌)5週間でNK細胞活性、サイトカイン値の上昇」などの試験データもある。

自然免疫の活性に関する研究報告
中田氏らの静岡県立大学で静岡市在住の65歳以上の高齢者を対象に2017年5月、市販の茶カテキン飲料(総カテキン540mg/350ml)を2週間毎日摂取してもらった。2週間後に採血し分析を行なったところ、自然免疫の中でもNK細胞の活性と増加が認められたというこれまで、茶カテキンは病原微生物である細菌やウイルスに対して直接的な殺菌や増殖抑制作用があることが報告されていた。しかし、近年は、「抗炎症・抗アレルギー作用」を中心に免疫賦活、特に自然免疫の活性に関する研究報告が増えている、と山田氏。

高齢者に有意な罹患率低下
また、感染症の中では、インフルエンザ予防における緑茶及び緑茶成分の効果を検討した臨床研究が複数存在しているが、緑茶成分のサプリメントの摂取により細胞性免疫に関わるγδT細胞の増殖を促進することが報告されている。一方、茶成分でうがいをすることでインフルエンザ感染を予防できるかを研究した結果では、高齢者においては有意な罹患率低下を認めることができた。しかし、成人や高校生の場合、プラセボ群と比較して罹患の減少傾向は見られるものの、有意差までは認められず、サプリメント形態とは違った結果になっているため、おそらく濃度や量の問題なのではないか、と山田氏。実際、うがいよりも緑茶飲用の方が、小学生、中学生、成人のいずれでもインフルエンザ感染予防に有為な関連性が見られたという。

EGCGに創薬の可能性
いずれにせよ、茶カテキンには殺菌作用や抗ウイルス作用だけでなく、抗炎症と免疫賦活作用が確認されている。これはまさに今市場ニーズの高まっている免疫力活性とマッチしたもの。現在拡大している新型コロナウイルスについて茶カテキンによる臨床的な効果について明らかにされていないが、創薬開発の基礎段階で用いられる「分子ドッキング法」におけるスクリーニング解析では、茶カテキンの中でも緑茶に最も多く含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)に創薬としての可能性が示されている。今後の研究や臨床的な検証が待たれている段階、と現状について山田氏は報告した。

食品医学研究所では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を予防できる可能性が高い食材として、「ショウガ」、「煎茶」、「マヌカ蜂蜜(できればプロポリス入りマヌカ蜂蜜)」「ニンニク」を多くの方々におすすめしている。

出典
http://h-and-w.jp/2020/08/02/必読!新型コロナウイルス感染症の予防に役立つ/

 

抹茶
メリットはお茶として溶け出した従来の水溶性成分のみならず、茶葉自体を砕くので茶葉が持つ栄養成分丸ごと摂取できるといった食材であること。抹茶注目はテアニン。(脳の海馬に作用。ドーパミン、セロトニンを通じストレス、不安対策)カテキン、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、セレン、リン、亜鉛、マンガン、ビタミンB1、B2、B6、C、Eなど豊富な栄養成分を含むスーパーフード。紅茶や各種お茶を積極的に利用する。

ビタミンD、免疫に関する最新情報
https://www.jafra.gr.jp/food-03.html

2021年3月25日(木)、web配信にてDSMオンラインセミナー「ビタミンDおよび25(OH)Dと免疫に関する最新情報」が開催された。この中から乾泰地氏(DSMニュートリションサイエンス&アドボカシー APACリージュナルマネージャー)の講演「なぜビタミンDが必要か、免疫機能に関する作用機序と2020年の知見」を取り上げる。


COVIT19の感染拡大で注目
少し前までは「ビタミンD」といえば、カルシウムと同様骨の健康に役立つイメージを最初に思い浮かべた人が多かった。しかし、近年はビタミンDに多様な効能があり、健康維持に不可欠な栄養素である認識が少しずつ広まっている、と乾氏。ビタミンDの機能としては、正常な骨や歯の発育、血中カルシウムの濃度調整、神経伝達や筋肉の収縮の正常化、などがある。近年は脳の神経保護や糖尿病、がんなどとの関係も報告されている。さらに、COVIT19の世界的な感染拡大に伴い、ビタミンDと免疫との関係について注目が集まっている。

自然免疫のスイッチを入れる
ビタミンDと免疫の関係については次の3つが明らかになっている。「1、風邪のリスクを低減」「2、自然免疫と獲得免疫の中でも自然免疫機能を促進」「3、ビタミンDの体内濃度と感染症のリスクの相関」。1については、複数の疫学調査の報告がよく知られている。2については、体内にウイルスなどの異物が侵入したときに、その異物を排除しようとする力が働く。免疫の第一線が自然免疫だが、この自然免疫にスイッチを入れ、その後獲得免疫の反応を調整するのがビタミンDである。3については、ビタミンDが単球やマクロファージ内での抗菌ペプチドの生合成を促進、免疫を調整し排除するだけでなく、過剰な炎症反応を抑制する。また、ビタミンDは肝臓と腎臓で代謝され、1.25ジヒドロキシビタミンDと呼ばれる活性型ビタミンDに変化する。この活性型ビタミンDは免疫細胞でも作られることがわかっている。

免疫の過剰応答を抑制
具体的には、病原体やサイトカインを検知すると単球マクロファージは活性型ビタミンDとビタミンD受容体の生合成を増加させる。また、活性型ビタミンDの複合体が抗菌ペプチドであるカテリシジンやディフェンシンの合成を促進させる。ちなみにカテリシジンとディフェンシンは結核菌などの細菌に活性を排除することに寄与する。カテリシジンは風邪の原因であるライノウイルスを含むウイルスに対して抗ウイルス活性があることが報告されている。またビタミンDと獲得免疫については、ビタミンDが免疫寛容の正常を促す働きがあるため、ビタミンDの欠乏が自己免疫疾患と括られる免疫の過剰応答を抑制する可能性も示唆されている。新型コロナウイルスについては、現段階では決定的な臨床エビデンスは出ておらず、「コロナウイルスの予防や治療にビタミンDの摂取を勧めるべきではない」とされているが、研究者の間でビタミンDへの注目は高まっている。現時点では「一般にコロナの入院患者の80%がビタミンDの欠乏状態」「ビタミンDの血中濃度が低い人ほどPCR陽性率が高い(米国における19万人を対象にした観察試験)」ということもわかってきている。

新型コロナウイルスは肺や鼻腔のタンパク質を利用し、細胞内で増殖し毛細血管に入って全身に運ばれる。この際、糖尿病や老化などで弱った血管だとウイルスが全身に広がるだけでなく弱った部分で炎症を起こし、急速に多臓器不全を引き起こす。これも免疫の過剰応答といえるが、この反応の抑制にビタミンDが関係していることは間違いない、と乾氏。

日本人の82%以上がビタミンD不足
ビタミンDは太陽のビタミンともいわれ、食事からだけでなく日光に当たることで体内合成される。 しかし日本人の82%以上がビタミンD不足とされ、特に緊急事態宣言以下のビタミンD不足は深刻化していることが懸念されている。内勤者、夜勤者、北部に住む人、肥満、閉経後の女性、高齢者、介護施設入居者、魚食が少ない人などは特にビタミンDが不足しがちな傾向にある。日本では成人の場合、ビタミンDの1日の摂取目安量が8.5μgとされているが、国際的には20μg(800IU)が推奨されている。ビタミンD20μgの食品からの摂取では、しらす干しを33g、シャケは切り身半分など。ただバランスの良い食品だけではカバーすることが難しい。ビタミンDについては摂取量を増やすことを意識し、血清濃度を75nmol/L(30ng/mL)以上に保つことは全身の健康維持に必要。75nmol/L(30ng/mL)以上に保つことにマイナスの影響はないと考えられている、とまとめた。

●「Web公開シンポジウム~健康食品新時代の幕開け 免疫への可能性」西澤邦浩氏(日経BP 総合研究所メディカル・ヘルスラボ)による講演「食による新型コロナウイルス防御、免疫賦活の可能性~感染対策を中心に」を取り上げる。

https://www.jafra.gr.jp/food.html

・ビタミンDはCaの吸収以外に、インフルエンザ等のウイルス感染症に有効であることが知られていた。

・今回コロナウイルスに血中ビタミンD濃度が30ng/ml以上の方はほとんど感染せず、さらに重症化しない論文が発表された。・しかし、多くの方がビタミンD必要量30ng/mlに達していない(当院職員統計から)

アンチエイジング医学会誌 2020 vol.16 No3 “満尾正著 ビタミンDとCOVID-19” 他より抜粋

当院職員の血中ビタミンD値(ng/ml)

殆どのスタッフが30以下

2019年のコロナウイルス病の感染と死亡の予防におけるビタミンDの役割

欧州20か国の平均ビタミンD濃度と人口100万人当たりのCOVID-19死亡者数と感染者数の間には負の相関がみられる。

■血清ビタミンDレベルが高いほど
COVID-19によって引き起こされる死亡率が低い

■血清ビタミンDレベルが高いほど
COVID-19によって引き起こされる症例が少ない

Aging Clinical and Experimental Research (2020) Jul;32(7) P1196 を参考に作成

ビタミンDの補給はコロナウイルス2019に感染した患者の臨床結果を改善する可能性がある

・軽度(mild):肺炎のない穏やかな臨床像診断
・中等(ordinary:胸部コンピューター断層撮影で肺炎が確認、呼吸器症状あり
・重症(severe):低酸素症(最大93%の酸素飽和度)および呼吸苦痛あり
・最重症(critical:集中的な症例モニタリングを必要とする呼吸不全あり

■ビタミンDの血清レベルごとに臨床結果を分類すると、血清レベルが高い(正常)ほど、症状が「軽度」の方がが多く、
血清レベルが低いグループ(不十分、欠乏)ほど、「重症」「最重症」の割合が多いことが分かるVitamin D Supplementation Could Possibly Improve Clinical Outcomes of Patients Infected with Coronavirus-2019 (COVID-19) を参考に作成

COVID-19死亡率のパターンとビタミンD
(インドネシアの研究)

 

■ビタミンDの血中レベルが30ng/mlを下回ると、死亡の可能性が急激に増加する

Patterns of COVID-19 Mortality and Vitamin D: An Indonesian Study を参考に作成

食事で難しい場合はサプリメントの活用も
ビタミンD摂取方法のアドバイス

・血中ビタミンD濃度を測定しましょう(前、1か月後、3か月後採血)

・血中濃度に合わせて、ビタミンDを1日あたり1000単位から4000単位摂取しましょう。
(1μg=40単位、通常1錠:1000単位です)

・血中濃度20ng/ml以下なら4000単位より開始、30ng/ml以下なら2000単位より開始しましょう。

・ビタミンD血中濃度が30ng/ml以上になれば、維持量としてビタミンDを1日あたり
1000~2000単位摂取しましょう。できれば40ng/ml以上を目指したいです。

・血中濃度が測定できない場合は、2000単位のビタミンDを毎日摂取しましょう。

COVID-19(感染症)とビタミンDとの関連について、多くの論文が発表されています。

ビタミンD補給がインフルエンザとCOVID-19の感染と死亡のリスクを減らすことができるという証拠

William B.Grant 他 nutrients、 2020.12(6)、1626
・いくつかのメカニズムを通じて、ビタミンDが感染のリスクを減らすことができる。これらのメカニズムには、ウイルスの複製率を下げることのできる物質の誘導、炎症性サイトカイン(肺炎惹起物質)濃度を下げ、抗炎症性サイトカインの濃度を高めることが含まれる。
・ビタミンD欠乏症は急性呼吸窮迫症候群の一因となることが判明している。その致死率は年齢と慢性疾患も併存症とともに増加し、どちらも低い活性型ビタミンD濃度と関連している。
・感染のリスクを減らすため、COVID-19 のリスクがある人々は10.000単位/日のビタミンDの服用を検討することを勧める。
・COVID-19 に感染した人の治療には、より高いビタミンD投与が有効かもしれない。

COVID-19 パンデミック時のビタミンD補給

David Suika,MD他 Mayo Clinic Proceedings,2020,5,volume95,ISSUE8,p1804
・ビタミンD欠乏症は、高齢者、喫煙者、肥満者、糖尿病・高血圧・消化器疾患などの慢性疾患患者、さらにはアフリカ系アメリカ人でよくみられる。COVID-19の合併症が多く、死亡率が高いリスクのグループは、ビタミンD欠乏症の発生率が高いグループと一致している。ビタミンD欠乏症は、COVID-19合併症とより高い死亡率の重要な危険因子の一つであると私達は考えている。
・ビタミンD投与研究は、ビタミンDが自然免疫を改善し、急性呼吸器感染症の発生率と重症度を軽減することを示している。この効果にはマクロファージがホルモンD(カルシトリール)を活性化するために活性化ビタミンD3の十分な血清濃度が必要である。カルシトリールはウイルスなどを破壊する抗菌因子の合成のための遺伝子を活性化する。またビタミンDは細胞性免疫反応を調整し、サイトカインストームを減衰する。
・ビタミンD欠乏をおこしやすくCOVID-19が重症化するリスクグループまた既に感染している患者では、最適な活性化ビタミンD3濃度を達成するためにビタミンDを補充することが妥当であることを推奨する。

COVID-19感染の標的としての肺:新たな潜在的な相乗的治療としてのビタミンDとメラトニンの保護的共通分子メカニズム

Virna Margarita Martín Giménez他 Life sciences. 2020 ;254;117808.
・COVID-19の感染症の死因は、制御されていない酸化ストレスと肺レベルでの悪化した炎症反応の結果としての重症急性呼吸器症候群である。
・ビタミンDとメラトニンは、この肺合併症の重症度を克服するまたは軽減するための良い選択肢になる可能性がある。おそらく相乗的に有効である。
・COVID19感染症で生じる炎症反応を伴うレニン―アンジオテンシン系の高揚は、この疾病の生理病理学において主要な役割を果たしている。ビタミンDとメラトニンはこの炎症作用を低下させる可能性がある。

【オーソモレキュラー医学 新型コロナウイルス予防策としての選択肢】

※オーソモレキュラー栄養医学研究所 オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート 第四期生として継続受講。資格試験を受け、無事資格を取得した(紹介者:医師 姫野友美 講師:医師 溝口徹他)
 

ビタミンD、新型コロナで注目
COVID-19の広がりで「免疫」への関心が高まっている。その中で世界各国が注目しているのが「ビタミンD」。ただ、日本では、消費者庁が新型コロナに関して一番最初に注意喚起をしたのが「ビタミンD」でもある。また、国立健康栄養研究所もビタミンDについては「現時点ではインフルエンザなどに対して効果があるとする結果と、効果がないとする結果の両方が存在している。普段の食事で十分に摂取できている人がさらに摂取しても効果はないという報告もある」と、どちらかといえば否定よりの見解を示す。とはいえ、世界で見ると、新型コロナに対する治験が始まっている食品関連成分で最も多いのがビタミンDである。他に、新型コロナウイルスに対する評価がはじまろうとしている食品成分として「レジスタントスターチ」「複合ビタミン・ミネラル」「ビタミンC.D.亜鉛」などがある、と西澤氏。

血中ビタミン濃度が低い地域、COVID-19の罹患率・死亡率が高い
では、なぜこれほどビタミンDに注目が集まるっているのか。まずは、欧州20カ国で平均血中ビタミン濃度が低い地域でCOVID-19の罹患率・死亡率が高くなっている、という生態学的研究の仮説が提言されている。さらに新型コロナウイルス重篤化までのプロセスが次のように解明されてきている。新型コロナウイルスはアンジオテンシン変換酵素2を介して細胞に侵入する。細胞に侵入した新型コロナウイルスはレニンアンジオテンシンシステム(RAS)の調整不全を引き起こし、肺の損傷を進め急性呼吸窮迫症候群(ARDS)にする。しかしビタミンDにはRASのバランスをとり、肺の損傷を軽減する作用が確認されている。またビタミンDにはマクロファージを通し、抗菌ペプチドを作り、炎症性サイトカインを抑えたり、複製を防ぐ働きも確認されているつまり、ビタミンDは新型コロナウイルスの感染予防に何らかの役割を持っている可能性があるといえるのではないか、と西澤氏。そもそもビタミンDの受容体は全身の細胞にあり、自然免疫と獲得免疫の双方に関わる重要なビタミンである。さらにいえば、ビタミンDはビタミンに分類されているが、実はステロイド・ホルモンの仲間で、近年はビタミンDが腸を介して感染防御能を高める役割などがあることも解明されてきている。新型コロナウイルスは腸でも増殖することが解明されてきていることから、このあたりの機能も見逃せない。

日本人はもっとビタミンDについての理解を
2020年の食事摂取基準の改定で唯一摂取目安量が大きく増加した栄養素がビタミンDである(成人男女1日5.5μg→8.5μg)。米国では推奨摂取量は1日「15μg」で、71歳以上は「20μg」とされている。つまり、日本の摂取目安量の約2倍の量である。こうしたことから米国はサプリメントでは「ビタミンD」が一番売れている。日本人はビタミンDの摂取量などの理解が非常に遅れているのではないか、と西澤氏。新型コロナウイルス対策としてだけでなく、そもそもビタミンDは骨の健康維持や免疫維持、生活習慣病予防、認知症の予防にも欠かせない栄養素というのが世界の常識である。この他、食物繊維を多く含む「複合炭水化物・全粒穀物」の摂取で感染症リスクが減るというデータや鼻腔で感染を防ぐ常在乳酸菌「L.sakei AMBR2」といった新しいプロバイオの可能性などもある。米国もそうだが、日本でもサプリメントの購入に影響を与えるのは医師や薬剤師、栄養士などのヘルスケア専門家である。そうした専門家が最新の栄養学や研究成果を知り、適切な情報発信を行うことが大切ではないか、と西澤氏はまとめた。

※COVID-19に感染してもビタミンCやビタミンDの投与で重篤化や死亡のリスクが軽減する可能性は複数の研究によって示唆されている。しかし、ビタミンC、ビタミンD、そして亜鉛の摂取は重症化の予防や感染リスクの低下につながる可能性が様々な研究によって有力とされ、日本だけがいずれにもネガティブな態度を示している。

講師 医師 溝口徹先生著書
「ウィルスに強くなる粘膜免疫力」

オーソモレキュラー 栄養医学研究所
講師 医師 溝口徹先生著書
「ウィルスに強くなる粘膜免疫力」
要約
丈夫な粘膜を作ることでウィルスや細菌は侵入しにくくなる。粘膜再生を促す主要栄養素はビタミンD、ビタミンA、亜鉛など。敵を排除してくれる粘膜で戦うIgA抗体を作るのに重要な栄養素はグルタミン、ビタミンA。好中球、NK細胞、マクロファージの働きを活発にする栄養素はビタミンC。好中球の数の確保に必要な栄養素が亜鉛。指令を出す本部の腸に大事な役割を持つのがビタミンA、ビタミンD、亜鉛に加えプロバイオティクスも意識。特殊武器として使用できるのがエキナセアやオレガノ、緑茶カテキン、嘘笑いなど(フラボノイド、アントシアニン、カロテノイド、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化物質)炎症を取り除くのはオメガ3やγリノレン酸などが担う。ストレスで免疫力が低下する理由としてストレスと共に栄養素が消費するから。特に粘膜の再生を促す亜鉛(アルコール摂取でも消費)、粘膜やリンパ球のエネルギー源であるアミノ酸の一種であるグルタミンの消費、ウィルスの侵入を防ぐIgA抗体が減ってしまうこと。推奨行動は朝のウォーキング(太陽光を浴びる)15分程度。体の組織を作る土台のたんぱく質の摂取。免疫を低下させる鉄不足にも気を配る。魚は丸ごと摂取する。ここぞという時の鰻やレバー○質の良い油の摂取を(揚げ物は酸化物)質の良いオリーブ油○納豆、ぬか漬け、梅干しなどの発酵食品で腸内環境改善○味噌汁にきのこ、ネギ、ニラ、大根○旬の食材、緑茶の摂取○ビタミンAの補給で卵○https://www.engesyoku.com/column/urgency.html

【○ビタミン Dはコレステロールから作られるホルモンの一種○ビタミン D欠乏は免疫調整機能に障害をもたらす可能性がある○新型コロナウイルス感染症の重症度や死亡率は血中ビタミン D濃度と関係がある。○日本人の約 8割がビタミン D不足( 30 ng/ ml未満)である。○感染予防のため血中ビタミン D濃度を至適値まで保つべきである】

※注意!
マグネシウムが不足しているとビタミンDの血中濃度が上がらない。ビタミンDはマグネシウムと一緒に摂取する努力が必要。またビタミンDがないと体はマグネシウムを利用できない。マグネシウムが細胞内に取り込まれる時ビタミンB1の助けを借りる。セレンはマグネシウムが細胞内に止まらせるのをサポートする。

ビタミン Dの代謝を助ける「マグネシウム」
ビタミン Dだけを摂取すればよいのではなく、もう一つ、マグネシウムも補充することが重要。どちらも現代人に不足している栄養素であり、骨を作るカルシウム・リン代謝に関わる。マグネシウムは全身の代謝の過程で補酵素として働き、血圧や神経伝達など体の機能維持にも欠かせないミネラル。マグネシウムが必要なのはビタミン Dが代謝される過程でも補酵素としてのマグネシウムに依存しているため、ビタミン Dを大量に摂取していてもマグネシウムが不足していると活性型ビタミンDが作れないから。そればかりか動脈硬化などのリスクが高まってしまうことも考えられる。

https://sndj-web.jp/news/001123.php

ビタミンD、C、E、亜鉛、セレン、ω3脂肪酸は新型コロナウイルスのリスクを下げ得るか?

2020年12月23日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)リスク抑制に、微量栄養素はどのくらい影響を与え得るのだろうか。COVID-19パンデミック以来、このテーマを取り上げた多くの論文が発表されてきている。それらの中から今回は、かねてから免疫能との関連が報告されていた、ビタミンD、C、E、亜鉛、セレン、ω3脂肪酸にスポットを当てた総説を紹介する。2020年以降に公開された論文を検索

著者らはまず、PubMed、Google Scholar、ScienceDirectという文献データベースを用いて文献検索を実施。検索キーワードは、COVID-19、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、コロナウイルス、栄養素、ビタミン、ミネラルとし、2020年以降に公開された論文を対象とした。重複のない221件から、総説やレターなどを除外した35件に、公開されている査読前論文を加えて計39件をレビュー対象とした。

ビタミンD欠乏症とCOVID-19関連リスク

ビタミンDは、COVID-19に関連するさまざまなリスク要因に対する影響が認められる。ビタミンDの不足は、高齢者、肥満、男性、高血圧、高緯度地域で高頻度にみられ、それらがすべて予後の悪化と関連している。加齢に伴う日光への曝露が少なくなり、皮膚での7-デヒドロコレステロール (プロビタミンD3) の生成が減少し、活性型ビタミンD濃度が低下する。これが、高齢者のCOVID-19の死亡率が高い理由を部分的に説明している可能性がある。また、ビタミンDは、高齢者の抗炎症性サイトカインの増加と炎症誘発性サイトカインの減少に関連していることが示されている。この作用はサイトカインストームに対して抑制的に働くと考えられる。計2万966人を対象とした8件の観察研究のシステマティックレビューとメタ解析では、ビタミンDのレベルが低い人は肺炎のリスクが高いことが指摘されている。

ウイルス感染に対するビタミンDの保護的役割

ビタミンDサプリメントはウイルス感染症罹患率と重症度を軽減することが報告されており、上気道感染と血清25-ヒドロキシビタミンDレベルは負の相関が認められる。SARS-CoV-2に対するビタミンDの効果はまだ示されていないが、サプリメントは炎症誘発性サイトカインを抑制し、COVID-19患者の急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome;ARDS)関連の死亡率を低下させる可能性がある。現在、COVID-19患者に対するビタミンD補給の効果を検討するため、ヒトを対象とする多数の臨床試験が進行または計画中だ。

ビタミンC

ビタミンCは活性酸素種(Reactive Oxygen Species;ROS)を除去する抗酸化作用を有し、蛋白質、脂質などの酸化ダメージを防ぐ。白血球のビタミンC濃度は血漿の50~100倍であり、何らかの感染症により白血球に存在するビタミンCは急速に利用される。ビタミンCが感染症予防効果をもたらすことが知られている。肺炎や結核などの急性呼吸器感染症の患者は、血漿ビタミンC濃度が低下し、ビタミンCの投与により高齢患者の肺炎の重症度と罹病期間が抑制される。

COVID-19感染時のビタミンCと免疫応答

COVID-19感染時のサイトカインストームに対する治療選択肢の一つとして、ビタミンCが提案されている。ビタミンCは、TNF-αを含む炎症誘発性サイトカインレベルを低下させ、抗炎症性サイトカイン(IL-10)を増加させることが知られている。ビタミンCの静脈内投与後に炎症性バイオマーカーや呼吸関連パラメーターの改善が認められたことも報告されている。COVID-19によるARDSの発症後に高用量のビタミンCで治療された患者は、早期に人工呼吸管理を離脱できたという症例報告がある。もっとも、この患者には抗ウイルス薬も投与されていた点に留意が必要だ。

ビタミンCはCOVID-19でも発症することのある、肺炎に続発する敗血症にも有用かもしれない。50人の中国人患者における高用量ビタミンC補給の有用性を示唆するデータがある。ただし、これは未発表であり、追試も必要だ。

現時点においてビタミンCの補給は、COVID-19感染のリスクが高く、微量栄養素欠乏症の人にとって、免疫反応を支えるための選択肢と言える。この目的での使用の有効性の検証のために、現在複数の臨床試験が進行している。

亜 鉛

亜鉛は免疫を含む多くの生物学的プロセスに関与している。亜鉛欠乏症は炎症誘発性サイトカインを有意に増加させる。亜鉛サプリメントがこれを抑制することも示されている。さらに、亜鉛欠乏は、IFN-γ、TNF-α等のシグナル伝達のアップレギュレーションなどを介して、肺上皮組織の細胞バリア機能の変化ももたらすほか、好中球の動員と走化活性にかかわり、T細胞やNK細胞の数との関連も示されている。

亜鉛とCOVID-19

亜鉛の免疫調節および抗ウイルス特性は、COVID-19患者の支持療法となる可能性がある。高用量亜鉛で治療された4人のCOVID-19患者の症例報告では、臨床症状の改善が示されている。

オーストラリアでは、COVID-19陽性者への亜鉛の静脈内投与の効果を検証する臨床試験が始まっている。

ω3脂肪酸、ビタミンE、セレン

エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸は、免疫と炎症に好ましい効果があることが知られている。またω3脂肪酸は、インフルエンザウイルスの複製を阻害するという抗ウイルス作用をもっている。COVID-19患者にも有効である可能性はあるが、確固たるエビデンスはまだない。また、細胞膜損傷の感受性増強、酸化ストレス亢進などの指摘もあることから、現時点ではとくに高用量の補給には注意が必要。ビタミンEやセレンは、抗酸化作用をもつ。疫学研究からは、これらの栄養素のいずれかの欠乏が免疫反応とウイルスの病原性を変化させることを示している。

COVID-19罹患中の栄養補給の役割

COVID-19罹患中は、疾患の負担を軽減し呼吸器感染の期間を短縮するために、適切なレベルのビタミンC、D、およびEが重要と考えられる。また、亜鉛などのミネラルが抗ウイルス効果を持ち、免疫反応を改善し、ウイルス複製を抑制する可能性がある。したがって、免疫システムを適切に機能させるためには、食事を通じて十分な量のビタミンとミネラルを摂取することが不可欠と言える。果物、野菜、肉、魚、鶏肉、乳製品は、これらのビタミンとミネラルの優れた供給源であり、COVID-19に対する免疫能を支持するために、それらをより多く摂取することが有益である可能性がある。ただし、研究で有用性が示唆されているそれらの用量は、食事だけから得るには困難な高用量であることも事実であり、サプリメントの使用が考慮されるが、その有効用量を決定するための臨床研究が求められる。

文献情報
原題のタイトルは、「Immune-boosting role of vitamins D, C, E, zinc, selenium and omega-3 fatty acids: Could they help against COVID-19?」。〔Maturitas. 2021 Jan;143:1-9〕

原文はこちら(Elsevier)

執筆:William B.Grant,PhD

OMNS202069日)

体内のビタミンD値が高いほど新型コロナウイルス感染症の発生リスク、重症度ならびに死亡リスクが低くなることを示した医学的エビデンスが増えています。本報では、20206月初めまでに入手できた関連情報を述べ、主要な参考文献のリンクを示す。

(1)ビタミンDによって抗菌ペプチドであるカテリシジンとディフェンシンの放出が促進されるためにウイルスの生存数と複製数が減る

(2)炎症を誘発するサイトカインの産生量の減少によりサイトカインストームのリスクが減る

というメカニズムが特定。

ビタミンD摂取は急性気道感染症のリスクを下げるという、複数のランダム試験で実証された研究結果に言及した文献もあります。ビタミンD摂取は血清25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]値を4060 ng/mL100150 nmol/L)の範囲まで引き上げることを目標とするよう推奨されていました。そのためには、1日当たり最大4,0005,000 IUのビタミンD3を摂る必要があります。ビタミンDが別の代謝産物に変換されるにはマグネシウムの存在が必要なため、マグネシウムも(1400 mg程度)摂取すべきです。こうしたアドバイスは、Grassrootshealth.netにて行われたインフルエンザ様疾患に関する観察研究をはじめとする複数の観察研究の結果にもとづいています。

さらに最近の文献で、これまでビタミンD摂取をしていなかった人に対し、12週の間に数十万IUという高用量のボーラス投与(急速静注)を行うビタミンD摂取を開始するよう勧めているものもあります。ボーラス投与以外の方法では最適なビタミンD値に達するまでに数カ月かかる、というのがその根拠です。

ビタミンD摂取は、新型コロナウイルス感染症の症状が出始めた段階でその進行を食い止める可能性がある一方、急性期に肺などの臓器に損傷が生じてしまった後はあまり役に立たないだろう、という見解も示されています。ごく最近の文献では、英国住民の中でも黒人・アジア人・少数民族(まとめて「BAME」という)に罹患率と死亡率が高いことについて、ビタミンDの欠乏が大きな要因である可能性を示したエビデンスが報告されています。


<参考文献>

1.Grant WB. (2018) Vitamin D acceptance delayed by Big Pharma following the Disinformation Playbook.(「虚偽情報作戦」に倣った大手製薬会社によるビタミンDの受入遅延)Orthomolecular Medicine News Service, Oct. 1, 2018.
http://orthomolecular.org/resources/omns/v14n22.shtml

2. Grant WB, Lahore H, McDonnell SL, et al. (2020) Evidence that vitamin D supplementation could reduce risk of influenza and COVID-19 infections and deaths.(ビタミンD摂取によってインフルエンザならびに新型コロナウイルスの感染と死亡のリスクが下がる可能性を示すエビデンス) Nutrients April 2, 2020, 12, 988.
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/4/988

3. Martineau AR, Jolliffe DA, Greenberg L, et al. (2017) Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data. (急性気道感染症予防のためのビタミンD摂取:系統的レビューおよび個別被験者データのメタ分析) BMJ. 356:i6583.
https://www.bmj.com/content/356/bmj.i6583

4. Grant WB, Lahore H, McDonnell SL, et al., (2020) Vitamin D Supplementation Could Prevent and Treat Influenza, Coronavirus, and Pneumonia Infections.(ビタミンD摂取によるインフルエンザ感染症・コロナウイルス感染症・肺炎の予防と治療の可能性)Nutrients preprint(公表前原稿), March 14, 2020
https://www.preprints.org/manuscript/202003.0235/v1

5. Grant WB, Baggerly CA, Lahore H. (2020) Response to Comments Regarding “Evidence that Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths”.(「ビタミンD摂取によってインフルエンザならびに新型コロナウイルスの感染と死亡のリスクが下がる可能性を示すエビデンス」に対するコメントへの回答) Nutrients June 1, 2020, 12(6), 1620.
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/6/1620

6. Grant WB, Boucher BJ. (2020) Vitamin D deficiency due to skin pigmentation and diet may explain much of the higher rates of COVID-19 among BAME in England.(英国内でBAMEのほうが新型コロナウイルスの感染率が高いことの大きな要因が皮膚色素沈着と食事によるビタミンD欠乏にある可能性)BMJ comments, June 6, 2020.
https://www.bmj.com/content/369/bmj.m1548/rr-22

COVID-19まとめ
https://isom-japan.org/article/search?key=tag&id=18

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=uHO4V1595302365

https://www.iv-therapy.org/wp-content/uploads/2020/08/149a791e9979300afdacf99ec307af57.pdf

亜鉛の投与が新型コロナ重症化を防ぐカギに
https://isom-japan.org/article/article_page?uid=ELNaI1608188053

新型コロナとビタミンD相関
https://isom-japan.org/article/article_page?uid=fx0gQ1601455924

ハーバード大学医学部は2021年1月13日、新型コロナウイルス治療におけるビタミンCとビタミンDの可能性について言及。本稿では原文『Treatments for COVID-19』(『Harvard Health Publishing』掲載記事)を和訳しながら、自宅療養時に症状改善のために推奨されることも併せてご紹介。ビタミンDは私たちをCOVID-19から守ってくれる

新型コロナウイルスに感染した時、ビタミンDが重症化を防ぐために役立つ可能性を示唆するいくつかのエビデンスがある。例えば、ビタミンD濃度の低い人は上気道感染症にかかりやすい可能性があることを私たちは知っている。ビタミンDは、新型コロナウイルスから私たちを以下2つの方法により保護してくれる可能性がある。

  1. ウイルスやバクテリアに対する私たちの体の自然な防御を高める可能性がある。
  2. 新型コロナウイルスへの感染で重症化した一部の人々に生じる過剰な炎症反応を防ぐために役立つ可能性がある。

私たちの体は日光を浴びてビタミンDを生成。一週間のうちのほとんどもしくは数日、日焼け止めを塗らずに5分〜10分ほど腕・脚・背中に日光を当てることで、十分な量のビタミンDを摂取できる。

ビタミンDの優れた食料源として、以下のような食品が挙げられる。

  • 脂肪の多い魚(マグロ・サバ・サーモンなど)
  • ビタミンDで強化された食品(乳製品・豆乳・シリアルなど)
  • チーズ
  • 卵黄  など

微量栄養素の適正投与
高齢者では嗜好の変化や偏り、バランスの悪い栄養素の摂取、十分な食事量の摂取が 維持できていない、また食およびそれを取り巻く社会的環境の不十分さなどによって容易に微量栄養素、すなわち各種ビタミンや微量元素の欠乏をきたす。微量栄養素の欠乏は、宿主の免疫能を障害することが知られている。特に、最近の知見では、ビタミンD の欠乏が、 インフルエンザ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)や C 型肝炎ウイルス(HCV) などのウイルス感 染症の発症に関与しているとの報告がある。COVID-19 においても微量栄養素の欠 乏が指摘されることが多い高齢者に発症や重症化症例が少なくなく、ビタミン D 欠乏が発症 および増悪因子の一つになっていることが推測される)。ビタミン D は、主にカジキ、サ ケ、サンマ、イワシ、サバ、ブリ、マグロなどの魚類やシイタケ、キクラゲなどのキノコ類、牛 乳、卵に多く含まれている。また、ホウレン草やニンジン、春菊、肝油、レバー、ウナギなどに 多く含まれるビタミン A も感染症に対する生体防御に関与しており、特に小児において重要 である。その他、ビタミン E、B6、B12 および亜鉛やセレンなども免疫能に関与しており、そ れらの欠乏が感染症の発症や重症化に関わっているものと推察される。

『医者が教える「最高の栄養」ビタミンDが病気にならない体をつくる』満尾正著より要約

感染率が高くなるのは気温が低下することによって気道粘膜の免疫細胞の働きが鈍くなることが指摘されている。しかしビタミンDの血中濃度が一番低くなることが原因の一つとして考えられている。 WHO(世界保健機関)は上気道炎予防にはビタミンDを摂取することを推奨。感染症に負けない体を作るためにはビタミンDは必須の栄養素。ビタミンDの場合、新型コロナはおろか、その他全身に関わるあらゆる病気に対しても大きな予防効果を持っている。地球上のすべてのエネルギー源をさかのぼると太陽に行き着く。大本は古代の植物やプランクトン。生命体を維持するために必要な A TP(アデノシン三リン酸)も、酸素も、植物の葉緑素も、すべては太陽のエネルギーから始まっている。生命は太陽の恵みによって生かされる。その恩恵の代表的なものがビタミンDである。

通常、栄養成分が細胞のなかに入るためには「受容体」と呼ばれる関所のようなところを通過しなければならない。しかしビタミンDはそうした細胞膜受容体を経由せずに、直接、細胞内の核に作用する力を持っている。ビタミン D受容体( VDR)は、脳、前立腺、乳腺、大腸および免疫細胞など、全身の 200以上の細胞内に存在しているため、細胞増殖、分化、アポトーシス(細胞死)、血管新生など多くの細胞機能にビタミンDが関与する。直接、細胞の核に作用することができる物質は、ビタミン D以外では副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、レチノイン酸(ビタミン Aが変化したもの)性ホルモンなど数えるほどしかない。ビタミンDは全身の疾患や健康に根本的な部分で効いている成分と言える。ビタミンという名前のせいかその働きが軽視されがちだが実はビタミンDの本質はホルモンと言ってもよいほど全身の細胞に大きな影響を与えている。ビタミンDはコレステロールを原料とする、ステロイドホルモンの仲間。女性ホルモンや男性ホルモンもコレステロールから作られ、ステロイド骨格と呼ばれる似た構造を持っている。これが「ビタミンDの本質はホルモン」とも言われる所以。

 




プロのアスリートでも「シーズン中に骨折を経験している選手では、血中ビタミンD濃度が低い傾向がある」という研究がある。(米国のプロフットボール( NFL)選手 80名を対象に調べた研究。平均年齢は 26・ 5歳。黒人選手が 67名。平均ビタミン Dレベルは 27・ 4 ng/ mlだが、白人選手の平均値が 37・ 4 ng/ mlであるのに対して、黒人選手の平均は 25・ 6 ng/ mlと低い傾向にあった。「ビタミン Dと肌の色の関係」が影響している。運動能力とビタミン Dとの関係については、他にもいくつかの報告がある。その一つに、血中ビタミンD濃度が低いアスリートでは鉄欠乏貧血が高頻度で起きていることも報告。この研究ではトッププロ女性アスリート 219名を対象として血液検査を行い、ビタミン Dと鉄について調べている。その結果、約 54%の対象者にビタミン D欠乏が見られたこと、および約 23%の対象者に鉄欠乏が見られたことが判明。さらに鉄欠乏がある対象者では約 3倍の頻度でビタミンD欠乏が起きていること、一方でビタミン D欠乏がある対象者では、約 2・ 7倍の頻度で鉄欠乏が見られたことも分かった。仮説ですが、ビタミン Dが鉄の吸収や代謝に大きく関わっていることが考えられる。つまりビタミンDを増やすと鉄が吸収されやすくなり、鉄の貯蔵量が増えるというもの。逆に鉄が不足・欠乏すれば、貧血が起こり、当然、運動パフォーマンスにも影響。現在、特に若い女性のビタミンD不足、ならびに鉄不足はかなり蔓延していると言っても過言ではない。どちらの栄養素も元気に活躍するためには不可欠である。

ビタミンDの過不足を知るには、活性型ビタミンDに変わる前の段階で、ほぼ 1000倍の濃度があるカルシジオールの血中濃度を測定する必要がある。一般的にビタミン Dの血中濃度とは、カルシジオールの濃度( 25( O H) D 3濃度)のことを指す。食品中に含まれるビタミンDには、きのこ類に含まれるビタミン D 2と、魚類に含まれるビタミン D 3の 2種類がある。人体で利用されるものはビタミン D 3であり、ビタミン D 3のほうがビタミン D 2に比べて約 3 ~ 4倍の生理活性がある。食品から補充するには鮭や青魚を食べることが効果的。中でも代表的なものは「鮭」。また「たらの白身」にビタミン Dはあまり含まれないが、たらの場合には肝臓に多く含まれる。昔は学校給食で肝油というものがあったが、これはたらの肝臓を絞って得られた油が多かったよう。 魚は日光浴をしないので、人間のように皮膚でビタミン Dを作ることは出来ない。魚のビタミンDは魚が食べているプランクトンから共有される。植物プランクトンは紫外線を利用してビタミン Dを作ることができる。「植物プランクトン →動物プランクトン →小魚 →大型魚」というように、食物連鎖によってビタミン Dは魚に運ばれる。また卵はタンパク質のほかビタミンD、ビオチン・ビタミン B 2・ビタミン B 12・セレンなどの微量栄養素がバランスよく含まれることから「完全栄養食品」とも言われる。身近な食材であるツナ缶にもタンパク質のほかビタミン D、ビタミンEなどがバランスよく含まれる。いわしを原料に作るオイルサーディン(油漬け)やアンチョビ(塩漬け)の缶詰も利用できる。

「世界の主要メディアが報道する「ビタミン D推奨論」
血中ビタミン D濃度が低いと新型コロナが重症化しやすく、死亡率が高くなる可能性が世界中の研究者から報告されている。重度のビタミン D欠乏症( 20 ng/ ml未満)の人は新型コロナによる深刻な合併症の可能性が高く、死亡率が高いことが示されているのは事実。その理由としては、ビタミン Dの免疫調整作用が、サイトカインストームやこれによって引き起こされる ARDSなどの致死的な合併症を防いでいる可能性が指摘される。英国の名誉教授であるジョン・ロードス教授は、ビタミン Dには抗炎症作用があり、ウイルスに対する体の免疫反応を適正化する可能性があることを述べている。血中ビタミン D濃度が高い国ほど、感染者数も死亡者数も減る傾向が見られる。ビタミン Dの補給は、呼吸器感染のリスクを減らし、サイトカイン産生を調節し、インフルエンザなどの他のウイルスのリスクを制限。呼吸器感染症はサイトカインストームを引き起こす可能性があり、新型コロナウイルスを持つ人の死亡率を高める。適切なビタミン D摂取は、潜在的に脆弱な免疫力を持つ集団に適度な保護を提供する可能性があり、ビタミン D欠乏症が新型コロナの重症度に何らかの役割を果たすかどうかはわからないものの、人々が毎日適切な量のビタミン Dを摂取するようすすめることは理にかなっている。

アイルランドの例「重症者は明らかに血中ビタミン D濃度が低い」
アイルランドからは、年齢 40歳以上の新型コロナ罹患患者 33名について経過を調べた報告が出されている。 12名は重症化し、 ARDSとなり、さらに、このうちの 4名が亡くなられていますが、 8名は回復しています。 21名は重症化せずに回復の経過をたどっています。 これらの2つのグループの患者の血液中のビタミン D濃度の平均値を比べたもの。 ARDSを合併した 12名の方が、明らかに血中ビタミン D濃度が低い傾向が見られる。

ベルギーの例「感染者は血中ビタミン D濃度が低い」
ベルギーでも、新型コロナ患者の血中ビタミン D濃度について調べている。186名の患者(男性 109名/女性 77名)について調べたところ、対照群と比較して新型コロナ患者では有意に血中ビタミン D濃度が低いことがわかった。

スペインの例「治療薬としてビタミン Dが有効」
2020年8月 29日に発表された研究では、ビタミン Dを治療薬として投与することで新型コロナ感染症の重篤化を防げることが、世界で初めて報告された。この研究はスペインで行われたもので、二重盲検法という医学研究のなかではもっとも信頼性の高い方法に基づいたも。76名の新型コロナ感染患者を、ビタミン D服用群 50名と非服用群 26名に分け、その後の病状の変化について調べた。ビタミン D服用群では、カルシフェジオール(カルシジオールと同義)と呼ばれるビタミン D製剤を、入院日に 0・ 532 ㎎、 3日目と 7日目に半量の 0・ 266 ㎎を服用、その後は週に 1回、 0・ 266 ㎎の服用を続けている。その結果、ビタミン D服用群では 50名のうち 1名が重症化して ICUに入室したのに対し、非服用群では 26名中半分に当たる 13名が ICUに入室しました。さらに死亡者について見ると、ビタミン D服用群では 1名の死亡者も出なかったのに対して、非服用群では 2名が亡くなった。この臨床試験結果は画期的なものであり、ビタミン D製剤を服用することで、新型コロナ感染症の重症化を大幅に防ぐだけでなく、死亡すら防ぐ可能性を示唆する内容である。ビタミン D服用群の患者が 50名と少ないために、絶対的な結論は導き出せないが、ビタミン Dによる新型コロナ感染症治療の可能性はあると考えても間違いではない。

※要約ここまで。

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/184861/1/rish_00800_049.pdf

1https://kansai-sanpo.com/covid19-ace2/

【ビタミンDがコロナ重症化を防ぐとの研究】

2020年5月6日にドイツの科学系学術サイト「シュプリンガー・ネイチャー」に1つの論文が発表されると、感染予防の手がかりになると注目を集めた。イギリスの研究者らが欧州20か国を調査したところ、ビタミンDの血中濃度が低い国ほど、新型コロナの感染率、死亡率ともに高いことが明らかになった。被害が大きいスペイン、イタリア、 スイスの高齢者は、血中のビタミンDが少ない傾向にある。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることでカルシウムの吸収率が上がり、骨を強くすることはよく知られている。アスリートでは筋肉の質や量を高めるのに一役買う重要栄養素。しかし近年ビタミンDには免疫機能を高める働きがあるという研究結果が相次いで報告される。体内に侵入したウイルスや細菌などの異物に対して、それを排除しようとする免疫機能を必要なだけ働かせ、過剰な免疫反応を抑制すると考えられる。かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与することが分かってきた。最近は、がんや高血圧、糖尿病などさまざまな生活習慣病を予防する可能性も示唆。

ビタミンDは、日本人の約8割で不足。第一に日光に当たることが大事。肌に紫外線を当てると皮下にあるコレステロールに化学反応が起こり、体内でビタミンDが作られる。ビタミンDを不足させないためには1日に15~20分程度、外でウオーキングを。手や脚は日焼け止めを塗らず素肌のままで。どうしても日焼けが嫌なら、手のひらだけでもかざすと○新型コロナの感染リスクがあり積極的に外出するわけにもいかない。また、老人ホームや病院など施設内での生活はどうしても室内にこもりがちになり、ビタミンD不足に陥る。高齢者は特に注意が必要。人間は必要なビタミンDの80~90%を日光から合成。窓ガラスは合成に必要な紫外線を通さない。室内で日光に当たる場合は、必ず窓を開ける。ビタミンDは日光以外に、食材からも摂取できる。さばやまぐろなどの魚、特にいわし、さんま、鮭などにビタミンD 3が豊富。牛レバーやチーズ、卵黄にも含まれる。またきのこ類にも豊富。しいたけ、きくらげなどのきのこ類は、カサの裏側を数十分ほど日光に当てるだけで、ビタミンDの量が数倍に増える。

【亜鉛に注目した研究】

【亜 鉛】
亜鉛は免疫を含む多くの生物学的プロセスに関与している。亜鉛欠乏症は炎症誘発性サイトカインを有意に増加させる。さらに、亜鉛欠乏は、IFN-γ、TNF-α等のシグナル伝達のアップレギュレーションなどを介して、肺上皮組織の細胞バリア機能の変化ももたらすほか、好中球の動員と走化活性にかかわり、T細胞やNK細胞の数との関連も示されている。

【亜鉛とCOVID-19】
亜鉛の免疫調節および抗ウイルス特性は、COVID-19患者の支持療法となる可能性がある。高用量亜鉛で治療された4人のCOVID-19患者の症例報告では、臨床症状の改善が示されている。オーストラリアでは、COVID-19陽性者への亜鉛の静脈内投与の効果を検証する臨床試験が始まっている。

【亜鉛に注目した研究】
ブラジル連邦大学栄養学科の研究者が4月に発表した研究では亜鉛には抗炎症作用があるため、免疫機能を最適化し、感染リスクを低下させる可能性を示唆。亜鉛は過剰な免疫反応を抑えて正常化させる働きを持つ。たんぱく質と亜鉛は、免疫細胞の原料となり免疫を活性化。感染症対策において重要な成分。高齢者は特に亜鉛が不足しやすいので意識的に摂取する。亜鉛が豊富に含まれているのは牡蠣や緑茶、抹茶。たらばがにや干しえびなどの甲殻類、帆立貝、赤身の肉、レバー、プロセスチーズ、大豆製品、ごまにも多く含まれる。クエン酸やビタミンCと摂取すると吸収率が上がるのでレモンをかけて食べるのが○※冬の時期は特に鍋などのスープ類が手軽に効率良く沢山の野菜を摂取出来るので利用すると良い。

【治療を目的とした亜鉛】
亜鉛の新型コロナウイルスに対する作用についてこれまで臨床的エビデンスはなかった。そんな中、今年3月から10月にニューヨーク大学医学部が行った研究において、ある重要な結果が発表された。コロナ陽性患者3,473名を対象に行った亜鉛およびヒドロキシクロロキンの投与と死亡率の相関関係について指し示した。ニューヨーク大学医学部のジェニファー・フロンテラ教授の研究グループは、亜鉛の投与が新型コロナ感染の院内での死亡率を24%減少させると発表。今年10月にトランプ大統領の新型コロナウイルス感染が報道されたが、この時に主治医団がトランプ大統領の治療について発表した。その中にも亜鉛とビタミンDが含まれている。以前から細胞内の亜鉛が十分であるとコロナウイルスのようなRNAウイルスの複製が阻害されることが知られている。そこで、新型コロナウイルスのパンデミックを抑えるために亜鉛の補給が提案されていた。しかし、今回のニューヨーク大学の研究結果が発表されるまで亜鉛が新型コロナウイルス感染に効果があるという臨床的なエビデンスはなかった。「治療」を目的とした場合、臨床的なエビデンスが重要である。そうした観点からも、ニューヨーク大学が出したこの研究結果は、とても重要で大きな意味を持つもの。亜鉛欠乏の症状の一つに味覚障害がある。また、新型コロナウイルス感染時にも特徴的な症状として「味覚障害の出現」が現れるのはご存知の方も多い。これは、第一に味蕾(みらい:主に舌に存在する味覚を感知する器官)へのウイルス感染、第二に亜鉛の消費量による亜鉛欠乏、もしくはこの両方が合わさった状態であると考えらる。いずれにせよ予防のためには日頃から亜鉛を摂取することがポイントとなる。というのも新型コロナに感染してから亜鉛を摂取するのでは、細胞に十分な亜鉛を届けるのが間に合わないかもしれないからだ。
今回ご紹介した研究で脚光を浴びた亜鉛は日本においても食習慣の変化により不足しがちなミネラルの一つ。とりわけ子どもや高齢者、若年層の女性の亜鉛不足が指摘されている。 また、国際オーソモレキュラー医学会が新型コロナウイルス感染予防および軽症化のために推奨する5つの栄養素の中にも亜鉛は含まれている。

亜鉛無くして免疫は存在しない。欠乏するとT細胞などの獲得免疫の働きが低下

納豆
一粒一粒に栄養と旨味がぎっしり詰まる高栄養食品。胃腸を元気に働かせ消化を助ける高酵素食品でもある。食すことで体内酵素を節約。酵素は納豆を始め味噌などの発酵食品に含まれており、生の野菜や果物などの食べ物から食物酵素をしっかり取り入れることで消化を助けることができる。納豆はアミラーゼなどの食物酵素を含んでいる。ナットウキナーゼには血流アップ効果も。カルシウムとマグバランスバランスが良い食材。納豆は微生物の中でも超強力な増殖力を持ち、体内に取り入れると腸内細菌のコンディションを上げる。セロトニンは腸内細菌によって作られており、食物繊維によって腸内細菌を整えていく。納豆は食物繊維も豊富な上、レシチン、コリンといった脳の司令塔、前頭前野に働きかける栄養を含むメンタルヘルスにもオススメな食材。ビタミンKも含むので骨強化にも○。免疫に密接な関係性のある亜鉛補給にも○。整腸作用、感染症、免疫力、解毒、抗菌(納豆菌)血栓予防(ナットウキナーゼ)骨折、コロナ症状緩和の可能性も=ロッテルダム心臓研究によると天然ビタミンK2を豊富に含む食材を長年食す人は動脈内のカルシウム沈下が著しく低く、心臓血管の健康状態が良好。オランダではナイメーヘン市の病院で医師たちがビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性を発見。新型コロナウィルスは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解するがビタミンKが凝固を調節。肺疾患から保護するタンパク質の生産に関わる。(ビタミンK2)更年期(大豆イソフラボン)アンチエイジング(スペルミン=ポリミアンの一種)セロトニン材料(トリプトファン)

味噌
「味噌の医者ごろし」。たんぱく質やビタミンに優れる。大豆を主原料にしイソフラボンを含む。微生物の働きが加わることで病気を防ぎ健康を保ってくれる万能薬的な存在。味噌などの発酵食品には腸内環境を整えウィルスへの抵抗力を高めることを期待。腸内環境と免疫は密接な関係。腸には体内の免疫細胞のうちのおよそ6割が集中。これを活性化させることが外部からの病原体と戦う免疫力向上に繋がると考えられる。食事療法で免疫力を高め善玉菌で身体を満たすことが一番の新型コロナウイルス対策。特に味噌汁、梅干し、ぬか漬け、納豆、甘酒などの発酵食品。江戸時代から食されている日本食そのもの。これまでの研究で味噌は熟成して発酵させればさせるほど大豆たんぱくとみその成分中にACE阻害ペプチド、高血圧防止ペプチドを生産する可能性。


麹発酵食品、ファイトケミカルを高含有
佐藤健司氏(京都大学大学院農学研究)
https://www.jafra.gr.jp/food-12.html

「和食が健康に良いことはよく知られているが、具体的にどの成分が良いかつき詰めると「発酵が良い」ということになる。さらに、発酵に用いられる「酵素」や「微生物」が良いということになる、と佐藤氏。特に味噌や醤油といった麹発酵食品にはポリフェノール類のようなファイトケミカルの他、ペプチド、アミノ酸誘導体などが多く含まれる。しかしそれぞれの構造や機能に関する知見は多くないのが現状だ。というのも、麹発酵食品にはあまりに多くの成分があり、構成成分を同定することが非常に困難なため、と佐藤氏。そこで今回、味噌や日本酒に含まれるペプチドの構造を網羅的に調べ、さらに動物実験によって見出された健康増進機能についての解説を行った。

味噌にさまざまな疫学研究
タンパク質はアミノ酸がペプチド結合で結合した高分子で、加水分解するとペプチドやアミノ酸が生成される。タンパク質を分解するのはプロテアーゼ酵素だが、プロテアーゼにはEndo型とExo型がある。納豆菌などのバクテリアによる発酵の場合はEndo型の活性が強く、麹発酵食品などのカビによる発酵の場合いはExo型が強い。このExo型による活性が強いと、小さいペプチドが生成されるため食品の旨味が豊富になる。ちなみにペプチドは体内で分解されないと考えられてきたが、ペプシン、トリプシンで分解はされず、ペプチダーゼでは分解されることがわかっている。分解されないペプチドはプロリン、ピログルタミン酸を含むものということもわかっている。和食の中でも麹発酵食品の代表ともいえる味噌にはさまざまな疫学研究がある。

味噌、体重増加を抑制
例えば、「味噌汁を毎日摂取する女性はインスリン抵抗性リスクが有意に低い(長浜コホート研究)」「8週間の味噌の摂取がヒトの夜間の血圧を低下させる」「1975年の日本食は1960年、1990年、2005年と比べ抗肥満効果を持つ」「味噌の摂取と運動がマウスの内臓脂肪蓄積を抑制」などの研究成果があるしかし、味噌のどの成分がこれらの機能性を発揮するかについてはこれまでほとんど研究されていない。これは、味噌中に非常に多くの成分が含まれ、ペプチドがどこにあるかわからない状態だから、と佐藤氏。そこで、佐藤氏らはたくさんある成分からアミノ基を持つものだけを抽出し、その中でも「疎水性ピログルタミルペプチド」に絞り、マウスによる試験を行った。その結果、体重60kgのヒトが3杯の味噌汁を摂取した時の用量に相当するピログルタミルペプチドにより、45~60%の高脂肪食を摂取させたマウスのカロリー摂取を低下させ、体重増加を抑制する知見が得られた。つまり、味噌汁に含まれるピログルタミルペプチドが脂肪に対する嗜好性を抑制する成分ではないか、と佐藤氏。

肝炎や大腸炎の緩和
また「疎水性ピログルタミルペプチド」には肝炎や大腸炎の緩和(抗炎症作用)、抗菌ペプチドの産生(自然免疫の活性化)のよる腸内細菌叢改善なども確認されている。特に腸内細菌の改善にはこれまでプロバイオティクスやプレバイオティクスが用いられているが、日本酒や味噌といった食事から自然に、しかも微量摂取で腸内細菌改善が期待できる、と佐藤氏。他にも麹発酵食品にはこれまであまり存在が知られていなかった「アスパラギン酸イソペプチド」が豊富に含まれる。これには「抗疲労効果」「アルデヒトの生成を抑制し酸化ストレスを低下する」「肝機能改善」「血中コレステロールの改善」といった効果も確認できている。これらは味噌や醤油など通常の食事で摂取できる量で効果が見られ、毒性もないことが動物実験でわかっている。ただ、麹発酵食品には機能のわかっていない成分がまだ多い。それらも含め、さらなる成分の特定、機能のメカニズムの解明やバイオマーカーの検索、ヒト試験が必要であるとした。

ターメリック:重症急性呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)に有効。

PPRSVに対し、ターメリック(クルクミン)は細胞融合によってウイルスの働きを阻害すると考えられます。阻害濃度は、10〜15μmol.

シナモン:インフルエンザウイルス、肺炎菌などに有効。インフルエンザウイルス・肺炎菌など13種の豚呼吸器感染に対して有効性が確認。

その他:レーズンや蓼に含まれるレスベラトロール、ウイルスのエンペローブに結合する紅藻、藍藻、レンズ豆、ブロッコリーなども有効か。さらに、メラトニンはエボラウイルスの複製を阻害し、炎症性サイトカインを減少させることで免疫応答を最適化。また、ORACの高い赤紫蘇ジュースにも期待できる。

日本ホリスティック医学協会植物療法研究会「各種植物療法のトピックを探る」主要ハーブの新たな機能性と活用/講師 林真一郎(グリーンフラスコ代表/日本メディカルハーブ協会理事長)/精油成分の研究トピックス/講師 村上志緒(薬物博士・理学修士、株式会社トトラボ代表)/バッチフラワー研究/講師 林サオダ(一般社団法人バッチホリスティック研究会代表理事)/発達障害と園芸療法/講師 宍戸多恵子(専門認定登録園芸療法士)/樹木系バッチレメディの植物生態学からの検討/講師 飯田みゆき/進行・ディスカッション降矢英成(赤坂溜池クリニック院長、NPO法人日本ホリスティック医学協会)2/23日 受講終了

自身が所属する日本メディカルハーブ協会第二回学術フォーラム2021で先日登壇されたばかりの(1月11日13時から17時)ハーバード大学医学部内科元准教授、麻布医院院長

 

『ハーバード大学式 命の野菜スープ』

「ハーバード大学式 命の野菜スープ」はニンジン、キャベツ、タマネギ、カボチャを使った誰にでも簡単に作れる野菜スープです。この野菜スープには、私たちの体に必要な一日分のビタミンA・C・E、食物繊維、ファイトケミカルが豊富に含まれています。ファイトケミカルは野菜や果物、そして、バーブにも含まれる天然の機能性成分。抗酸化作用やデトックス作用、免疫力を強くする作用、アレルギーや炎症を抑える作用、がんや動脈硬化を予防する作用、ダイエット効果、アンチエイジング作用など色々な機能を持っています。「ハーバード大学式 命の野菜スープ」の一番いいところは飲むとほっとすることです。どんなに忙しい時でも疲れが取れて気持ちを穏やかにしてくれます。しかし、それだけではなく、肥満を防ぎ体重を減らすダイエット効果、糖尿病を予防し、糖尿病を予防・改善する作用、血圧を下げて高血圧を改善する作用、脂肪肝や脂肪肝炎を改善する作用、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を予防する作用、血液をサラサラにして脳梗塞や心筋梗塞などの血管の事故を防ぐ作用、便秘を改善・腸内環境を整える作用、発がんを予防する作用、炎症やアレルギーを抑える作用、感染症やがんと闘う免疫力をアップする作用など、体にやさしい自然の力が秘められている最強の野菜スープです。

麻布医院院長、医学博士、ハーバード大学医学部内科元准教授、テキサス州名誉市民、ファイトケミカル研究家。がんと肝炎の治療の専門家として食事と病気の関係に着目し、ファイトケミカルを患者に積極的にすすめて成果を上げている。日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント。米国消化器病医師会フェロー、米国癌学会正会員。

米国テキサス州トリニティハイスクール卒業、埼玉県立浦和高等学校卒業。1977年東京慈恵会医科大学卒業後、同大学院(内科専攻博士課程)へ進み、同附属病院で臨床研修。1985年ハーバード大学医学部留学。講師、助教授をへて准教授となる。ハーバード大学医学部での肝炎やがんの研究を「サイエンス」、「ネイチャー」、「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」、「Gastroenterology」、「Hepatology」などの世界最高峰の医学・科学雑誌に筆頭著者および責任著者(Corresponding author)として論文を多数発表した。2008年医療法人社団ヴェリタス・メディカル・パートナーズ理事長、2009年麻布医院院長に就任。

著書に『トップジャーナルにアクセプトされる医学論文 執筆と投稿のキーポイント』(メディカルレビュー社)、『ガンにならない3つの食習慣 ファイトケミカルで健康になる』(ソフトバンククリエイター)、『免疫を整えるレシピ』(エビデンス社、三省堂書店)、『ハーバード大学式「野菜スープ」でやせる!若返る!病気が治る!』(マキノ出版)、『ハーバード大学式 命の野菜スープ』(宝島社)、『ドクター髙橋の「ファイトケミカル」病気を治すいのちのレシピ』(主婦と生活社)、『血管があなたの命を決めている』(大和書房)、『帳消しメソッド』(日本実業出版社)、『野菜&くだものパワー!ファイトケミカルできれいにやせるレシピ』(宝島社)、『好きなものを食べながら健康的にやせる 帳消しダイエット』(日本実業出版社)、『がんの名医が考案!がんに打ち勝つ「命の野菜スープ」』(アスコム)、『ハーバード大学式 免疫力アップ! いのちの野菜スープ』(世界文化社)、『ハーバード大学式最強!命の野菜スープ』(宝島社)などがある。

麻布医院

www.azabu-iin.com/

この理論については、抗がん剤研究の世界的権威で、万病の元である活性酸素研究に勢津する医学博士/農学博士 熊本大学名誉教授/東北大学特別招聘プロフェッサーの前田 浩先生も同様の見解を述べている。

『野菜の力はスープにあり』

「がんや動脈硬化などの生活習慣病、アルツハイマー病、炎症、目や肌の老化など病気の9割に活性酸素が関わっている。新型コロナウィルスの感染症の重症化も大量に発生する活性酸素が炎症を引き起こすことによりもたらされる。活性酸素を減らすことが病気の予防や改善、感染症の重症化を防ぐ要である。

 

英語のことわざでは「You are what you eat.」(ヒトの健康はそのヒトの食べ物次第)と云われている。ヒトの健康は充分な栄養と適当な運動が良いことは誰でも知っているが、食べ物については栄養成分として、糖質、たんぱく質、脂質、さらに多くのビタミンやミネラルであるが、野菜丸ごとには有用成分(化学物質)が数多く含まれていることはあまり知られていない。老化予防、成人病予防、メタボ予防に対して、野菜など植物に含まれる化学物質が近年とくに再認識されている。植物由来化学物質ということで、ファイトケミカルと呼ばれるが、これは植物のラテン語の語源がphyto(フィト)で、それを英語式に発音するとファイトと発音しているのがファイトケミカルである。それにはフラボノイドやポリフェノール、あるいは数多くの多糖類も含まれ、加熱によっては初めて細胞が破裂してスープ中に溶け出し、腸管で吸収されるので、生野菜より何倍も栄養価が上昇するのである。昔から「ビタミンCは加熱すると分解するので、野菜は生で食べましょう」と云われたが、それは実は結晶のビタミンCを蒸留水に溶かして加熱したときの話で、野菜丸ごとの加熱では、そのビタミンCはほとんど安定な型で残っている。野菜にはビタミンC以外に、通常あまり話題になっていないビタミンも緑色野菜には数多く含まれている。そのうちの葉酸やビタミンK、ルテインなども、抗酸化作用、傷ついた細胞の修復や、抗炎症、がん予防、アンチエイジングなどの作用があり、今でもホットな研究テーマである。また、納豆はビオチンを特に多く含み、他の大豆の有用成分に加え、理想的食品といえる。ハーブには薬効成分やアロマセラピーになる香気成分が数多く含まれている。漢方の多くの成分は薬効を示し、例えば青ミカンの陳皮はヘスペリジンなど無数の成分が含まれている。しいたけその他キノコも加熱や煎じることにより、冷水では溶出されない有用成分の多糖が、加熱で可溶性となり溶け出し、吸収が可能になる。これらの植物の多糖や分解物は腸内細菌をよい方に誘導し、さらに免疫力のアップをもたらし、感染防御にも役立っている。」

自然免疫(もともと体に備わっている仕組み)獲得免疫(異物に応じた攻撃方法を記憶する後天的な仕組み)両方を活性化させ、ウィルスから体を守っていく。自然免疫と獲得免疫は巧みに連絡を取り合っている為、2段階の仕組みで体を守っていく。過剰な免疫を抑えることも大切。

自身は元々は夫のスポーツアロマトレーナーとして携わり、植物化学を専門として学んでいたが、近年この植物化学にスポットが当たり始めて香り化学で勉強していたところが大いに役立っている。

野菜や果物のファイトケミカル(植物化学成分)は固い細胞壁に囲まれていて、これを壊さなければファイトケミカルは効果的に摂取できない。ファイトケミカルは加熱すると簡単に壊れ、また吸収されやすくもなる。野菜は具材だけでなくスープも一緒にとることが何より大事だと先日も高橋先生がおっしゃっていた。何故ならスープの抗酸化力の方が格段に高くなっているから。

フィトケミカル(ファイトケミカル)フィト=『植物』、ケミカル=『化学成分』という意味で、野菜や果物の色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分のこと。

科学技術省(Department of Science and Technology、以下DOST) は1ヶ月にわたる研究の結果、ココナッツオイルやバージンココナッツオイルに含まれる成分が、Covid-19の60~90%を死滅させたことを明らかにした。同省は「この結果には、とても明るい兆しが見える。VCO自体がウイルスを除去しただけでなく、Covid-19に対する免疫反応を再調整する鍵となる仕組みもあることが明らかになった。Covid-19の治療のために、VCOを多くの臨床試験で使用していく。今後の結果が楽しみだ」と語っている。もしバージンココナッツオイルがCovid-19に効果があるとしたら、とても明るいニュースになる。今後の臨床試験の結果を見守りたい。

フィリピンの大手メディア「Philstar(フィルスター)」にてフィリピンのセブにある刑務所「セブ州拘留・リハビリテーションセンター(CPDRC)」において、新型コロナウイルスの陽性者である20名の受刑者に対してココナッツオイルが投与され、全員が回復したという内容の記事が紹介されている。また受刑者以外には看守10名にも投与され回復したとのこと。彼らの回復プログラムでは定期的にテーブルスプーンでココナッツオイルを投与され、発症することなく陰性となった。今回は臨床試験や治験ではなく、受刑者や刑務所職員の健康管理が目的で行われたものだが、一つの結果として興味深い内容。

https://www.philstar.com/headlines/2020/07/20/2029273/coconut-oil-credited-making-provincial-jail-covid-free

ココナッツオイルは2007年からスポーツアロマの際のキャリアオイルとしてブレンド使用していたオイル。確か2014年頃から注目されていたこともあり(もう少し前かも)再度ボディ用に加えて飲食用もストックするように。免疫強化、ダイエット、心臓強化、脳の活性化、糖尿病予防など様々に期待。

現在我が家ではMCTオイルの利用が多い。ココナッツオイルはココナッツの種子の中の胚乳を抽出して作られ、このココナッツオイルに含まれている脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の一種である中鎖脂肪酸がMCTオイル。ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が約55%で、それ以外は長鎖脂肪酸(LCT、つまり一般的な食用油と同じカテゴリーの油)が含まれる。一方、MCTオイルだと100%近くが中鎖脂肪酸になる。

短鎖脂肪酸(炭素6個以下:~C6)(SCT)…酪酸など

中鎖脂肪酸(炭素6~12個:C6~C12)(MCT)…カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸

長鎖脂肪酸(炭素12~14個:C13~C21)(LCT)…オメガ3など

MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)とは、炭素数6〜12の脂肪酸からなる飽和脂肪酸。ココナッツオイルに含まれている脂肪酸のうち中鎖脂肪酸は55%程度。MCTオイルだと同じ量を食べてもより多くの中鎖脂肪酸を摂取できることになる。一般的な食用油のほとんどはLCT(長鎖脂肪酸トリグリセリド)。MCTはLCTとは消化吸収性が大きく異なるためそれぞれの代謝も違う。LCTは主にリンパ管経由で吸収され、ゆっくり全身を回って代謝されるのに対し、MCTオイルの中鎖脂肪酸は門脈経由で直接肝臓のミトコンドリアで素早くエネルギー源となるので体脂肪として蓄積されにくい特徴を持つ。

MCTオイルもココナッツオイルも、消化やエネルギーの放出、ビタミンやミネラルの吸収に良い影響を及ぼす。栄養を十分に吸収するためには、野菜を摂取するのと同時に良質な脂質を取る習慣が大切。カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルや、ベータカロチン、ビタミンE、ルテインなどの脂溶性の栄養分は、脂質と一緒に取ることで効率的に消化吸収される。

MCTオイルを構成する中鎖脂肪酸はその分子の炭素の数により4種類に分けられる。

炭素6個(C6)…カプロン酸:一番素早く代謝されるが、独特な臭いがあり、味が悪く、胃がむかつくことがある。のどがヒリヒリすることも。ココナッツオイルにはあまり含まれていない。

炭素8個(C8)…カプリル酸:ココナッツオイルに少量含まれる。母乳にも含まれる。健康な腸を維持するための有益な抗菌作用と中鎖脂肪酸の中でもケトン体を最も効率的に作ることができるMCTのタイプだと考えられている。 そのため、最も早く脳細胞などのエネルギー源に。低糖質ダイエットのケトーシス効果を効率的にサポートするにはMCTオイルを。なるべくC8(カプリル酸)を多く含有しているものを選ぶのがお勧め。

炭素10個(C10)…カプリン酸:MCTの中で2番目に短くC8よりはゆっくり。エネルギーへの代謝が比較的早いMCT。

炭素12個(C12)…ラウリン酸:消化吸収のメカニズムはLCT(長鎖脂肪酸)と似ている。他のMCTのように素早く脳細胞などのエネルギーに変わらない。ケトン体の生成が少量で持続するともいわれる。MCTオイルもブランドによって特にこのラウリン酸の量が変わる。

ココナッツオイルはラウリン酸(C12)が約42%、カプリル酸(C8)が約7%、カプリン酸(C10)が約5%、カプロン酸(C6)が1%以下。
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2020年度に、日本メディカルハーブ協会理事、木村正典先生の植物学講座第一弾 「植物の学名を学ぶ」分類と学名の関係、学名の成り立ち、学名のシノニムと学名の調べ方、学名の意味とその調べ方、学名の命名者、学名の読み方などと、木村正典の植物学講座第二弾「生き物の繋がりと生態系ー光合成・呼吸と炭素・窒素循環。植物にとっての一次代謝産物と二次代謝産物の成分過程とその役割。精油は植物のどこに何のためにあるのか-科ごとに見る精油分泌組織」を2講義受講させていただきました。

この時の講義内でもパワーポイントを使いお話しされていた内容で、現在、日本メディカルハーブ協会ホームページや広報誌にも掲載の、パンデミックの歴史における木村先生の執筆を一部ご紹介させていただきたいと思います。

原文は日本メディカルハーブ協会HPからどうぞ

https://www.medicalherb.or.jp/category/library/monograph_plus

木村正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。 著書に『有機栽培も OK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。
 

 

 

 

パンデミックとは、感染病の世界的大流行を意味し、紀元前より人々はペストをはじめとする「疫病」といくども戦ってきました。その様々な場面で、ハーブの活用を見受けることができます。

パンデミックの歴史におけるハーブの活用

1. ペスト医師と防護服 Plague Doctor & Plague Doctor Costume

ペストマスク:くちばし型のマスクの鼻の部分は防毒マスク同様、フィルターの役割になっており、中にハーブや藁が詰められていた。

中世欧州では、ペストを専門に扱うペスト医師、プレイグドクターが登場した。1619年にはフランスの医師シャルル・ド・ロルメによって、ペスト医師用の感染防護服、プレイグドクターコスチュームが開発された。木の杖、スパニッシュ風ハット、ガウン、手袋と共に、瘴気しょうき論に基づき、瘴気を吸わないようにくちばし型のペストマスクが特徴。ペストは主としてノミ-ヒト感染であることから、マスクの効果は最大限に発揮されなかったと考えられる。現代において、飛沫感染を防ぐマスクに応用が期待される。

<使用されたとされるハーブ>

ローズ、カーネーション、スペアミント、ユーカリ、カンファー、ジュニパーベリー、クローブ、ラブダナム、ミルラ、ストラックス、アンバーグリス

ペストとは……ペストPestはドイツ語で、英語ではプレイグ plagueという。14世紀に起こったヨーロッパの流行では、人口 の3分の1以上がペストによって失われた。皮膚が黒くなる特徴的な症状があることから黒死病Black Deathとも呼ばれる。細菌Bacteriaの一種であるペスト菌Yersinia pestisによって引き起こされる感染症。ペスト菌は1894年に北里柴三郎、アレクサンドル・イェルサンによって発見された。腺ペスト、敗血症ペスト、肺ペストに分類され、ネズミを中心に猫や犬などの小動物を宿主とする。感染経路の8割弱がノミ-ヒト感染、2割が動物-ヒト感染とされ、腺ペストでは患部接触によって、肺ペストでは飛沫感染などによって、ヒト-ヒト感染も見られる。ただし、19世紀まで、感染症の多くは、ヒポクラテス(B.C.460頃-370頃)の唱えた瘴気論に基づいていたため、「悪い水」から発生する「悪い空気」(瘴気 miasma)によってもたらされると信じられていた。

ウィーンのペスト記念碑

2.ポマンダー Pomander

 

語源となった pommed’ambre は、フランス語で「琥珀のリンゴ」を意味する。アンバーグリスやムスク、シベットなどを球状にしたもので、金属容器に入れてペンダントとして使用した。その後、ポマンダー内部がいくつもの部屋に分かれており、綿などに染み込ませた香料を別々に入れられるものが誕生した。中世欧州では、首や腰にぶら下げ、病気予防や魔除け、悪臭改善を兼ねた。現代では、ハーブ・スパイスを楽しむクラフトとして、フルーツポマンダーやエッグポマンダーなどが作られるが、首からぶら下げるマスクのように、中世のポマンダーのリヴァイヴァルが期待される。

3.タッジーマッジー Tussie-mussie Nosegay, Posy


鼻に近づけて香りを楽しむ、ハーブで作られた小さな香りの花束のこと。タッジーマッジーの語源は不明で、花のクラスターを語源とする説がある。タッジーマッジーの最初の記載は1440年頃とされるが、 tuzzy-muzzy のスペルで女性器を表す隠語とされた時代があったことが影響してか、その後は花の装飾品を意味するノーズゲイと呼ばれるようになった。19世紀のビクトリア朝時代になると花言葉ブームと共に人気となる。1940年頃からノーズゲイの本来の呼び名として、スペルを tussie – mussie に変更して名称が復活。ブーケの原型ともいわれ、コサージュ同様、当初は、魔除けや悪臭改善に用いられていたと考えられている。現在でも、王室行事やブライダルブーケなどで用いられているが、ハーブの役割を最大限に活かした利用方法も期待したい。

4.ストゥルーイングハーブス Strewing Herbs

 
文字通り、撒き散らされたハーブのことで、それらを踏んで香りを出すことで虫除け、特にノミ除けや病気予防、芳香 剤として利用された。中世初期から18世紀にかけて、特に英国で広まった。広まった原因の一つとして、中世初期の英国で入浴の習慣が減少して体臭などが気になるようになったことが考えられている。合わせて、ノミをはじめとする生活害虫の駆除や疫病予防を目的とした。ハーブは、藁やイグサ、ヨシなどと共に、台所から寝室まで、家中に撒き散らされた。王室も例外ではなく、テムズ川の悪臭などもあって、1660年にはチャールズ2世によって、王室専用の散布人として、ロイヤルハーブストゥルワーRoyal Herb Strewerの職が設けられていた。高い地位にあり、普段はもちろん、戴冠式では行列の先頭に立ってハーブを撒く重要な役割を果たした。エリザベス女王はメドウスイートを好んだとされる。踏んで香りを出すことから、表皮に腺毛を有し、踏んで容易に壊れて精油を揮発させるシソ科やキク科のハーブが多 かったことが考えられる。これはハーブの使い方を学ぶ参考になると共に、現代でも応用した活用が期待される。

一般に散布に用いたと考えられているハーブ

  • シソ科:ラベンダー、コットンラベンダー、バジル、ペニーロイヤル、ミント、セージ、ヒソップ、オレガノ、マジョラム、ウインターセイボリー、ジャーマンダー、ローズマリー、タイム
  • キク科:カモミール、スイートヤロー、コストマリー、タンジー、デイジー、サザンウッド
  • バラ科:バラ、メドウスイート
  • アカネ科:レディースベッドストロー、スイートセンテッドベッドストロー
  • セリ科:フェンネル
  • スミ科:スミレ
  • ミカン科:ヘンルーダ
  • アサ科:ホップ
  • サクラソウ科:カウスリップ
  • クスノキ科:クスノキ
  • ショウブ科:スイートフラッグ

ヘンリー8世の時代に王室で撒かれていたハーブ

  • シソ科:トゥルーラベンダー、スパイクラベンダー、コットンラベンダー、バジル、レモンバーム、ペニーロイヤル、レッドミント、セージ、ヒソップ、マジョラム、ウインターセイボリー、ジャーマンダー
  • キク科:カモミール、スイートヤロー、コストマリー、タンジー、デイジー
  • サクラソウ科:カウスリップ
  • セリ科:フェンネル
  • バラ科:バラ
  • スミ科:スミレ

5. 4人の泥棒の酢 Vinaigre des Quatre Voleurs

諸説あるが、最も広く知られている説によると、1628〜1630年にフランスのトゥールーズでペストが流行した際、4人の泥棒がペストに感染せずに泥棒を繰り返していた。捕まった時、司法取引により、ペストにかからずにいた秘密と交換に釈放されたとされ、その秘密が、セージ・タイム・ラベンダー・ローズマリーの4種で作られたハーブビネガーを体に塗ったり飲んだりして泥棒をしていたということだった。その後、ペスト対策として、「4人の泥棒の酢」(Vinaigre des Quatre Voleurs)の名で、様々なレシピのハーブビネガーが誕生したとされる。現在も、同名のハーブビネガーが販売されているほか、「7人の盗賊の酢」の名の香水もある。酢はルームスプレーなどに不向きだが、これを応用して、アルコールを利用して抗菌チンキを作り、除菌スプレーやエ アフレッシュナー、オーガニック殺菌・殺虫剤などとしての利用が期待される。
<初期のレシピに用いられたとされるハーブ>

ワームウッド、メドウスイート、ワイルドマジョラム、セージ、クローブ、カンパニュラの根、アンジェリカ、ローズマリー、ホアハウンド、カンファー

日本メディカルハーブ協会理事
木村正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。 著書に『有機栽培も OK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

 

 

https://www.sophia-college.jp/course/sciencead.php

<第1回>10月21日(水)

精油の作用はそれを構成する精油成分の分子構造によって概ね決定する。

<第2回>11月4日(水)

精油の毒性は精油成分の分子構造によって概ね決定する。安全な使い方を学ぶ。

<第3回>11月18日(水)

精油の薬理作用と抗菌作用のメカニズム。活用法提案。

<第4回>12月2日(水)

精油の体内代謝と薬物相互作用。排泄されるまでの道筋を学ぶ。また精油と医薬品を併用した場合の相互作用。

<第5回>12月16日(水)

精油の持っている多様な機能性や精油の作用の最新情報を具体的に学び日常生活のなかでそれを生かす活用法を提案。

概要
ハーブ及びアロマセラピー研究は現在勢いをつけて進んでいる。その理由として、これまで精油の研究はアロマセラピー専門研究者が主導していたが、機能性食品領域の精油研究が進み(例・柑橘類を筆頭に精油は野菜や果物、ハーブ、スパイスなどの食品にも含まれているため)例えば国立環境研究所などは環境に対して精油の研究を行なっている。(車の排気ガス除去など。美容分野でも精油の研究が進む)抗ウイルス作用においてはアロマセラピー研究者だけではなくウィルス学者が研究。精油研究は世界的に注目が高まっている現状である。

 

アロマサイエンスアドバンスコース(第1期生でした)は1回の講義がたった2時間という僅かな時間しかない。しかし解剖学、生化学、薬学、更に野菜や果物、ハーブ・スパイスなどの植物の化学も繫ぎ合わせ、化学構造から薬理作用を見て、更に数々の研究データをシェアしてくださる実践的且つ凝縮した講義内容だ。精油の生体内の分布から排泄までのメカニズムを理解し、リスク管理ができることが最大のポイント。タイムリーなCOVID-19関連の情報も多く、より多くのアロマテラピー関係者の皆さんに是非この講座を受講していただきたいこと。また、植物栄養の化学視点からの情報も知っていただきたく、林先生の講座を推奨すると共に、林先生から教わったCOVID-19関連の貴重な情報をシェアします。感染拡大が進んでいます。ウイルス感染に対しては芳香浴及び蒸気吸入が有効とのこと。精油を既に利用されている方は情報源のひとつとしてお役立てください。初めて使用される方は必ず専門家のアドバイスの下、精油に対する正しい知識を得てからの(精油化学及び解剖学)使用となります。


研究が相次ぐ青森ヒバ精油はIgA(免疫グロブリンA)を誘導。

○SIgAが免疫力の大きな鍵を握っている

https://www.nsca-japan.or.jp/journal/26_1_18-23.pdf

○天然素材で抗ウイルス作用研究

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66594810U0A121C2XB0000

分泌型免疫グロブリンA(SIgA)はからだを細菌やウイルスなどから守る抗体の一種。口腔内粘膜のほか、唾液、母乳、涙、鼻水などの体液に多く存在し、からだの局所で感染症を防ぐ。

ベンゼン環は六角形だが青森ヒバのヒノキチオールは七角形をしており抗菌力が非常に強い。

 

 

院内感染を防ぐのに使えるのではないかという研究は30年以上前から進んでいたとのこと。

大学院医歯学総合研究科の土門久哲准教授と寺尾豊教授らの研究チームは植物由来成分であるヒノキチオールが肺炎の原因菌である肺炎球菌を殺菌することを明らかにしている。(感染後の肺炎を防ぐ)

https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/05/re010529.pdf

例 ウィルスを囲っているエンベロープと呼ばれる脂質をティートリー精油が低濃度で不活性化。

生活の木 無料冊子より転載

 

 

『メラレウカ・アルテニフォリア(ティーツリー)オイルのインフルエンザウイルス(A/PR/8型)に対する活性~その作用機序の研究』

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0166354210008120

「我々の以前の研究で、メラレウカ・アルテニフォリア(ティーツリー)オイルには、MDCK細胞内のインフルエンザA型に対して抗ウイルス活性があることを示した(MDCK細胞というのは、イヌの腎臓からとった細胞で、こういう研究でよく用いられる)。

具体的には、ティーツリーオイル(およびその構成成分)は、細胞毒性を持つ用量よりも少ない用量の投与で、インフルエンザウイルスの増殖・複製を抑制する効果があることを、我々は確認した。成分としては、テルピン4オール、テルピノレン、アルファ・テルピネオールが主要な活性成分であった。
本研究の目的は、MDCK細胞内でインフルエンザウイルス(A/PR/8型)H1N1型に対してティーツリーオイル(およびその成分)が、どのような作用機序で効果を発揮しているのかを調べることである。

【結果】どの成分にも、殺ウイルス活性やMDCK細胞の保護作用は見られなかった。ウイルス複製のどの段階にティーツリーオイルおよびその活性成分が効いているのかを調べるために、細胞にウイルスを感染させて以後様々な時間差をおいてからティーツリーオイルを投与した。すると、ウイルス複製が最も抑制されるのは、感染から2時間以内にティーツリーオイルが投与された場合であることがわかった。これは、ティーツリーオイルが、インフルエンザウイルスの複製サイクルの初期の段階に作用することで効果を発揮していることを示している。


ティーツリーオイルは、ウイルスのノイラミニダーゼ活性を抑制しているわけではなかった。このことは、4メチルウンベリフェロン(蛍光性基質の 2′-O-(4-メチルウンベリフェリル-N-アセチルノイラミン酸からウイルスのノイラミニダーゼによって切り出される)の量を測定することで示された。

細胞内リソソームの酸化に対してティーツリーオイルが及ぼす効果を、アクリジン・オレンジを使った生体染色で調べた。比較として、バフィロマイシンA1(マクロライド系抗菌薬)を使う対照群を設けた。

染色する前に、細胞を0.01%ティーツリーオイルで37℃で4時間処置すると、酸性の細胞質小胞にアクリジン・オレンジが蓄積するのが抑制された。これは、リソソームの酸化に干渉することでウイルスの脱殻が抑制されたことを示している」

ウイルスは裸の状態。(エンベロープ)精油は脂溶性でありくっつければやっつけてしまえる。細菌や真菌よりもウィルスに対して強い特徴を持つ。またウイルスはヒトの細胞に入る時ACE2から入ってくる。ここに蓋をしてしまえばウィルスは入って来られなくなる。多くの精油がACE2に蓋をする。色んなポイントでウィルスを防いでくれる。

http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/2020/09/post-87f09b.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/17/1/17_95/_pdf

ティートリー(河上さんのところのティートリー 2021年チンキ使用)

ティートリーはオーストラリアの先住民のアボリジニの人々がハーブティーとして飲用したことから名づけられましたが、現在ではもっぱら葉を蒸留して得た精油を外用で用います。1920年にオーストラリアの研究者がティートリーの精油の防腐効果が石灰酸の13倍もあることを報告しました。その後の研究で精油の抗菌作用や抗真菌作用が確認され、さらにティートリーの精油を外用した際には周囲の組織に侵襲を与えないことがわかりました。そのため歯科医はコップ一杯の水に精油1滴を希釈したものを歯肉や口腔粘膜の炎症に、医師はカンジダ症や水虫(白癬)に用い満足する結果を得ました。抗菌スペクトルが広くかつ非侵襲的であることからティートリーの精油は米国をはじめ世界各国に急速に広まることになり、現在ではニューサウスウェールズ州でプランテーションが行われています。なお最近の研究ではティートリーの精油が抗生物質の耐性菌に対しても強い活性を示したことが報告されています。

ティートリー(tea tree) 各論

オーストラリア原産

フトモモ科メラレウカ属植物

学名

Melaleuca alternifolia(Maiden & Betche)Cheel

カナ表記

ティーツリー

ティートゥリー

 

オーストラリア先住民のバンジャラン族は、ティートリーの軟らかい樹皮を、揺りかごや食料運搬などに使うクーラモンと呼ばれる伝統的な木の器や、寝具、カヌーの修理、屋根、雨具、食品のラッピング、包帯などに用いたほか、古くから、咳や風邪の治療に熱した葉の蒸気を吸い込んだり、葉を噛んで頭痛を緩和したり、傷や皮膚感染症治療に葉を湿布して用いたり、葉を粉砕して泥と混ぜて防腐、抗菌に利用した。

近年になって精油の効果が注目されるようになったのは1920年代に A.R.ペンフォールドによって精油のもつ高い防腐効果などが発表されてから。第二次世界大戦中は軍の救急箱に不可欠となり、その後抗生物質などの普及で一線を退いたものの1960年以降のハーブブームで再び脚光を浴びるようになった。さらにティートリーの精油を外用した際には周囲の組織に侵襲を与えないことが分かった。

現在では精油による、炎症性サイトカイン産生抑制などの免疫システム正常化作用や、口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスやインフルエンザウイルスなどに対する抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗微生物作用、殺菌作用、原虫類に対する作用、殺ダニ作用、貯穀害虫のヒラタコクヌストモドキ(平擬穀盗)などに対する殺虫作用などのほか、メラノーマやカンジダ症、皮膚感染症、菌類による皮下組織感染症、ふけ症などの治療効果についても研究・報告される。

 
 

吸入によって鎮咳、去痰、喉の感染症源や痛みの除去、鼻づまり緩和、鎮静などに用いられるほか、ニキビや水虫、虫さされ、かぶれ、火傷、創傷などの皮膚疾患、関節痛や捻挫などの鎮痛、抗炎症、マウスウォッシュで口内炎、口臭、歯周病対策などに外用される。さらにはコンパニオンアニマルの皮膚疾患にも用いられる。

そのほか、化粧品や石けん、シャンプー、洗剤、香水などの香料原料として商業利用されているほか、家庭においても除菌、消毒、消臭、防虫、植物の病害虫管理など、安心安全な天然物質として幅広く用いられる。

最近の研究ではティートリーの精油が抗生物質の耐性菌に対しても強い活性を示したことが報告される。

花は白〜乳白色で、ふわふわした羽毛のような感じは、合着した花糸からなる長い5本の雄蕊に、短い花糸を無数に着生することによる。この花が各節の葉腋に着生し、8〜24個集まって1つの穂状花序を形成する。

葉腋に小さい花がたくさん着き穂状花序を形成。羽毛のように見えているのは雄蕊で、一つの花に5本の長い花糸があり、そこから短い花糸が無数に枝分かれして着生している。日本では6月頃に開花。

 

植物が傷つくと油室が壊れて精油が揮発。虫などの動物に噛まれた時に敵を撃退したり、傷口から菌類やウイルスなどの微生物の侵入を防いだりする役割があるものと考えられる。

重要な精油成分はテルピネン -4- オールで、ISO4730(2017)規格では、ティートリーオイルには35〜48%含有することになっている。そのほかテルピノレン、γ-テルピネン、p-シメン、β- ピネン、α – ピネンなどを含有する。精油成分としてテルピネン -4- オールを主成分とするもの以外に、1、8- シネオールやテルピノレンをそれぞれ主成分とするケモタイプや1、8-シネオールを主成分としてそのほかの成分組成の異なるケモタイプなどが明らかになっている。

【日本メディカルハーブ協会オンラインアカデミー メディカルハーブにおける精油の役割と最新情報】

【日本メディカルハーブ協会オンラインアカデミー メディカルハーブにおける精油の役割と最新情報】受講終了

メディカルハーブに含まれる精油はアルカロイドやフラボノイド、タンニンや苦味質、油脂などの他のフィトケミカル成分と比べてどのような機能性や特徴があるのか?植物化学(フィトケミカル)成分の生合成経路、シキミ酸経路によるC6-C3化合物、メバロン酸経路によるテルペノイド化合物、精油の生体への作用メカニズム、精油の機能性の特徴、精油の抗菌・抗ウイルス作用研究、精油の生理・心理作用研究(香りのCNVへの影響、モノアミン仮説-神経伝達物質別)精油の経皮吸収および経皮吸収促進作用、精油の機能性 (生体防御機能向上)などの再確認によって合理的且つ効果的な精油の適応を学ぶ。また呼吸器系感染症に対する精油の新たな機能性研究など注目を集めるアロマセラピーや精油のトピックスについても解説する。

講師:

林 真一郎/日本メディカルハーブ協会理事長、薬剤師

 

メディカルハーブ協会オンラインアカデミー

https://academy.medicalherb.or.jp


精油の生体へのメカニズム

1作用→鼻腔→大脳辺縁系:情動の座〜食欲、性欲、睡眠欲、記憶、自然治癒力(自律神経系、免疫系、内分泌系)

PNI:精神神経内分泌免疫学

2肺や皮膚→全身循環 おそらくBBB(血液脳関門)を通過(分子量が小さい)nose-to-brain経路(鼻腔→脳)脳腫瘍の臨床研究

最新精油研究情報

青森ヒバ(IgA分泌誘導:蒸気吸入)ユーカリ(線毛細胞の活性化:蒸気吸入)木曽ヒノキ(NK細胞活性化:芳香浴 初期対処 森林療法)レモン・ゼラニウム(ACE2発現抑制)1,8シネオール(サイトカイン抑制とNF- κB減少)βカリオフィレン 例 注目のコパイバ(カンナビノイド受容体CB2 リカンドとして消炎作用 CB2は免疫系に作用→消炎 βカリオフィレンはCB2にくっつく ※CB1は脳)

機能性
揮発性と抗菌・抗ウィルス作用を併せ持つ。タンニンも植物酸も抗菌作用を持つが精油は揮発性を持つため空間そのものを浄化する事ができる。植物の生体防御機能の表れ。嗅覚系を介して速やかに生理、心理作用をもたらす。アルカロイドや一部のフラボノイドは血液脳関門を通過し中枢神経をもたらすが、精神は嗅覚系を介して情動に変化をもたらす。外用で速やかに経皮吸収し全身循環にのる。

竹酢
https://note.com/tn391226/n/n1f517a8bbad6?magazine_key=m68c01b4dd9b0

画像転載元
https://oumi-tsusho.com/index.php?竹酢液

竹炭
https://satoyama.kenkyu.ryukoku.ac.jp/publication/2118544ffe587b5d747f08c725722085d3a0df84.pdf

【COVID-19関連参考資料】

内閣府認証NPO法人日本アーユルヴェーダ協会理事長

一般社団法人日本アーユルヴェーダ学会 理事

日本未病プラン協会 理事 上馬塲 和夫

ハリウッド大学院大学 教授

医師・医学博士 上馬塲 和夫

http://www.npo-ayurveda.com/kanesntaisaku.pdf

新型コロナウイルス感染初期のウイルス侵入過程を阻止、効率的感染阻害の可能性がある薬剤を同定

https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00060.html

井上 純一郎(東京大学医科学研究所 分子発癌分野 教授、アジア感染症研究拠点北京拠点長)

山本 瑞生(東京大学医科学研究所 分子発癌分野 助教)

合田 仁(東京大学医科学研究所 アジア感染症研究拠点 特任講師)

松田 善衛(東京大学医科学研究所 アジア感染症研究拠点 特任教授)

川口 寧(東京大学医科学研究所 ウイルス病態制御分野 教授、アジア感染症研究拠点 拠点長、研究開発代表者)

 

ACE2は心臓や血管、肺、腎臓、消化管など全身の組織に発現し、血圧や腎機能、水・電解質のバランスなどを調節するレニン・アンジオテンシン系(RAS)の中で働く酵素として知られていたが、最近の研究によりACE2は新型コロナウイルスの体内への侵入経路であることが突き止められた。ウイルスが肺胞上皮などの細胞膜に存在するACE2に結合することで細胞内に侵入し、生体の免疫機能を惹起してサイトカインストームを生じさせて重篤な肺炎などを引き起こす。

【秋田大学研究グループの成果が国際科学雑誌「Nature Communications」に掲載 新型コロナウイルス受容体 ACE2 と同じ機能を持つ 微生物酵素 B38-CAP を発見 ~白神山地の微生物が産生する酵素が医薬品応用の可能性~】

https://www.akita-u.ac.jp/honbu/event/img/pro30857_01_dl.pdf

 ニューノーマル時代に摂取したい栄養素は?日本人の約77%が目に不安

健康問題としては「1、PC時間の増加による目の健康不安」「2、人に会うことの減少や環境変化による心の健康不安」「3、在宅時間増加に伴う栄養バランスの不安」と、大きく3つの課題が指摘されている、と佐野氏。心の不安は、はっきり認識できるものではない。思考力の低下、集中力の低下、意欲の低下、あるいは睡眠障害、食欲異常、疲労や倦怠感など、さまざまな症状として現れる。また複合的な原因によって症状が引き起こされる場合もある。もちろん、栄養面のアプローチによって症状を緩和させる方法はある。例えば「鉄」は神経伝達物質の合成や代謝に関わる酵素で、不足すると集中力が低下したり、イライラの増加や興味関心の低下などにつながる。また「亜鉛」は脳に多く存在し、脳の神経細胞のシナプスで神経伝達物質を貯蔵するなど、脳に非常に重要な栄養素である。新型コロナウイルスで注目を浴びているビタミンDも前頭前皮質や海馬、視床下部などに多く存在する、精神の安定維持に不可欠な栄養素である。

「健康寿命」と「平均寿命」の間には約10年の乖離がある。このデータは2000年に発表されたものであり、そこから20年以上経過する現在も現実は変わっておらず、医師や医療界は責められる立場にある、と内藤氏。世界的にも食物繊維が「大腸癌」だけでなく「全死亡リスク」「心疾患」「糖尿病」のリスクを低下させることはよく知られておりエビデンスもある。それは日本人を対象にした調査でも同じ結果が得られているが、日本人の食物繊維摂取量は世界的に見ても極めて少ない。例えば心筋梗塞のリスク低減には24g(日)の食物繊維摂取が必要とされるが、18歳以上の日本人の食物繊維の平均摂取量は13.7gであり、大きな隔たりがある。特に日本人の場合、穀類と野菜からの食物繊維摂取量が大幅に減少していることがわかっている。この辺りをどうやって食事で改善していくかは、機能性表示食品やサプリメントの啓蒙以上に重要ではないか、と内藤氏。基本的に和食は健康食とされているが、世界的にはエビデンスのある地中海食の方が高い評価を得ている。和食が良いというならエビデンスを整えていく必要もある。

食物繊維、インフルエンザ感染を抑制
食物繊維は腸内のマイクロバイオームを変化させることで健康に良い影響を与えることもわかってきている。例えば、2018年にマウスの試験で、食物繊維はインフルエンザ感染を抑制するというエビデンスもでている。地中海食が良いのもおそらくマイクロバイオームに影響を与えるため。内藤氏が特に注目しているのが、食物繊維の中でも「高発酵食物繊維」とされるもの。これは腸内細菌が好んで食べる食物繊維で、高発酵食物繊維によりさまざまな短鎖脂肪酸が生成されることがわかってきている、という。具体的にはグァーガム、小麦胚芽、難消化性でんぷん、水溶性大豆食物繊維などが高発酵食物繊維に分類される。水溶性食物繊維(高発酵性食物繊維)を腸内細菌が食べて発酵させることで短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)が産生される。それが脳へシグナルを送ることで、抗ストレス、認知機能改善、食欲改善などの効果が得られるという経路も解明されてきている。

食物繊維、「パラミロン」に注目
また、内藤氏は「パラミロン」という食物繊維の一種にも注目しているという。この成分は生体内に取り込まれても一切吸収されることなく糞便中に排出されていくが、私たちの生体に様々な健康効果を発揮することが数々の論文で発表されており、今盛んに研究が進められている。これはおそらく腸にも足裏のように「ツボ」とでもいえるセンサーが存在し、これをパラミロンが刺激しているのではないか。つまり、消化管とは消化・吸収の機能だけでなく、さまざまな科学的・物理的刺激を感受するセンサーとしての役割を担っているのではないか、と内藤氏。食物繊維にも腸機能にもまだまだ解明されてないことが多くある。機能性表示食品の開発とともに、この辺りの研究も進めていくこと、また機能性表示食品の効果を検証するのに役立つウエアラブルデバイスなどの開発も望まれる、とまとめた。

腸内環境や免疫維持が重要
例えば、よく言われるようにフレイルに介入することは非常に重要だということは間違いない。フレイルやサルコペニアは加齢でも進むが、例えばがんの患者はどんどん食が細くなり急激にフレイルやサルコペニアが進むことで抗がん剤などの治療もできなくなってしまう。あるいはメタボリックなのに筋肉量が異常に少ないサルコペニアも問題だ。しかしこれらの問題になかなか医療が介入できていない現状がある。例えばこれら予防するために「高齢者はタンパク質を意識的に摂取するように」とか「健康長寿の高齢者ほどステーキを食べている」といった情報も流れる。 しかし、日本人が本当にステーキを食べてサルコペニアを予防できるのかについて十分な根拠はない。 またパプアニューギニアの男性は基本的にさつまいもを主食としていてそればかり食べているがなぜあんなにも筋肉隆々なのかについて説明がつかない。これについては、おそらく、パプアニューギニア人の腸内細菌の中にさつまいもからアミノ酸を作る菌があるからだと推測される。つまり「何を食べるか」は大切だが、それよりも医学的には「腸内環境や免疫を維持することでウェルビーイングを維持する」知見を提示することの方が重要ではないか、と内藤氏。

日本人の食物繊維摂取量、世界的に極めて少ない
現在、消費者庁のデータベースには3958件の機能性表示食品が登録されており、その中の466件が「食物繊維」でしかもその多くが「難消化性デキストリン」である。しかし食物繊維は「便通改善」や「血糖値のコントロール」だけではない様々な可能性を秘めた機能性成分であることをもっと伝えていく必要がある。私たちは機能性表示食品やトクホ食品だけを食べて暮らしていけるわけではない。やはり生鮮食品からいかに食物繊維を摂取するかについて理解することがはるかに重要ではないか、と内藤氏。

ニューノーマル時代に摂りたい栄養素、ビタミンA・D、鉄、亜鉛
栄養バランスの不安については在宅ワークに伴い「朝食の欠食」が増えていること、「ランチタイムを軽視」しやすくなり昼食をレトルト食品で済ます人々が増えていることが問題となっている。レトルト食品ではビタミンA、ビタミンB6、ビタミンD、亜鉛が不足しやすく、糖質や脂質、塩分が過剰になりやすい。一方、人々の「免疫力を高めたい」という意識は高くなっており、健康志向の高まりからプラントベース食や大豆ミート、ゆるベジタリアンなどがちょっとしたトレンドになりつつある。しかし、植物性の食生活では鉄分の中でも吸収率の高いヘム鉄が不足しがちとなる。また、タンパク質、ビタミンB12、亜鉛なども不足しやすくなる。これら全体を考察すると、ニューノーマル時代に積極的に摂りたい栄養素は主に4つ、「ビタミンA」「ビタミンD」「鉄」「亜鉛」ではないか、と佐野氏。

アメリカでは主食に必要な栄養素を強化
食品関連企業においては、これらの不足しがちな栄養素が自然と摂取できるような食品開発を手がけることが差別化のポイントになるのではないか、と佐野氏。アメリカでは小麦粉やとうもろこし粉に「ビタミンB1、B12、ナイアシン、葉酸、鉄」などを強化することで不足しがちな栄養素を主食から摂取できるように進めているという。行動変容を起こすのは容易ではないので、やはり自然と健康になれる環境づくり・仕組みづくりを社会と個人、双方で行う必要があるのではないかとまとめた。特に「目」については日本人の約77%が不安を抱えているという調査報告もある。具体的にはドライアイ・眼精疲労・視力低下を多くの人が不安に思っている。

日本人はルテインやゼアキサンチンの摂取量が少ない
ドライアイは涙のトラブルといえるが、栄養も関係している。例えばビタミンAは角膜に涙を保持する粘膜の層を作り、目を乾燥から守る働きをしている。また、あまりよく知られていないがビタミンDも目の表面の炎症を抑制したり、涙の分泌促進に関与している。視力については、ビタミンAが目の網膜に含まれるロドプシンの構成成分で、ルテインやゼアキサンチンは、目の黄斑部や水晶体に多く存在し、有害な光を吸収して目を守る働きをしている。ちなみに有害な光の代表的なものがブルーライトだが、ブルーライトカットメガネには効果がないという発表が先日なされている。とはいえ、ブルーライトが眼精疲労や視力低下の原因に関与していることに間違いない。ルテインやゼアキサンチンを十分に水晶体や黄斑部に取り入れることが目を守る鍵となる。アメリカでは1日平均0.8~1.1mg摂取しているが、日本では0.35mg程度の摂取である。日本人は世界的にみてもルテイン・ゼアキサンチンの摂取量が少ないことが報告されている。

不安症状やうつ症状を訴える人が増加
心の不安についてはテレワーク推奨などに伴う急な環境の変化や、外出自粛制限、人との交流が激減していることで、国内だけでなく世界的にも不安症状やうつ症状を訴える人が増えている。